第29回 小津安二郎記念 蓼科高原映画祭

今年は9月26日と27日に開催されました。
会場はいつもの市民会館と新星劇場です。

上映プログラムは、いつもの小津作品と、弁士付きサイレント作品を1本ずつ。
今年選ばれた「秋刀魚の味」は佐田啓二生誕100年の記念作品とも銘打っていました。

他に、小津に関する海外作品「THE OZU DIARIES」や、地元八ケ岳を題材にしたドキュメンタリー「小屋番 八ヶ岳に生きる」など。
また、諏訪圏フィルムコミッション20周年を祝って、当地ロケ作品がセレクトされています。

恒例の短編映画コンクールは、例年通り伊藤俊也監督を審査委員長として開催され、グランプリ作品が上映されました。

注目のゲストですが、今までは岡田茉莉子、岩下志麻、司葉子など、小津監督と直接ご縁のあった女優さんが招待され、出演作品上映の後、トークショーが行われましたが、さすがに出演した女優さんの正体は今後もうないでしょう。
最近では佐田啓二の娘の中井貴恵を中心に、伊藤俊也、招待作品の監督などがゲストとなっています。

こういった内容の蓼科高原映画祭ですが、当日は、私は北海道に月遅れの墓参りを兼ねた旅行に行っており参加できませんでした。

過去の映画祭での思い出としては。
新星劇場前にレッドカーペットが敷かれ、樽酒や寒天菓子のおもてなしが用意され、この日だけは昔日の茅野での映画文化を彷彿とさせる盛り上がりが見られたこと。
女性弁士になるサイレント映画の面白さ。
司葉子、岡田茉莉子のトークショーで感じた小津安二郎への敬意、などでしょうか。

来年は見るぞう。

八ケ岳総合博物館の機織り

山小屋から茅野市側に下りたところに八ケ岳総合博物館があります。
公立諏訪東京理科大学の隣です。

茅野には、国内最大級の縄文遺跡があります。
この博物館から少し離れたところにある尖石遺跡です。
八ヶ岳自体が、縄文時代から、茅野をはじめとした諏訪地方を、いや東日本全体を見守ってきたご神体のような存在だったのかもしれません。
有史以降には諏訪大社という信仰の中心地もありました。

八ケ岳の麓に位置するこの博物館には、訪れるたびに新しい発見があるような気がします。

玄関わきに飾られている御柱祭の祭具
5000年前の木の化石

中央構造線、糸魚川・静岡構造線などが表す日本列島の起源と深くかかわる八ヶ岳を中心とした土地の構造。
縄文遺跡。
諏訪信仰を表す御柱祭。
寒天や切れ味の良いのこぎりなど地域の特産品の歴史的背景、などがコンパクトに展示された館内。

この日、最も印象的だったのは機織り機がホールに備えられ、若い女性の学芸員さん?がデモンストレーションよろしく、縦糸を張り、横糸を通して機を織っている風景でした。

最初に展示されているのは八ケ岳周辺の地質
御柱に関する展示も欠かせない
八ヶ岳の自然をジオラマ風に

よく見ると『機織り体験。300円』などと張り紙があり、体験者を呼び掛けている風でした。

無数の機織り機が並ぶ

地方の博物館といえば、旧家の蔵に死蔵されていた機織り機などが無数に集められたままとなっていたり、地域の特産物の歴史には専門的に詳しい学芸員さんが、たまにしか来ない訪問者相手にその知識を持て余していたりする印象があります。
が、今日の八ケ岳総合博物館は、若い学芸員が自ら収蔵物の活用に取り組むという、絶えて久しい現役感があふれ出ている場面に遭遇したのです。

やはり博物館には定期的に来てみるものです。

軽トラ半日旅 小諸へ

9月のある日、思い立って小諸へ半日旅をしました。

古い城下町で、北国街道宿場町としての歴史もある小諸。
ご多分に漏れぬ地方衰退の時期の後、最近では街中に若い移住者が店を開くのがブームになっているとか。
軽井沢から御代田町へと西進してきた移住先のブームが、小諸にまで至ってきたのかもしれません。

秋晴れの空の下の小諸の街
北国街道沿いの旧長野銀行だった建物。行員がコロナにり患した際に窓ガラスに投石されたとのこと

山小屋からは上田方面へ下って、中山道沿いに笠取峠を越え、千曲川方面へと平地を走れば小諸に至ります。
軽トラを駅の駐車場に止めてまずは駅前の観光案内所へ。
案内所の女性と雑談し、ランチにお勧めの店を聞きます。
『埼玉から移住した夫婦がやっているおにぎり屋さんが人気です』というので街中に店を訪ねました。

駐車場にフェンスには小諸馬子唄が
旧JR信越線、現しなの鉄道の小諸駅。JR小海の発着駅でもある

すでに店の前には親子が一組並んでいます。
一緒に並ぶのも何なので、昼前の小諸の中心街を一回り。

かつて入ったことのある食堂のサンプルケースや、駅前の純喫茶などを見て歩きます。
おにぎり店に戻ると列がさらに増えていたのであきらめて他を探します。

案内所ですすめられたおにぎり屋さん
ベテラン夫婦が切り盛りする食堂。甘めの味付けのソースかつ重セットを食べたことがある
駅近くには今でも純喫茶が多い
中にはこういった個性的な店も

北国街道沿いのラーメン屋がかねてから気になっていたので入店。
魚介系のダシが効いたラーメンをすすります。
地元の人がひっきりなしにやってくる店でした。

駅に隣接した小諸城址は、懐古園と呼ばれた公園となっており、桜や紅葉の時期には名所としてにぎわいます。
数年前に見た園内の紅葉は見事でした。

園内の動物園には入ったことがなかったので久しぶりに寄ってみます。
懐古園の入場料で動物園にも入場できます。

懐古園内の小諸動物園へ

キツネなどの小動物、インコなどの家禽類のほかライオンもいます。
ペンギンも。

のんびりと動物を見る孫を連れた祖父母がいます。
閑散とした場内のアットホームな雰囲気は、猛獣がツキノワグマしかいなく、寒い季節のカピバラの温泉浴が売り物の須坂動物園と双璧でしょうか。
若い女性の飼育員がテキパキしていた須坂動物園の方が活気があるような気もします。

ペンギンが歓迎してくれた
カマキリも秋の日差しに日光浴

紅葉の時期を前にして人気のない懐古園を散策して駅に戻り、秋晴れの小諸の半日旅を終えました。
地元を知る人と歩けばもっと面白かっただろうと思いました。

場内では時折、草笛同好会の演奏もあるらしい
小諸城の城壁が歴史を詠う