6月はアンズのシーズンです。
信州の夏の収穫が始まる季節です。
アンズを求めて、量り売りが行われる松代の選果場へ向かいました。
上田の真田地区を抜け、地蔵峠を越えると松代です。
今は長野市に吸収合併された松代町は、戦争時代の大本営掘削から戦後の群発地震で勇名をはせました。
古くは真田家が治めた場所として名をとどめています。
関ケ原の合戦を前に、真田幸村と親父が西軍につき、兄の信之が東軍についたのですが、信濃の弱小大名としてはやむを得ぬ戦略的対処だったのが、その後流された幸村が大坂の陣で名を上げたが討ち死に、断絶。
対して徳川方についたおかげで信之の家系は今も続いており、松代の名家となっているのです。

松代城、真田家の家宝を展示した博物館、武家屋敷、大本営後、天皇御座所後、松代温泉など見どころの多い松代ですが、6月のアンズ、秋の長芋など名物の産地でもあります。
カンカン照りのある日、10時ころに選果場につくと、アンズの量り売りコーナーはすでに人だかりがしていました。折角来たのだからと遠慮なくビニール袋をもって人だかりに割り込みます。
そこには先客が選んだ残りしかありませんでしたが、それでもチョイスしていると、新しいB品がどんどん運ばれてきます。
そこに群がる人々・・・、と言いたいところですが手を伸ばすのは我他には一人程がいるばかり。
さすが信州人の遠慮深さ。
秩序ある方々は人を押しのけて奪い合うなどというはしたないことはしないのです。
おかげで、山小舎おじさんは満足するまでアンズをチョイスし、満杯までビニール袋を詰めることができました。
4キロでした。



目的を果たしたので、あとは昼食まで町の探索です。
久しぶりに、NPO松代まち歩きセンターに寄ってみることにします。
ここにいるミタさんというおじさんから、松代温泉やまちの食堂、旧飲み屋街の場所、アンズの仕入れ場所、皆神山のことまで、それこそ松代の楽しみ方の情報をもらったのです。
いるかどうかのぞいてみます。
ミタさんはいました。
パソコンに向かって作業していましたが、気にせずしゃべりかけると椅子を立って相手をしてくれます。
いつもながら雑談を交わしていると、『今回はNPO仲間で今日オープンするカフェがあるからぜひ寄ってくれ』ということで、ランチは駅前の「おむすびカフェ」で、となりました。
センターでのお土産は松代高校が開発したレトルトカレーです。
こういったところに並んでいいるお土産物も、知っている人からストーリーを聞くことで、購買のきっかけとなるのです。
ミタさんのトークがなければ勝っていませんから。
日頃から、結論がない問題でもある、『地域の町おこし』を考え、日々実行しているミタさんは貴重な存在として松代になくてはならない人です。

カフェに行く前に、松代に来れば寄る地元のスーパー現金屋に行きます。
小粒なネクタリンなどを買いました。
何せ安いのです。


その向かいには、つたやという菓子店があります。
和菓子から洋菓子、パンまでそろう地元の人気店です。
ミタさんの話だと、若い職人たちがたくさんおり、商品を開発しているとのこと。
その話を聞いて、商品ケースを眺めると、なるほど美味しそうで元気のあるケーキがたくさん並んでいるではないですか。
今回はおやきとお供えのどら焼きを買いましたが、次回は洋菓子もいいと思いました。


地図を見つつ、松代駅を目指します。
長電、松代駅はすでに廃線となり駅舎だけが残っています。
線路跡は広大な未舗装の無料駐車場になっています。
駅前にはかすかに街の名残が匂い、ラーメン屋の看板などが残っています。




カフェに入り、『ミタさんの紹介で着ました』というと『NPOはあの人のおかげでもっている』と反応がありました。ソーキそばはダシが美味しく、具材のラフテーの味付けも絶品でした。
見かけより満腹となりました。
『松代駅の駅舎は維持費もかかるので今年中に解体される』との話でした。


長電松代駅前の風景を見ることができた松代の旅でした。
アンズは帰ってから早速加工しました。
