こうなりゃ神頼みだ! 諏訪大社上社と諏訪湖畔の人々

長野県内も緊急事態宣言。
県知事がローカルテレビでしきりと、不要不急の外出自粛と観光客の来県の自粛を呼び掛けています。
まじめで好感の持てる知事さんなのですが、上から言われたことをなぞるだけのようなコメントが、物足りません。
といっても某都知事のように、ここを先途と勇ましく、テレビにスポットで出まくって、リーダーシップの発揮?ならぬ、公費での選挙活動ばかりされてもどうかと思いますが。

ということで標高1300メートルの山小舎暮らしの定年おじさん、軽トラのガソリンも尽きかけていたので、大門峠を越え、60歳以上割引のガソリンスタンドのある、茅野市のザビック(安売りスーパー)へ向かいました。

折角茅野へ下りたので、諏訪大社へお参りしました。
山小舎を開いた後は、毎年、月遅れの初詣をしている諏訪大社。
上田側の生島足島神社といい、県内有数の神様に車で1時間圏内に位置する山小舎にいられるなんて、恵まれた身分です。

上社前宮へお札をもらいに行く

向かったのは茅野市に位置する、諏訪大社上社前宮。
ご存知の通り諏訪大社は、4つのお宮からなっており、中央に近い2社が上社。
遠い2社が下社と呼ばれます。
上社は、茅野市にある前宮と諏訪市にある本宮からなっており、下社はどちらも下諏訪町にある春宮と秋宮からなっています。

茅野市街を南に抜けた里山沿いに、上社前宮があります。
平時でも参拝客が少ない神社なのですが、この日も連休初日ながら三々五々の人出。静かでした。

参道に茶店もなければ、境内を柵や石垣で囲ってもいません。
おそらく原初の時代と変わらぬ姿を保っている?と思わせる素朴な雰囲気に包まれています。

素朴ではあっても漂う厳粛な雰囲気には襟を正されます。
すがすがしい空間です。
本殿の裏には、祀られている豪族の古墳があるとのことです。

かつては神社を守る有力者の屋敷が連なっていたという古参道は、今では民家の裏道になっています。

境内を流れる清水には、ワサビと思われる草が自生していました。

何年か前にお札をもらった社務所はご時世柄閉所していました。
お札は本宮でもらってくれと書いてありました。

前宮境内から望む、雪を頂いた八ヶ岳連峰です。
原初の時代から変わらぬ景色なのでしょう。

上社本宮へ今度こそお札をもらいに行く

軽トラで10分行けば諏訪市内の本宮へ着きます。

全国的には、諏訪大社といえばここのお宮をさすのでしょう。
広大な駐車場と、参道のみやげ物屋数軒が迎える大きな神社です。

素朴な前宮とは異なり、壮麗な社屋が連なり、お宮の前には地酒の樽が供えられ、社務所には巫女さんが常駐しています。

鳥居から参拝殿へと向かうメインルートは観光地特有の「公な」雰囲気に支配されていますが、境内の背後の原始の森の姿には、本来の諏訪大社の雰囲気を感じることができます。

ここで念願のお札をいただくことができました。
社務所で硝子戸の向こうにいる巫女さんはやはりマスクをしていました。

八重桜満開の法華寺へ

本宮の裏手に法華寺というお寺があります。
初めて寄ってみました。

山門脇の八重桜が咲き誇っています。
何とも言えない鮮やかな色です。

このお寺、忠臣蔵の悪役、吉良上野介の養子の墓があるのです。
山形の米沢から吉良の養子に入り、赤穂事件に連座して、諏訪に蟄居を命じられた養子が、ひっそりと寺の裏手の山すそに供養されています。

この法華寺、明治時代の廃仏毀釈騒動で、かなりのお堂が文字通り廃棄されたとのこと。
並行して、隣接する諏訪大社本宮が、国家神道の名のもと整備、統制されていき、今日に至ったことがうかがえます。

答えはあった、諏訪湖畔は繰り出す人々でにぎやか

ついでに諏訪湖を1周して帰りました。
諏訪湖畔、特にメインの下諏訪町から湖の反対側の岡谷市のエリア。
湖畔に公園が連なっており普段は住民の憩いの場になっていますが、ここが連休初日の今日は賑やかだった!

外出自粛ではなかったのか?
人があふれています。
茅野や岡谷にこんなに人がいたのか?!

それも中高生らしき若者が多い。
平時なら街に遊びに出てしまう若者が、自粛の名のもとに湖畔に繰り出しているのだ。

いいではないか。
平時は人気がなく、死んだようだった地方の町が、実はこれだけ老若男女のマンパワーを秘めていたなんて!

これも緊急事態がもたらした、天地返し、真実暴露、仕切り直しの一環なのだ。にぎやかでいいと思います!

投稿者: 定年おじさん

1956年北海道生まれ。2017年に会社を退職。縁あって、長野の山小屋で単身暮らしを開始。畑作り、薪割り、保存食づくり、山小屋のメンテナンスが日課。田舎暮らしの中で、60歳代の生きがい、生計、家族関係などの問題について考える。60歳代になって人生に新しい地平は広がるのか?ご同輩世代、若い世代の参加(ご意見、ご考察のコメント)を待つ。

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