寒さ厳しき夕べ 別荘管理事務所の慰労会に参加

定年おじさんの住む、長野の1500メートルの高原は、秋が深まっております。
朝夕の寒さは深刻です。暖房なしでは一時もおられません。

ということで、ここ別荘地の管理事務所の慰労会に参加してきました。
おじさんは事務所の職員ではないのですが、この4月から6月にかけてアルバイト職員で登録していましたので、お誘いがあったのです。

アルバイトといっても、おじさんの場合は週3日の勤務。事務んで決めたローテーションです。
職種は落ち葉集めと草刈り。
アルバイト仲間は別荘住民。
定住していたり、長期滞在中の60歳台~70歳代がメインです。
丸1日の労働は、若いころならともかく、62歳のおじさんにはしんどかったのと、7月に入ると畑が忙しくなり、朝市に参加するなどしたので、行かなくなりました。
それでも、慰労会には誘ってくれたのでした。

別荘の管理事務所は有限会社組織です。スタッフ8名。管理事務のほか、別荘地の保全業務を担っています。
売り上げ9000万円ほどの有限会社で、主な収入源は、別荘住民の管理委託料。
管理委託料は、1区画で年間4万円ほどします。

ほかに別荘地の地主である財産区(町有だったり共有の土地を管理する組織)からの収入があります。

別荘住民は、管理料のほかに、建物の固定資産税、住民税(住民票の有無を問わず)を払っています。
つまり、別荘住民の費用負担を収入源として存在する会社となります。

40年前の別荘開発時には民間業者が管理していたものが、民間業者が撤退し、紆余曲折を経て、現在の形態となったようです。
地元色の強い、半官半民に近い組織です。
別荘管理にかかわるサービスは一所懸命やってくれます。
待ちの主要産業のひとつ、別荘運営を最前線で担っています。

さて、慰労会。
会場は町内の和田地区というところにある、湯游パークという温泉施設内の食堂です。
別荘住民は各戸まで送迎付き。
参加費の個人負担は少ない。というありがたいものでした。
何せ、田舎では飲み会の際の足が重要問題ですから。

地元を知るまたとないチャンス、とおじさんの胸は躍りました。
同時にアウエー感が暗雲のように広がりました。
果たしてどんな場所に連れていかれるのやら・・・。

山小屋までは職員が迎えに来てくれ、事務所からは会場施設のマイクロバスに乗りました。
暗闇を走り、集落で職員たちを拾ってゆきます。
寒い夜に、自宅からどんどん離れた田舎道を行くときの不安感!

町内とはいえ、たっぷり30分以上走り、湯游パークへ到着。
今はやりのスーパー銭湯的な施設内のふれあい食堂へ案内されます。
三々五々、入浴客などの自家用車が駐車しています。
当然ながら、都会のスーパー銭湯のような活気はまるでありません。周りは明かりも音もない田舎です。
施設内の人気を頼りに入所します。

入ってみると、よくある昭和な景色の食堂。
椅子やカウンターの配置は何の違和感もなく、アウエー感が雲散霧消。
おじさんの得意な環境です。
現金なもので、一人ででも飲んでゆきたくなりました。

参加者はアルバイトが6名。職員が8名。社長と監査役。来賓として、近場のスキー場管理会社の社長。
この社長は元副町長ということで、皆さん地元の仲間。町の観光事業を担う、半官半民会社の幹部集合、というような塩梅でした。

といっても堅苦しさはありません。
今時、いかに田舎の有力者とはいえ、絵に描いたようなパワハラ満々なボス面の人間がいるわけではないのです。
有力者が挨拶し、乾杯の音頭を取るのは会社の宴会と同じ。極めて淡々と会は進んでゆきました。

宴会の最中でも、権力者に忖度して、注いで回るような人は現れませんでした。
都会の会社の宴会より民主度は上かもしれません。
各自、飲みたいものを注文し、気づかいや強制もなし。酒自体を飲まない人も目につきました。
醒めているのか、もともとストレスがないから発散する必要がないのか。

食べ物は、刺身のカルパッチョを前菜に、松茸土瓶蒸し、から揚げなどが出て、メインはすき焼き。
すき焼きは、最初の一杯を向かいに座った女性職員がよそってくれました。

締めがラーメンでした。
1人前のラーメンが、全員に出ました。

食事がうまいのがいい意味で予想外でした。
単調な山小屋暮らしからすると、刺身など、多彩な居酒屋メニューには味だけでなく、心も満たされるようでした。

地元による、地元のための宴会。
貴重な経験をさせてもらいました。

投稿者: 定年おじさん

1956年北海道生まれ。2017年に会社を退職。縁あって、長野の山小屋で単身暮らしを開始。畑作り、薪割り、保存食づくり、山小屋のメンテナンスが日課。田舎暮らしの中で、60歳代の生きがい、生計、家族関係などの問題について考える。60歳代になって人生に新しい地平は広がるのか?ご同輩世代、若い世代の参加(ご意見、ご考察のコメント)を待つ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です