調布市文化会館たづくりのホールで、「日活調布撮影所70周年&VFXの作品たち」という展示会がありました。
場所はたづくりの2階にあるギャラリーです。
入場無料でした。

映画撮影所を市内に2か所持つ調布市が、年に一度の調布シネマフェステイバルの開催に合わせて、日ごろ収集している映画資料を展示公開するという催しで、「出張!映画資料室」と銘打つものです。

今年のテーマは、日活撮影所が70周年を迎えたこ(正式名称が日活調布撮影所に変更されている)、また市内にあるスタジオがVFVを手掛けた「ゴジラ-1.0」が米国アカデミー視覚効果賞を受賞したこと、の2点を記念しての関連資料の展示となりました。
まず、日活撮影所に関する展示。
ほとんどが撮影不可の資料ですが、撮影所の年譜をはじめ、第一回作品「國定忠治」のスチル写真、川島雄三監督作品「あした来る人」の脚本、「大巨獣ガッパ」のポスターなどが展示されています。

スタッフの手になるセットの設計図や、実際に使用された脚本、公開当時のポスターなど、当時の空気を今に伝える貴重な資料には、歴史を感じさせる「重み」があります。
また、さりげなくつづられた日活撮影所の年譜の中に、「配給事業からの撤退」「日活芸術学院の閉校」などの記述を見ると、国内映画産業の果てしない衰退(なのか分業化なのかはわかりませんが)を感じてしまいます。
現在、開所当時からは何分の一の広さになった、日活撮影所は自社制作もなく、貸しスタジオとして機能しているようです。
ギャラリーの片隅で誰が見るでもなく、当時の映画館で上映された「日活ニュース」の映像がエンドレスで流れていました。
日活撮影所建設が始まる様子と製作開始5周年パーテイーの様子です。
調布市布田の多摩川近くの広々とした田圃の真ん中に、撮影所が建設開始される地鎮祭の様子が映し出されています。
さらに貴重なのが5周年記念パーテイー。
田んぼの中をバスを連ねて招待客が続々と撮影所に入ってくる様子。
紅白幕を張った演壇で当時の堀久作社長が挨拶し、全国各地の映画館主代表の挨拶が続く様子。
若々しい小林旭と石原裕次郎が余興で歌う様子(旭の高い声。裕次郎は悪びれもせずカンペを見ながら)。
筑波久子が艶然と現れたり、北原三枝が寿司をほおばっていたり、芦川よしみはさすがにそつなく招待客と歓談していたり。
所内に溢れる人の波、何人もの寿司職人が屋台でひっきりなしに握る様子。
当時の映画撮影所の、もしかしたら日本全体の活気が映像からほとばしり出ていました。


続きのギャラリーはVFXコーナーということで、「2001年宇宙の旅」から「ゴジラ-1.0」までのポスターが展示されていました。
なお、ギャラリー内には「持ち帰り自由」とのチラシやパンフレットが置かれていました。
みてみると70年代から80年代の珍しい作品のものが多数あり、見境もなく10冊以上のパンフレットをもらってきました。
重かったです。
