おじさんの食堂探訪VOL.8 仙川にラーメン屋を訪ねる

東京の最高気温は6度だ。真冬の気温だ。
おじさんの住む調布は、都心より2,3度低いかもしれない。今日の食堂探訪は、地元調布の仙川というところにあるラーメン屋を訪ねた。

おじさんのラーメンの思い出

おじさんは北海道旭川出身だから、ラーメンには幼いころから馴染んでいる。
小学校に入る前、母親のお供で街に出た時の昼食はラーメンが多かった。

当時のラーメン屋では蜂谷という店しか思い出せない。
旭川の中心部にあり、まったく普通の食堂形式の店内は、常に客で混んでいた印象がある。

店員のおばさん(お姉さん)は「脂濃くしますか?」と聞いて来るのがお約束だった。
いつも、「普通」で頼んでいたが、もし「濃く」で頼むとしたら、スープにはどのくらいの脂の脂が浮いて出てきたのだろうか?

ラーメンは湯気も威勢よく、どんぶりの淵、ギリギリまでスープが注がれた状態で出てきた。
当時はそれが当たり前の味だったが、今思えば、鶏がらベースにかなり魚介系が効いた出汁で、中太麺の量も多く、食べ応えがあった。

そのころ旭川では、みそもとんこつもなく、ラーメンはしょうゆ味が普通だった。
おじさんは、当時の蜂谷のラーメンほどうまいラーメンを、それ以降食べたことがない。

仙川のしば田というラーメン屋へ

息子に教えてもらった仙川のラーメン屋へ行く。
あっさりした昔風の味で、行列店だとのこと。

若葉商店街というエリアの一角にあった。
平日の昼時を過ぎているのに行列があった。
7,8人なので並ぶ。
大行列だったら帰ろうと思っていた。

バス通りながら狭い道に面した店で、自転車の置き場もない。
黙々と並ぶ人達。
この孤立感は映画ファンにも共通するものがある。
同好の士ながら、話しかけられるのを恐れ、バリアを張り合っているようなところが似ているのだ。

最高気温6度の寒さには耐えうるものの、店の空調の屋外機からの冷気がまともに吹きかかる場所に列が進んだときには若干虚無的な心境になったが我慢。

やがて店内へ。
カウンターのみの8席ほど。
メニューは中華麺普通と煮干し味の二通りのようだ。
中華麺を頼む。850円。
話に聞いていた通りのあっさりしょうゆ味。
しょうゆの効いたスープの色、脂の浮き具合もいい。
あとはもうちょっと出汁の味がつよければ・・・。

最近はやりのとんこつ系の脂ぎった感じよりは数段好みの味だった。
自家製風のチャーシュウが、がっちり3枚乗っていたのもボポイント。
昔風か?と言われれば、コンセプトはそうに違いないが、という感じ。
現代のラーメンとしてこれはこれでいいのではないか。
飽きの来ないラーメンらしいラーメンだった。

投稿者: 定年おじさん

1956年北海道生まれ。2017年に会社を退職。縁あって、長野の山小屋で単身暮らしを開始。畑作り、薪割り、保存食づくり、山小屋のメンテナンスが日課。田舎暮らしの中で、60歳代の生きがい、生計、家族関係などの問題について考える。60歳代になって人生に新しい地平は広がるのか?ご同輩世代、若い世代の参加(ご意見、ご考察のコメント)を待つ。

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