恒例!アンズのコンポート

今年もアンズの時期がやってきました。
信州の夏の果実の第一弾は6月から出回るアンズです。

可憐な見かけと、さわやかな食味、絶妙な色合いが、信州の地に初夏の到来を告げます。

アンズを水洗いします

先日訪れた彩ガールズが地元のスーパーで見かけて購入しておりました。
朝食で食べて「おいしいわ、これ。高かったけど」とおっしゃっていました。

早速、ガールズの残していった3粒と、地元のスーパー・ナナーズで別途求めたワンパックのアンズをコンポートに加工しました。

今年は梅干を作らなかったので、アンズのコンポートづくりが夏の実りの食品加工第一弾です。

皮ごと二つに割り、種を取り出したアンズをシロップで煮て瓶詰にします。
煮すぎると実が煮崩れます。
生すぎると保存性に不安が。

今回は少々煮過ぎたかもしれません。

二つに割って種を取りだします
砂糖を溶かしておいたシロップで煮ます
消毒した瓶に詰め、煮沸します

アンズはまた、種が貴重です。
種を割った中味は杏仁といって、杏仁豆腐のもとになります。

種を丸ごと焼酎に漬けるとアンズ酒になります。
種の薬効もあるようなので、種をためておいてアンズの種のお酒を造ろうと思います。

種は別に取って乾かしておきます
アンズのコンポートが完成
残ったアンズのシロップに棒寒天を溶かして寒天ゼリーを作りました

朝の野草茶

山小舎では毎朝手作りの野草茶を飲んでいます。

今年飲んでいるのは、ヨモギ、スギナ、ヤーコンの葉、のブレンドです。

それぞれ自然に生えているものや、芋の収穫時に葉っぱも併せて収穫したものを洗って干しておきました。

ヨモギはご存じ野草の王様。
昔から餅などにも加工されてきた馴染みのあるもの。
春先には畑の周辺などに群生します。
独特の香りに薬効を感じさせる野草です。

自家製乾燥ヨモギ
現代農業が別冊を発刊するほどヨモギの効用は顕著
別冊現代農業ヨモギ特集号より

スギナはつくしんぼの親戚。
山小舎おじさんの畑には毎年掃いて捨てるほど顔を出します。
新鮮なヤツを箕に2杯ほど採ってきて洗って干します。
若干の甘みがあり、青臭さや苦みはない野草です。

自家製乾燥スギナ

ヤーコンの葉も体にいいというので、たくさん採れた年に葉も採ってきて加工しました。
葉を洗って茹でて干し、砕いて粉末状にしました。

血液サラサラ等の効果があるとのことですが、味が苦いので敬遠していました。
ヨモギ、スギナに混ぜると飲めるので、今年から活用しています。

自家製乾燥ヤーコン葉の粉末

毎朝お湯を沸かし、沸くまでの間にテイーパックにそれぞれの乾燥野草を一つまみ入れます。
カップに入れお湯を注ぐと、山小舎特製野草茶の出来上がりです。

朝ののどの渇きを潤す一杯です。
体も馴染んでいます。

体も壊さず何とかやっていけるのも野草茶のおかげなのかもしれません。

野草茶、健康の一杯

いちごジャム

旬のいちごでジャムを作りました。

高遠で蕎麦を食べた帰り、いつもの南箕輪村の直売所に寄りました。
アスパラ、山菜など旬の野菜類に交じっていちごがたくさん出ていました。
生食用の大ぶりのいちごに交じって、加工用の小粒のいちごが大きめのケースで売られていました。

ひとケース560円が半額。
ふたケースがワンセットになっていました。
これで560円は安いと思い、買いました。

南箕輪村の直売所・ファーマーズあじーなで購入しました

翌日ジャムに加工しました。
生を試食してみると香りが立ち、酸っぱさと甘さが鮮烈ないちごです。
暖かくなってきた今が旬なのでしょう。

いちごを洗ってへたを取ります。
砂糖をまぶしてしばらく置きます。
白砂糖にザラメを少し混ぜてみました。

いちごから水分が出るまでの間に、瓶を煮沸しておきます。

十分に水分が出たら火にかけます。
どんどんアクが出るので取り除きます。

結構な時間、煮ても形が崩れません。
ほどほどで火を止め、瓶に詰めてさらに煮沸。
蓋を締めます。

あともうひと瓶。合計4瓶のジャム完成です

1年以上持つジャムの完成です。
報告すると娘一家から早速の注文が入りました。

信州ソウルフード放浪記VOL.30 高遠蕎麦・華留運

念願の高遠蕎麦を食べてきました。

5月下旬の平日。
城下町高遠の街並み。

華留運というそば店があります。
街の観光案内所にもこの店のパンフレットが置いてあります。
休日などは客が並びます。

店内には3組ほどの先客。
いずれも観光客風の女性です。

本日の蕎麦として3種類ほどのメニューがかかっています。
山の写真が飾ってあり、店主が山好きなことがわかります。
店名の由来も山のケルンから来ているのでしょう。

注文します。
十割蕎麦もいいのですが食べずらいと困るので、二八蕎麦を頼みました。
ついでにわらびの煮びたしを一皿追加しました。

出てきました。
特にこだわりのない盛り付けです。
蕎麦の量は一見少ないのですが、手打ちなので食べ応えがありました。
歯ごたえがある蕎麦ですがボソボソするようなことはありませんでした。
わらびは十分な量で、山小舎おじさん的には1年分のわらびを摂取できました。

二八のざる
わらびの煮びたし300円

出された蕎麦湯をダシで割って飲み干して、満足。
また来ましょう。

商店街の無料駐車場まで歩きます。
郵便局の前のポストが高遠城址公園桜まつりをモチーフにしたのか、桜にカラーリングされていてほほえましかったです。

高遠郵便局前

造り酒屋の前には湧水が引かれています。
ペットボトルに汲ませていただきました。

酒屋の前には湧水が
巨釜が展示されている

初夏の陽気を思わせる高遠の街でした。

伊那に下りると中央アルプスが目前に見える

スギナ、ヨモギ採取

野草茶を朝飲んでいます。
現在飲んでいるのはヨモギ、ヤーコン。
去年(以前)に採取、乾燥しておいたものをテイーパックに入れ熱湯を注いで飲んでいます。
ヤーコンは葉っぱを乾かしたものです。

スギナの乾燥したものも、同様にして飲んでいたのですが、飲み切っていました。
畑にはスギナが盛大に生い茂ってきました、除草を兼ねてスギナを採取しました。
スギナ茶新物を作りましょう。
ついでにヨモギも採取します。

採取した新鮮なスギナ
同じくヨモギ

採取したものはその日のうちに泥付きの根をはさみで切り落します。
採取した野草は傷むのが早いのです。

そのあとに洗浄です。
枯れ草や他の雑草は除いておきます。

洗い終わった野草はざるにあげて水を切っておきます。

翌日から乾燥です。
日当たりがいい日にはほぼ1日で乾燥します。

スギナを洗い天日干し
同じくヨモギを天日干し

夜は室内に入れてストーブのそばに置きます。
乾燥したら保存です。

プラスチックなどのケースに入れます。
スギナはキッチンバサミでじょきじょき切りながら入れ物に入れると効率よく保管できます。
乾燥材を同封して出来上がりです。

ほぼ乾燥が終わったスギナとヨモギ

信州ソウルフード放浪記VOL,29 鯉の甘露煮自作

川魚は歴史的に信州地方の貴重なたんぱく源の一つ。
その昔は、鰻、アユ、ウグイなどの天然魚が、近年になってからも鯉、鮒などの養殖魚が食べられてきました。

昆虫食ではイナゴ、ザザ虫、ハチの子などが食べられてきました。
(コオロギを食べるという習慣は聞いたことがありません)。

地元のスーパーの鮮魚売り場には、鯉の切り身、ニジマスの一本ものなどが常時売られており、季節によっては小鮒の丸ごとなども並びます。
鯉料理、川魚の炭火焼きなどは郷土料理として出されます。

スーパーに行くたびに鯉のぶつ切りなどを見て地元らしさを感じていた山小舎おじさん。
値段がことのほか高いなあ、とも思っていました。
ある日、鯉のぶつ切りが30%引きになって売られているのを見て、思い切って買ってみました。

レシピで甘露煮の作り方を検索し、挑戦しました。

まず、切身に熱湯をかけ臭みを撮ります。
その間に煮汁をひと煮立ちさせておきます。

切り身を煮汁に放り込みます。
鍋を廻しながら、アルミで落し蓋をしてストーブにかけます。

煮汁にとろみが出て、切身に煮汁が染み込んでくるまで煮詰めます。

試食。
まず身はふわっとして上等です。
骨が硬いので要注意です。
皮も厚めでしっかりしています。

食べるところはそんなに多くはないのですが味は思ったより良く、川魚の煮魚としては上等なのではないでしょうか。

信州ソウルフード放浪記 VOL.28 富士見駅の立蕎麦

五月晴れの日。
用事があって富士見町へ行きました。
昼になったので用事の前に食事をとりました。

JR中央本線の富士見駅前はロータリーになっており、観光案内所をはじめ食堂などがあります。
駅舎の一角に立食い蕎麦もあります。
かねがね一度寄ってみたいと思っていました。

富士見駅入り口
駅舎にある立食い蕎麦

ところがGWが始まったこの日、立ち蕎麦店の窓口には「準備中」の看板がありました。
念のために暖簾をのぞき込んで聞いてみました。

係は40代くらいの女性が一人でした。
「準備したツユがなくなって・・・。」と女性。
「GWで、思ったよりお客さんが多かったのか?」と山小舎おじさん。

すると女性がツユの鍋の蓋を開けて「一人分だったらできるかな」とのこと。
慌てて、「発売停止」の看板がかかる自販機でてんぷら蕎麦の食券を購入しました。

この日は昼間にして「準備中」の看板が

てんぷらは出来合いのものでしたが、蕎麦そのものは信州らしく美味しかったです。

係の女性の好意でてんぷら蕎麦にありつく

それにしても、こういった柔軟といいうか、人間的というか、アナログそのものの対応に時々接することがあるのが田舎暮らしの醍醐味でしょうか。
その間にも続々訪れる来客に謝りつつ、女性は新しいツユを沸かす準備に追われていました。
どうもありがとう!

今どき富士見町の規模の駅で立食い蕎麦店は珍しいのではないでしょうか。
そのサービスぶりも含めて。

信州ソウルフード放浪記VOL,27  中野食堂のラーメンセット

中野食堂という上田の塩田平にあるローカル食堂でラーメンセットを食べてきました。

上田市の食べログを見ると出てくる中野食堂。
上田電鉄別所線の中野駅近くの住宅地にあります。

中野駅は、信州二の宮・生島足島神社の最寄り駅・下之郷から別所温泉方面に、3駅ほど行った駅です。

塩田平は、旧東山道沿いの古くから開けた地域。
広がる田園地帯には、駅に沿って集落、宅地が点在しています。
単線私鉄の別所線が塩田平を上田市街地につなげています。

中野食堂。向こうに見えるのが別所線の踏切

日曜の昼。
朝ご飯を抜いて目指す中野食堂に入店しました。
案に相違し店内に客の姿はありません。

愛想のよい若いおかみさんにオーダーします。
メニューは定食系、丼物、カレー、麺類など。
食堂の王道を行くものです。
今回頼んだのはラーメンとカツ丼のセットです。

「営業中」の看板に一安心、暖簾をくぐる

食べてみると、ラーメンは昔ながらの安心する味。
カツ丼も味はいいのですが、小どんぶりといえ、ご飯の量の多いこと。
チェーン店の富士そばと比べると、小カツ丼のご飯が優に倍、いや3倍近くはあるのではないでしょうか。

ラーメン、カツ丼(小)セット。ボリューミー!

コンデイションを整えてきたにもかかわらず、最後は食べきるのがやっと。
食が細くなってきたのでしょうか。

食べているうちに2組の中高年夫婦が入店。
見るともなく見ると、それぞれ単品のカツ丼やラーメンを注文していました。
なるほど。

若めのスタッフで地域で頑張っている中野食堂でした。

信州ソウルフード放浪記VOL.26 上諏訪・まとい食堂のアベック丼

上諏訪の商店街から少し外れた住宅街に食堂まといがあります。
本ブログでも一度紹介しました。

コロナで休業だった時期もありましたが、最近は平常営業中の様子。
ボリューミーな揚げ物定食が忘れられず、再び訪れました。

雨模様の平日。
12時を前に店の前へ。

駐車場が満車なので並んでいる常連さんと思しき作業上着姿の4人連れに聞いてみると、お寺の駐車場のも駐車可能とのこと。
そちらへ軽トラを入れて、店の前で順番待ちをします。

まとい食堂入り口。県内ルールの14時から昼休み、には注意。

4人連れはメニューを見ながら待っています。
品定めが終わった頃を見計らい、メニューを廻してもらいながら、おすすめを聞きました。

「アベック丼が人気ですね。ソースカツとエビフライが乗っています。」との返事をいただきました。

15分くらい待って入店。
その間にも新たなお客さんが並びます。

おすすめのアベック丼を頼みます。
ホールを仕切るのはかつての高齢のおばさんではなく、30代くらいの明るいお姉さんでした。

味、ボリューム、値段共に文句なし!アベック丼

出てきたアベック丼は期待以上。
1000円でこのパフォーマンスはなかなかありません。
分厚いカツが3枚に、ぷりぷりのエビフライがどんぶりご飯の上に乗っています。
朝飯抜きで準備してきた山小舎おじさんですが、食べ終わると満腹。
味噌汁が熱々なのもグッドでした。

フライ、焼き肉の定食、麺類、丼物、カレーなど、われわれが食堂に期待する全メニューを網羅し、そのどれもが満足のゆく味とボリュームのまとい食堂。
また来ましょう。

信州ソウルフード放浪記VOL.25 下諏訪・林家の鰻

信州では鰻が昔からの御馳走とのこと。

4月のある日、家族が毎月恒例の山小舎訪問に訪れました。
家族の来訪時には、山小舎での炭火焼きのほか、外出先での信州名物料理を食べるのが楽しみの一つです。

鰻は諏訪地方の名物の一つで、家族らとはこれまでも、岡谷、上諏訪、下諏訪の鰻屋によく行きました。
今回は下諏訪町にある林家というところへ行きました。

店へ着くと先客が一組待っていました。
30分ほど待って入店。
2階のテーブル席へ案内されました。

待っている間の店内風景
玄関のレイアウト

鰻重をいただきました。
諏訪地域の鰻は、関東風の柔らかい焼き方と、関西風のパリッとして甘辛い焼き方の二通りがあります。
岡谷を中心にした関西風の外カリ、中フワの甘辛い鰻も美味しいのですが、下諏訪の林家の鰻は関西風ではなく、一度蒸してから焼く関東風でした。

林家の鰻重

ごはんが美味しく、量的にも満足なのが信州スタイル。
肝吸いや漬物も一味違います。

いつものように大満足の信州の鰻でした