梅を漬ける その3

7月下旬となりました。
漬けておいた梅を土用干しします。

重しを乗せ、塩漬けし、赤しそを加えていた梅のたるを開きます。
小梅はうまく漬かり、きれいに発色しています。
中梅は完熟した実ではなかったためか、硬めに漬かっています。
色味もよくありません。

赤ジソを入れてしばらくたった梅漬けのたる

それぞれをざるにあけて日中の太陽の下に広げます。
シソも同様に干します。
赤く染まった梅酢も瓶に入れて日光消毒です。

程よく染まった小梅を天日干し。隣には梅酢を入れた瓶

小梅は外側が乾き、中がトロッとした梅干に仕上がりそうです。

中梅はどう仕上がるでしょうか。

ここ最近の中梅干は硬く仕上げってしまっています。
生の実の状態のせいでしょうか、塩漬けのやり方のせいなのでしょうか。

色味が薄く、、硬めに漬かった中梅

土用干しを終えると梅干しの作業は終了です。

キューリのピクルス

キューリのピクルスを作ってみました。

出来上がったピクルス

畑で規格外のキューリがどっさり採れました。
この間、山小舎を訪れた山小舎おばさんにも、帰りに持たせましたが、まだまだたくさん残っています。

東京の自宅では末息子がピクルスを作り、娘が食べておいしかったとのことです。
そこで親父も山小舎で作ってみることにしました。

保存瓶を煮沸します。

液を作る材料を集めます。
レシピでは穀物酢、砂糖、塩、ローリエ、とうがらし、ニンニク、黒コショウなどを使うとなっています。
手元には米酢、砂糖、とうがらし、ニンニク、黒コショウがあります。

水と米酢を同量鍋に入れ砂糖を大匙1杯、塩を小さじ1杯入れて沸騰させます。
その間、キューリを保存瓶の丈に合わせてカットし、塩をまぶしておきます。

規格外の畑のキューリをカット
塩をまぶす

保存性をよくするため、とうがらし、ニンニクを鍋に入れて液とともに加熱しておきます。

保存瓶に生のキューリを入れて、そこに熱い液を流し込みます。

材料のキューリは煮ていませんので常温保存には不向きです。
瓶ごと冷蔵保存し、1週間以内をめどに消費することにします。

保存瓶にキューリを詰める
調味液を流し込む

ビーツの甘酢漬け

初めてビーツの保存食にチャレンジしました。
ビーツの甘酢漬けです。

ビーツは赤いカブのような野菜。
ロシアのボルシチの色付けに使われています。
信州では秋から冬にかけて直売所などで見かけます。
山小舎おじさんの自宅では野菜のスムージーに使います。
独特の土臭さと、生命力の強さを感じる味です。

7月になったばかりの初夏に真田の直売所で見かけたビーツ。
夏に採れる品種なのでしょうか、3個買いました。
そのうち1個を甘酢漬けにしてみます。

レシピ通りサイコロにカットし水で煮ます。
ひたひたの水がなくなってくる頃、ビーツが柔らかくなります。

別の鍋で甘酢を作ります。
リンゴ酢と水を1対1。
砂糖と塩を分量入れて煮立たせます。
火が通ったビーツを甘酢に漬けて、煮沸した瓶で保存します。

スムージーの材料になるほか、様々な料理に利用できます。

ここでビーツに関する思い出です。
40年ちょっと前の放浪旅行の最後の方にポーランドを回った時、ワルシャワの旧市街のレストランに入りました。
当時のレートではドルとポーランドズロチでは、公定レートも闇のレートも比べものにならないくらいズロチは安く、街中やレストランではドルの闇両替の声が掛かったりしました。
入ったレストランでは民族衣装を着たウエイトレスがメニューを持ってきましたが、此方が指し示すメニューのことごとくが「できない」とのことでした。
できるメニューの一つが真っ赤なスープに浮かんだロシア餃子のスープでした。
その時の鮮烈なビーツの味を思い出します。

仕入れたアンズを加工

アンズを仕入れたら次は加工です。
3キロ以上も仕入れたアンズをコンポートとジャムにします。

信州の初夏の到来を告げるアンズ

アンズは皮をむかずに加工します。
洗ってから二つに割って種を出します。

コンポートの場合は二つ割りのままシロップ煮にします。
ジャムならさらに細かく、四つ割りにして砂糖をまぶしてしばらくおいてから煮詰めます。

二つ割りにして種を取る。今年は熟して種が取りやすい実が多かった
杏仁と呼ばれるアンズの種。去年は焼酎漬けにした、今年はどうしようか?

コンポートの場合はシロップを作って十分に火入れしてから、二つ割りにしたアンズを加えます。
あまり煮込むと実が煮崩れするので、二つ割りの実が熱湯消毒されたくらいのタイミングで瓶詰めにします。

コンポート用にシロップを煮る
シロップができたらアンズの実を加えて加熱

ジャムの場合は十分煮込みますが、実が少し残っていて、全体がサラサラとトロトロの間くらいで火を止めます。

どちらも砂糖は控えめ。
レシピでは40~50%の糖分ですが、30%ちょっとくらいでやっています。

保存性さえキープできれば、風味が残り独特の酸味を生かしたアンズの加工品になります。

瓶詰にして脱気
コンポートの瓶詰ができた

梅を漬ける その2

塩漬けしていた梅に赤シソを加えました。

シソが出回っています。
買ってきて葉っぱを軸から外します。
多少軸が残っていても気にしません。
葉っぱを洗って水けをきります。

赤シソの葉をとって洗う

葉っぱを軽く乾かした後、ボールにあけて塩を振って揉みます。

塩でもむ

ボールに押し付けるように力を入れて揉んでゆきます。
しばらく揉んでいると塩が回って、葉っぱがくたっとなってきます。
さらに力を入れて揉むと紫色の水気が出てきます。
アクです。

アクが出てくる

アクが出てきたら力を入れて絞ります。
絞りが甘いと梅干の出来上がりが黒ずむので、しっかり絞ります。

アクを絞る

水気がないほど絞り込んだシソを梅酢に入れます。
梅酢が赤く染まります。
丁寧に行う場合は、梅酢を絞ったシソに加えて赤い梅酢を作り、梅に戻し入れます。

赤しそを梅の塩漬けに投入

重しを戻して夏の土用干しまでそのまま保管します。

赤く染まった梅漬け

今年は中梅を4キロ、小梅を2キロ漬けました。
土用干しは1週間ほど行おうと思います。

いちごの季節到来

季節感のない果物のいちごですが、信州では地物が出回るのが春から初夏にかけてです。
値段は東京のスーパーで買うのと大差ないのですが、新鮮で香りがよいのが特徴です。

例年は加工用のいちごを箱で買ってジャムにするので、今年もB品いちごが直売所に出現するのを待っていました。

6月初旬に東京の自宅から戻り、高速バスの駐車場で軽トラに乗ると山小舎方面へ向かわずに、茅野から杖突峠を越えて伊那へ向かいました。
梅干用の完熟梅を探しつつ、伊那方面の直売所を巡ってみようと思ったのでした。

杖突峠を越え、伊那に入り、高遠地区を越えて、長谷村にある「道の駅南アルプス村はせ」へ向かいます。
直売所をのぞきますが梅はありませんでした。

高遠へ戻り地区内のAコープへ。
梅は和歌山産の南高梅がありましたが、これはパス。
ここで弁当を買って昼食。
夕食用のお惣菜も少しゲット。

伊那へ下り市内を抜けて、南箕輪村の直売所「あじーな」へ。
ここあじーなは豊富な物量を誇る直売所で、トマトの季節にはこれでもかとトマトが並び、トウモロコシの季節にはトウモロコシが、桃の季節にはA品からB品までの桃が箱で並びます。

梅を探しましたがここも南高梅でした。
その代り完熟いちごが大パックで売られており、小粒のパックが560円ほどです。
加工用が箱で900円前後ですから、そんなに高くはありません。
ジャム用にひと箱(ふたパック)ゲットしました。

翌日、加工します。
ヘタ付きのまま洗い、ヘタを取ります。
再度水洗いして鍋に入れ砂糖をかけておきます。
その間に瓶と蓋を煮沸消毒します。

砂糖で水分が出てきたいちごを煮てゆきます。
とろみが出てきたら出来上がりです。

瓶に詰め蓋をして再び煮沸します。
蓋を固く締めて完成です。

初夏の香りをそのまま封じ込めた瓶詰ができました。
今年のいちごジャムはどなたに食べてもらいましょうか。

梅を漬ける その1

さあやってきました。
梅の季節です。

山小舎で漬けた梅干が、彩レデイースと娘一家に評判がいいのです。
今年は多めに漬けようと思います。

直売所やスーパーに梅が出回っています。
その梅が黄色く完熟してくるのを待ちます。

青梅で漬けても梅干はできるのですが、実が大きく硬いので、梅酢が上がるまで時間がかかります。
その間、カビが出るなどのリスクが高まります。
またどうしても出来上がりが硬くなります。
果肉がペチャっとして、乾いてもおいしく食べられる梅干には向きません。

完熟梅はツユ明けに出回るものと思っていましたが、直売所に黄色い小梅が1キロ袋で500円で売っていたので購入しました。
地元産です。

漬けもの用の甕を洗って準備しながら、ネットで塩の分量などを確認します。
梅の重量比で18%の塩で漬けることにします。
塩を400グラム弱計ります。

青梅でなければあく抜きは必要ないようですが、洗浄を兼ねて、梅をよく洗った後に一晩水に漬けます。
水から上げた梅をザルにあけて半日乾かします。
漬ける前につまようじでへたの部分を取り除きます。

水に漬けた後、ざるにあけて乾燥中の小梅

甕を用意したのですが、カビの匂いが取れないのでプラスチック製の漬物たるを用意します。
甕には自家製味噌のカビがくっついたようです。
しばらく水を張って脱臭するようにします。

消毒のため、35度の焼酎をスプレーを樽の内面に噴霧します。
乾いた梅にも軽く噴霧します。

たるの底に軽く塩をふります。
一段ごとに梅を敷いて行って塩をふります。

分量の塩で漬け込んでゆく
しっかり重しをかける

中蓋を置いて重めの重しを置きます。
なお、中蓋、重しも洗ってから焼酎を噴霧しておきます。

一晩たって梅酢が上がってきました。
もう大丈夫です。

重しを半分にして赤シソが出回るのを待ちます。

一晩立って梅酢が上がってきた

花豆を炊く

花豆を炊きました。
花豆は信州名産の大型の豆で、高地に育ち、直売所や土産物屋で売っています。
主に甘く炊きます。

一度炊いたことがあるのですが、皮にしわが寄り、硬く炊きあがってしまいました。

ある日小海町の直売所で花豆を見掛けたとき、炊き方の解説が添えられているので読んでみると、2日間水に漬ける、2度茹でこぼすなどと書かれていました。
その通り炊いてみようと思い一袋購入しました。

レジに持って行って係の人に聞きました「2日間漬けるんですか?」。
地元の人は答えました「花豆は皮が硬いからね」。

バイト仲間の人が砂糖をくれました。
奄美列島の喜界島出身の人で、高校時代は実家のサトウキビ畑の刈り取りを手伝ったという人です。
サトウキビから作った蔗糖を精製した砂糖を奥さんがネットで買ったからといって1キログラムほどももってきてくれたのです。
思わず「これで花豆を炊いて持っていきます」と言ってしまいました。

いただいた砂糖

花豆を丸2日、48時間ほど水に漬けました。
ときどき水を替え乍ら、豆が水面から出ないようにたっぷりの水に漬けました。
2日後に茹でこぼしです。
3回ゆでこぼししました。

茹でこぼすこと3回!

この時点で豆は、皮にしわが寄ることもなく丸々としています。
水を替えて炊いてゆきます。
豆が柔らかくなってきました。

水を替えて炊き上げる

いただいた砂糖、白砂糖を加えます。
目分量です。
塩、しょうゆ、塩麴を加えます。
味を見ながら慎重に行います。

なかなか煮汁が減らないので途中、豆だけを引き上げて煮汁を煮詰めました。
煮詰めた煮汁に豆を戻し入れて照りが出るまでひと煮立ち。
味見をするとふわふわの煮豆ができていました。

味付けして出来上がり

ちゃんとした料理を作るには準備が大事だと改めて学んだ花豆炊きでした。

砂糖のお返しに炊いた花豆をパックに詰める

信州ソウルフード放浪記VOL.37 望月ふじたの味噌カツ丼

佐久市に望月という地区があります。

中山道26番目の宿場で、今では寂れているものの商店街の名残や大規模な消防署、免許センター、バスターミナル、旧制女学校からの歴史を持つ高校、などがある地域の中心地でもあります。

平安時代から望月御牧といわれる馬の御用牧場があり、中世には騎馬隊を有した武将が望月城に居城していました。戦争末期の1945年6月には、なんと陸軍士官学校が神奈川県座間から移転してきたそうです。
もっとも学舎などは整備されず、女学校や小学校の校舎を利用し、民家に寄宿していた内に終戦となりました。

馬については、今でも秋に望月地区で競馬(ギャンブルではない)が行われていることからもその歴史の長さがうかがえます。
また、映画「犬神家の一族」第一作に登場する那須ホテル(金田一探偵が逗留しようと、女中役の坂口良子に道を尋ねた旅館)のロケ場所となった旅館が望月にありました。
現在は廃業していますが、別な人が宿泊施設としてリニューアルする計画があるようです。

立科町から佐久市の佐久平や岩村田に抜ける国道沿いに望月地区はあります。
山小舎おじさんにとっては、苗の時期は望月農協に買いに行ったり、望月宿を歩いたり、望月宿の中ほどにある歴史民俗資料館をのぞいたりする地区でもあります。

望月地区の名物料理が味噌カツです。
この日は、夏野菜の苗を買いに望月農協に行ったついでに、集落内にある食堂ふじたに寄ってみました。

望月の集落内にある食堂ふじたの看板

何度か訪れたことのあるふじたですが、休業や貸切で入れませんでした。
この日は土曜日の13時前。
14時から昼休みが慣習で、店によっては13時30分を過ぎると新規入店やオーダーができないなど、いろんなことがあるのが県内の食堂です。
時間に気を付けて訪れた甲斐あって、この日は「営業中」でした。

暖簾が掛かったエントランス。食べ終わって出てきたときに撮影したため「本日終了」の看板が出ている

入店すると愛想のいいおばさんが出迎えてくれます。
厨房では忙しそうに鍋が振られています。

客席は壁に向かったカウンターのほかは座敷です。
広い座敷には数脚の食卓のほか、椅子付きのテーブルも2脚あります。
何より壁にかかった縁起物の数々がにぎやかです。
見事な田舎の昭和の座敷の光景が展開しています。

メニューをめくると味噌カツ丼の力強いチラシが

お約束の味噌カツ丼を注文。
出てきたものは、はサラダやがんもの煮物をカツと一緒にあつらえたどんぶり。
ちょっと意外な盛り合わせでしたが、温泉卵にワサビ入りドレッシングを和えたサラダは美味しく、味噌カツといい取り合わせでした。

ふじたの味噌カツ丼。ワインのタンブラーで供される麦茶がいい味出している

何より手作り風の味が安心します。
味噌汁の味も家庭風でいいし。

カツ自体は伊那のソースカツ丼と比べると、厚さ、柔らかさ、大きさなどで落ちますが、味噌味は甘すぎずマアマア。
店の雰囲気も、ライダーなど観光客が普段から多いのか、風通しがよく、開放感がありました。

カツ丼に限らず麺類から定食まで幅広いメニューが揃っています。
駐車場が狭く、昼の営業時間が限られますが、それも含めての地元の食堂。
家庭風の味を残していってほしい店です。

三多摩ソウルフード迷走記VOL.5 国分寺 だんごの輪島

国分寺に行ったときによく寄るのが、だんごの輪島です。

JR国分寺駅北口の一角にたたずむだんごの輪島

JR国分寺駅北口は数年前に再開発されましたが、北口から西方面に行った当たり、西武国分寺駅周辺は昔のままです。
一角に残るのがだんごの輪島です。

近くには西武国分寺線も走る

プロボクサーの世界チャンピオンだった輪島功一がオーナーのだんご屋です。
数種類の串だんごのほかに、おにぎり、海苔巻きなどが売られています。
特に輪島巻と呼ばれる太巻きが人気で昼頃には売り切れてしまいます。

昼頃、店先に並ぶ客

店頭に立つと、奥にキッチンが見渡せます。
常に数人が忙しそうに働いています。
昔ながらのだんご屋の様子です。

声をかけると、手の空いた人が販売をしてくれますが、てきぱきとした対応で好感が持てます。
写真を撮る際にも笑顔でOKいただきました。

ショーウインドウ全景
この日は輪島巻は売切れていた

輪島功一選手は北海道出身。
苦労してプロボクサーになり、世界チャンピオンにまで上り詰めました。
戦いぶりはお世辞にもスマートなものではなく、また一発KOの必殺パンチもなかったので、ひたすら動き回り、手数と根性で戦い抜くというものだったように記憶しています。
その輪島選手がだんご屋経営して繁盛しているということで親しみを感じてしまいます。

ファイトも最中の宣伝も

この日はみたらし団子2本と餡だんご、ゴマ餡だんごを1本ずつ買い自宅用のお土産としました。

本日のお土産