三多摩ソウルフード迷走記VOL.1  国分寺だるまや食堂

三多摩のソウルフードを迷走します。
第一回は国分寺駅前にある食堂だるまやです。

JR国分寺駅の北口は数年前に再開発されました。
駅ビルには飲食店などが並び、構内に隣接してタワーマンションが建っています。

昔ながらの旅館やロールケーキが美味しかった果物屋などが建ち並ぶ商店街が一掃され、ロータリーが整備されました。
ただ、その一角を除くと昔ながらの駅近くの商店街の風景が残っており、学生の姿が多いのもいるのも国分寺ならではです。

国分寺駅北口の一角(2023年秋に撮影)

昔ながらの商店街の一角に食堂だるまやがあります。
昭和の食堂のテイストが色濃く残っている店です。

入ると日本人のバイトのお姉さんが「空いてる席どうぞ」と迎えてくれます。
時にはバイトがお兄さんのこともあります。
近くの東京経済大学などの学生さんなんでしょうか。
バイトさんはホール係とキッチンの下働き(盛り付けや、玉ねぎの皮むきなど)をしています。

だるまや食堂の正面風景

昼食時はたいてい相席になります。
タイミングがいいと2人席に座れることもあります。

メニューは、各種定食(焼き魚、煮込み豆腐、マーボー、野菜炒めなど)がメインで、カレー、カツ丼、鰻重、チャーハンもあります。
定食などについてくるみそ汁には、たっぷりの野菜(にんじん、大根など)と大きなわかめが入っており、手作り感が十分です。
ごはんの盛も多く定食一人前で満腹になります。
カツカレーはカツも大きく、ご飯の盛もいいので食べきるのが大変でした。

店の前の看板(2023年秋当時はカレーが700円だった)

最近はもっぱらカレーライスかチャーハンにして、時々レバニラ定食などを頼んでいます。
客層は個人の男性客がメインで、学生カップルや働く女性などが混じります。
休日には家族客も来ます。

この日頼んだのはカレーライス。
市販のルーを溶かしたようなよく食べる味のカレーです。
豚肉と玉ねぎ、にんじんがたっぷり入り、シーフードの味もします。
何よりボリュームがたっぷりで、ご飯の量もともかく、ルーが最後に余るくらいかかっているのがうれしい一品です。

具がたっぷり入り、ルーの量が感動的に多いカレー(現在800円)

国分寺に来た時はここに寄ってしまいます。
ずっと600円台だったカレーが750円になり、今では800円に上がったことが気がかりです。

家族連れの客に子供がいると、店主自らヤクルトを子供に持ってくることもあります。
店主のこういったポリシーに貫かれた食堂です。

信州ソウルフード放浪記VOL.36 茅野市北山イリセンの生寒天

山小屋から白樺湖を横に見て茅野のまちへ下りる途中に、北山という地区があります。
北山地区は大門街道沿いに集落が並び、背後に田んぼが広がる茅野市の郊外です。

北山地区の湯川集落を大門街道から少し入ったところに寒天工場イリセンがあります。

有限会社イリセンの販売棟全景

何年か前、トコロテン状に突いた生寒天を食べていっぺんにファンになりました。
夏だったので、キューリやトマトをのっけて酢醤油をかけ冷やしラーメンのようにして食べたのですが、その美味しいこと。
それ以降、場所を聞いて工場を訪ねること数回になります。

工場では、まだ若い経営者が人懐っこく対応してくれます。
ホームページを立ち上げ、ネット販売を手掛けている今どきの経営者です。

直売コーナーには、テレビの「昼飯旅・あなたのご飯見せてください」に経営者が出演したときの写真が飾ってあり、南海キャンデイーズのしずちゃんが旅人で映っていました。
番組はヤラセなしなの?と聞くと、「ヤラセです」と答えてくれました。

直売所入り口

経営者によると「寒天の生産は全国で茅野地区のみ。冬場に全量を生産し、干して出荷していた。いまでは生寒天を随時作って売っているが主に冬場に生産するのは変わっていない。北山は水がよく冬は寒いので寒天の生産に向いている。」とのこと。
話し始めれば止まりません。

直売所内部

山小屋おばさんも生寒天のファンなので、来訪に合わせて2本買いました。
1本はトコロテン用に突いてもらいました。

棒寒天はサイコロ状に切って、果実のコンポートと合わせ、アイスクリームなり黒蜜なり、あんこなりを添えたデザートにします。
トコロテンはやはり酢醤油で食べるのが一番です。

生寒天(棒)220円
トコロテン状に突いてもらった生寒天

寒天工場は茅野駅の向こう側が「本場」で、寒天蔵が残っていたりします。
ここでも生寒天は売っています。
また、スーパーでも袋に入った生寒天が手に入ります。

しかしながらスーパーの生寒天は美味しくありません。
また、茅野駅近くの工場の生寒天は美味しいのですが場所が遠いのです。
山小舎の近くに美味しい寒天工場があるのはラッキーです。

田んぼの向こうに車山高原を望む北山地区
干しリンゴの生産も始めていた

信州ソウルフード放浪記VOL.35 真田「駅前食堂」のポッポ屋定食

上田市真田地区にある「駅前食堂」へ行ってきました。

真田地区(旧真田町)は、菅平方面への街道沿いにあり、名前の通り真田一族の発祥の地です。
上田城に拠点を移す前の真田氏の居城がここにありました。
上田の町を見下ろし、その昔、真田氏が沼田城へと進軍した、群馬へと通ずる街道沿いの要衝でもあります。

かつては上田駅から上田電鉄という私鉄が、別所温泉、丸子、真田の各方向に延びており、真田町にも駅がありました。
現在の国道144号線、荒井交差点付近が旧真田町の中心部だったようで、現在は幸村夢工房という観光物産施設が付近にあります。
このあたりに真田駅があって、「駅前食堂」という名の食堂が今も残っています。

真田地区の駅前食堂

平日のお昼時に「駅前食堂」に寄ってみました。
食堂前の駐車スペースがすでにいっぱいです。

玄関を開けると、活気ある食堂の光景が目に飛び込んできます。
ホール係のおかみさんが直ちにカウンター席を指示して水を置いてくれます。
失礼ながら、信州の食堂には似つかわしくないほどの客あしらいの速さです。

地元の人も軽トラで駆け付ける「駅前食堂」。地酒「亀齢」の看板が掛かっている

改めて店内を見回すと、テーブル席が人数にして20人分くらいあり、奥には座敷が15人分くらい。
席の半分くらいがすでに埋っており、客数は20人くらいが食事中です。
作業服や背広姿の客、地元風の客がほとんどです。
これまた失礼ながら、想像していた「寂れた食堂」の光景とは比べ物にならないくらいの活気にあふれています。
それも今では貴重な「昭和の食堂」の雰囲気溢れる活気です。

メニュー表の一番上に載っているポッポ屋定食を頼みます。
ラーメンにもつ煮とライスが付いたセットのようです。

ラーメンは昔ながらのあっさり系、もつ煮も凝った味ではありません。
見かけよりも量が多く、満腹になります。
ラーメンは伝統的なしょうゆ味とはいいながら、家庭で作る生ラーメンとは一味違う食堂の味がします。
もつ煮も、もつが柔らかくこれまたプロが煮込んだ味がします。

ポッポ屋定食。真田線にちなんだネーミングか

夜は飲みもできるようで、一升瓶の焼酎がボトルキープされていました。
カウンターから垣間見えるキッチンは広めで、若めのお兄さんが忙しそうに働いていました。
ホール係の二人のおばさんもクルクルと動き回っています。

次から次へと来店する客の注文を聞いていると、カツ関係やカレー、ラーメン大盛、ポッポ屋定食などが多く聞こえます。

熱々のメニューがたっぷりの量で出てくる食堂は、働く人、地元の人にとって貴重な場所です。
店内の活気とともに長く残ってほしいものです。

信州ソウルフード放浪記VOL.34 伊那市「門」のソースカツ丼

伊那市、駒ケ根市はソースカツ丼が美味しいので有名です。
分厚く、柔らかい豚のカツが甘いソースをまとい、キャベツが敷かれたどんぶり飯の上に乗っかって出されるのが一般的です。
どんぶりの蓋は、カツのボリュームを押さえきれず、浮いています。

伊那市には、ソースカツ丼の有名店が何店かあります。
肉屋さんが経営する「たけだ」、駅近くの「田村食堂」などには山小舎おじさんも行きました。
山小舎おばさんをはじめ、うちの一家は「たけだ」のソースカツ丼が好きです。

今回は、伊那市の駅前商店街の地下にある「門」という店でソースカツ丼をいただきました。

伊那市の駅近く、飯田線と並行してアーケード街があります。
近年の地方都市の例にもれず、歩く人の姿とてごく少ない商店街で、シャッターの下りた店も少なくありません。
山小舎おじさんが伊那市を訪れるようになってからでも、スーパーや土産物屋などがシャッターを下ろしたままの姿を見せている「シャッター街」です。

伊那市駅前の商店街

うっかりすると通り過ぎてしまうほどさりげなく「門」の入り口があります。
階段で降りてゆくと入り口があります。

表通りの人気のなさが嘘のように、昼時の店内は満席に近い活況でした。
カウンターに案内されます。

細長い店内にはテーブル席が並び、反対側には3席ほどのカウンター席。
カウンター内にはママさんらしき高齢の女性が陣取っています。

夜には食事付きのバーになるのでしょう。
ボトルキープが並んでいます。

食事メニューは洋食から中華、麺類、丼物までそろっています。
ランチ客から、地元の集まり、仕事帰りに一杯のサラリーマン客までをフォローできる態勢です。

「門」の入り口
入り口に掲げられたメニュー

客層は昼休みの食事に来た勤め人が多く、コーヒーで一休み中の人、打ち合わせ中のビジネスマンなどもいます。
入ってくるなり「焼酎お湯割り」とひとこと、どっかりテーブル席に座る高齢の男性の姿も。
店の雰囲気、客層ともに地元感にあふれています。
店のスタッフの心づかいが感じられ、よそ者にとっても居心地がいいです。

山小屋おじさんは「ソースカツ丼・ロース」を頼みました。
サーブしてくれたホール係の婦人に「写真をとってもいいですか」と聞くと、了解してくれた後「蓋にカツを2、3枚取り分けると、ご飯が食べやすくなりますよ」と言ってくれました。
旅のよそ者感丸出しの客へのありがたいアドバイスです。

ソースカツ丼ロース。1400円

期待通りに厚くて柔らかいカツ。
ご飯の量は多すぎず少なすぎず。
味噌汁のダシも効いています。

そしてソースカツ丼のポイントの一つでもあるタレが美味しかったのです。
例えば、伊那市内の有名店「たけだ」のソースカツ丼は自家製のタレが、フルーテイで美味しく飽きが来ないので何度でも食べたくなります。
甘いだけのタレだと飽きてしまいます。
「門」のタレは「たけだ」ほどではありませんが、飽きの来ない味でした。

「門」に入る前に気になっていたことがありました。
表通りの向いには、伊那市に来ると寄る酒屋があります。
希少な酒が入荷すると大きな看板に「秘酒」などと大書して掲げる酒屋で、看板につられて寄ってみると、なるほど空気に触れないで絞ったという真澄の限定品などがあったりします。
地元伊那地方の銘柄では、辰野町小野地区の「夜明け前」がおすすめとのことでした。

この酒屋が閉まっていたので気になって、「門」のカウンター内のママさんに聞いてみました。
ママさんの年季の入った顔に比べると気さくな返答が返ってきて「店主がケガして閉めた」とのことでした。
ホール係の婦人も加わってきて、このネタで話が盛り上がりそうな勢いでしたが、仕事の邪魔をしてはいけないと思い会計を済ませて外へ出ました。

伊那での新しい居場所ができたような「門」でのひと時でした。

伊那に来たらこれを見ないと!商店街の一角に掲げられた金言
伊那へ行く途中の杖突峠で野生の猿に遭遇。ガードレール下にいる

白菜漬け

この季節、県内各地の直売所の野菜コーナーには大玉の白菜が盛りと並んでいます。
大玉200円から300円と、値段は高くはありません。

山小舎の一人暮らしで白菜はほぼ使わないのですが、山小舎おばさんに送ろうか?と思い一玉買ってきました。

買った後は日陰の涼しい場所に転がしておいたのですが、送るには重く、かさばる白菜。
思い切って漬けることにしました。

築北村の直売所で買った白菜、250円。を取り出す

ネットを検索して塩漬けの仕方をチェックします。
四つ割りにして半日干した後、分量の塩で漬け込むとのことです。
さっそくやってみました。

包丁で芯に切れ目を入れてから手で四つ割りにします。
四つ割りにしたものを干します。

包丁で切れ目を入れ、手で四つ割りにします
半日ほど日に干す。甘味が出て保存性がよくなるとのこと

塩の分量は白菜の重さの4%とのこと。
めんどくさいので目分量にします。

最初は大きめのたるに漬けて、ある程度漬かってから、樽を変えて、コンブやトウガラシを入れて本漬けするとのネット情報ですが、これもめんどくさいので最初から本漬けするにします。

たるの底に塩をふり、四つ割りにした白菜を2ピースセットで押し込みます。
一段ごとに塩をふります。

漬樽の底に塩をふる
白菜一段目を付けこみ、塩をふる

二段目に塩をふった後、外葉を被せてその上にも塩をふり中蓋を乗せます。
重めの漬物石を乗せてしばらく置きます。

白菜二段目をつけ込み、外葉を被せた後、残りの塩をふる
蓋を被せ
漬物石を乗せる

二日目に様子を見るとカサが減っています。
天地返しをすることにします。

漬物石をどかし、二段目の白菜を取り出します。
一段目の白菜からは水が出て漬かり始めています。
天地返しをしてトウガラシを乗せておきます。

二日目の白菜の様子
一段目と二段目を入れ替え、トウガラシを乗せて本漬け開始

今年の白菜漬けはうまくいきそうです。

りんごのコンポート

りんごの季節になりました。
今は11月、フジが出始めました。
これでりんごの全品種が出そろいました。

8月に早生の新物が出始めて以降、11月にフジが出るまでの間、紅玉、秋映、シナノスイート、シナノゴールド、名月といった品種が続きました。

各地の直売所に寄った際には、この季節、どうしてもりんごを買ってしまいます。
須坂の臥竜公園に行ったときには、公園内の園芸屋の無人販売で、フジ、シナノゴールドの大玉が3個入り一袋が300円で売っていました。
りんごの産地信州でも激安の値段です、生食用としては。

須坂の臥竜公園で買ったりんご。一袋300円

例年、ジャムとチャツネの材料として活用するりんご。

今年はコンポートにしてみようと思いました。
コンポートなら、寒天の添え物として、アップルパイの材料として喜ばれると思ったからです。
また、ジャムなどより手間がかからずできそうな気がしました。

りんごを4つに割って芯をとります。
皮をむいて、3つから4つに割ります。
それを砂糖で煮てゆきます。

焦げないよう、鍋に少し水を入れてストーブにかけます。
りんごが透明になるまで煮ますが、結構時間がかかりました。
同時に保存瓶を煮沸消毒しておきます。

砂糖はザラメと白砂糖を半々で
少し水を足してストーブで、リンゴが透明になるまで煮る

コンポートというからには、シロップを別に用意する予定でしたが、煮汁を込みで瓶に詰めるとちょうど良い分量になりました。

りんご大玉6個でちょうど良い分量だった

フジの大玉6個で、大中各1本のコンポートができました。
東京の皆さんに喜んでもらえるでしょうか。

ハックルベリージャム

畑で収穫したばかりのハックルベリーでジャムを作りました。
毎年恒例です。

栽培したのはガーデンハックルベリーという品種。
ベリー類ではなくナス科の植物です。
アクが強いので生食は不向き、ジャムなどに加工します。
ポリフェノールの含有量はブルーベリーより多いといわれています。

信州に来てから、直売所などで初めて見る野菜に驚きました。
夕顔、ナツメ、青いトマト、ナスの葉、巨大ズッキーニ、食用ほおずき、など。
その一つにガーデンハックルベリーがありました。
購入したときにレジのおばさんから「生じゃ食べられませんよ」と念を押されたのを覚えています。
袋には説明書が入っておりその通りにジャムに煮て食べました。

次の年からは苗を買って栽培しています。
夏の暑さと乾きには弱いのですが、寒さに強く、11月になっても枯れない印象があります。

さて、収穫した実を加工しましょう。
まずはあく抜きです。

収穫して洗ったハックルベリー

実が硬いので時間をかけて茹でこぼします。
紫のゆで汁になったらあく抜き完了です。

茹でこぼしてあく抜き

次いで、砂糖とレモン汁を入れて煮ます。
煮ていても実崩れしません。
汁がとろりとし、実が柔らかくなったら出来上がりです。

畑のハックルベリーは結実から時間が経過していたので種ができており、煮汁の中に細かな種がこぼれ出ていました。
もちろんこれでOKです。

砂糖を投入
火にかけてあく抜き
煮詰まってきた
並行して保存瓶を煮沸消毒
瓶に密封して出来上がり

1年分のポリフェノールを摂取しましょう。

スペアリブ

山小屋の自炊料理の紹介です。

家族や、孫たちが来訪するときに準備する料理にスペアリブがあります。

スペアリブは豚のアバラ肉のこと。
漬け込んだスペアリブをバーベキューで焼いたりします。

山小舎ではスペアリブ肉を煮込みます。
よく煮込むと、味が染み込んだ肉がホロホロと骨から外れる絶妙な一品となります。

茅野のAコープでスペアリブのパックが売られています。
ここで売られている信州豚は、例えば肩ロースをスライスして炭火焼きにしたり、バラブロックを角煮にしたりすると絶妙なのです。

買ってきたスペアリブをニンニクを転がした油で焼き付けます。
外側が焦げるくらいに。
にんにくは焦げるので取り出しながら。

焼いた後の油とニンニクごと、スペアリブを、ひたひたより少なめの水とともに鍋に入れ煮込み開始です。

鍋を火にかけると同時に調味料を投入です。

赤ワイン、しょうゆ、チャツネ、焼き肉のたれ、黒コショー、塩麴、ケチャップ、セロリなど思いつく西洋煮込み料理の調味料を投げ込みます。
コクを出すため牛乳かヨーグルトも入れてみましょう。
隠し味の味噌もいいかもしれません。

調味料を投入しつつ煮込み開始!

山小舎独自の調味料としては、スペアリブによく合う柑橘系のジャム(マーマレードなどのジャム)と、玉ねぎのすりおろしが欠かせません。
トマトとともに、玉ねぎは西洋系料理のダシとして欠かせないのです。

おもむろに玉ねぎのすりおろしを投入

肉本体から出るダシ、玉ねぎとトマトから出るダシ、しょうゆなど発酵系調味料の味、これらが混然一体となって鍋中で踊り狂います。

アクと浮いた油を取り乍らストーブで3時間ほど煮込みます。

この後は翌朝まで涼しい場所(夏場は冷蔵庫)で鍋ごと休ませます。
翌朝は一面に白く浮いた油をスプーンなどで取り除き、鍋を再びストーブに載せます。

しばらく煮込んで油が浮いた状態。このまま冷まし油を除去する

これを3日ほど繰り返すと、汁が煮詰まり、肉はホロホロのスペアリブ煮込みの出来上がりです。

肉が崩れるので鍋のまま温め、慎重に大皿に移してサーブします。

出来上がったスペアリブの煮込み

孫たちにも好評のスペアリブの出来上がりです。

しその実の塩漬け

畑のしその実を採取し、塩漬けにしました。

酷暑を乗り切って今年も実をつけたシソたち。
収穫が遅れるとせっかくの実が硬くて食べられなくなります。
風雪に耐えたの武士のように枯れながら雑草の中に突っ立っているシソ。

茎ごと切って収穫し、実をこそげ取ります。
先端から根元に向かって指でこそげると実はきれいに取れます。

実をきれいに洗い、アクを取ります。
アクの取り方は1日水に漬けるか、熱湯でゆでこぼすかです。
風味が残るというので1日水に漬けることにしました。

しその実を洗う
洗いながら実以外のものを取り除く
1日水に漬けたシソの実
水気を切り分量の塩をまぶす

時々取り換えた水に1日つけたシソを塩漬けにします。
塩をまぶして重しをかけてもいいのですが、今年は、分量の塩でもんで保存袋に入れ冷蔵する方法にしました。

袋に入れて冷蔵保存する

ごはんにかけてよし、しょうゆを加えても良し。重宝な保存食ができました。

今年の干し芋

秋は食品加工のシーズンです。

初夏から夏にかけては果物や夏野菜をジャムやシロップ漬けにするシーズンでした。
秋になると果物の種類は減って、代わりに芋類、根菜類、豆類などが出回ってきます。
種を利用する野菜もあります。
これらを乾燥させてりして保存する季節の始まりです。

ヘチマたわしに続く、秋の加工シーズン第二弾として、干芋を作りました。

山小舎おじさんの畑では今年はサツマイモを作付けしませんでした。
最初の年の豊作以来、サツマイモは不作なのです。
植え付けの時期の乾燥や、ツルが伸び始めたときの獣害などがあり、ほとんど収穫に至らない年が続きました。
サツマイモに手をかける余力もなく、今年は作付けをあきらめていました。

秋を迎え、直売所に地元産のサツマイモが並び始めました。
大きめで丸く厚みのあるものをチョイスします。

洗った後、ストーブにかけた蒸し器に並べ時間をかけて加熱します。

蒸しあがったのを確認して、皮をむき、スライスします。
軍手を使って作業すると芋が熱くても大丈夫です。
ピラーに皮が詰まって、皮むきに手間がかかるのが欠点です。

干しはじめ直後の芋たち

スライスした芋をザルに並べて、夜はストーブのそばに、天気の良い日中はお日様のもとで乾かします。

今年の芋は、中心部が白っぽく出来上がるのが半分近くありました。
干芋本来のねっとりした出来上がりを期待した山小屋おじさんは少々がっかり。

ほぼ干しあがった芋たち。真ん中が白いものが目立つ

思えば、蒸しあがりをスライスしている時点で芋の中心部が透明感がなく、ボソボソしていたものがありました。
芋のせいなのか、蒸し時間が足りなかったのか、あるいは複合的な理由で芋の糖化がうまくいかなかったのかわかりません。

そういった芋は干した後も、白っぽくボソボソした出来上がりになりました。
もちろん食べられますが、期待した出来上がりではありません。

まだまだ秋は続きます。
再トライしたいと思います。