冬の山陰・北陸夜行列車の旅① サンライズ出雲に乘る

2月のある日、寝台列車サンライズ出雲に乗りました。
東京駅21:30発、出雲市行き特急列車です。
山陰から北陸にかけての旅をしようと思いました。

夜9時過ぎの東京駅10番線

車両はかつての寝台列車の二段三段式ベッドを連ねたスタイルではなく、寝台はすべて個室になっています。
そのほかにカーペットを敷いただけのノビノビ座席という車両があります。
山小舎おじさんはノビノビ座席の切符をとっていました。

サンライズ出雲ノビノビ座席車両

車内は暖房が効いています。
ジャージに履き替え、備え付けの布団を敷き、ジャンバーをかけると全く寒くはありません。
ノビノビ座席の車両は若い人を中心に満席です。
女性もかなりいます。
隣の席とは仕切りもあるので、かつての青函連絡船の二等船室の雑魚寝よりははるかにいい環境です。
騒ぐ人もいません。

ノビノビ座席一人分

列車は夜中の東海道線を走り、横浜、静岡、名古屋などに停まってゆきます。
岡山に到着したときは朝の通勤時間帯になっていました。
ここで、東京から連結してきた高松行きのサンライズ瀬戸と別れます。
サンライズ出雲は伯備線を走って中国山地を北上し、山陰を目指します。

伯備線は中国山地に分け入って北上する
中国山地の朝。駅前でコミュニテイバスを待っている?

全国的に冬の寒さと大雪の警報が出ていたこの日、中国山地は雪景色でした。
伯備線沿線の中国山地の冬の景色をラウンジで楽しみます。
車内にはドリンクの自販機しかないので、軽食を用意しておくべきでした。

鳥取県に入った。上石見駅の雪景色

鳥取県に入り、米子に到着します。
伯備線から山陰本線へと列車は進みます。
日本海沿岸となり、積雪は少なくなりましたが、裏日本特有の重苦しい冬の雲が垂れこめたような景色になりました。

米子の車窓

車窓には海が見えてきました。
と思ったら、中海という汽水湖でした。
松江に到着してからは宍道湖のほとりを進みます。
気が付くと、ノビノビ座席がかなり空いてきました。
米子や松江で降りる人もかなり利用していたようです。

宍道湖の車窓

遅れて12時ころ終点の出雲市駅に到着です。
出発の21:30から朝の7時くらいまで、ノビノビと横になっていた山小舎おじさんは、体も軽く山陰の地に第一歩を踏み出しました。

終着の出雲市駅に到着

出雲大社へバスで30分ほどの出雲市は、雪はないのですがとにかく冷たい風が吹き荒れていました。
バスの時間まで、駅構内の蕎麦屋で出雲そばを食べます。
戸隠そば、わんこそばと並んで日本三大そばなのだそうです。
割子に盛られたそばに薬味とダシをかけてすすります。
三大そばの制覇達成です。

出雲そば

地元の電鉄会社・一畑電鉄の路線バスに乗って出雲大社を目指します。
車内は座席が埋まっています。
一畑バスではSUICAを含め交通系ICカードが使えました。

出雲大社はぜひ行きたかった神社です。
国津神である大国主命がいたところで、古代には高さ48メートルの社が建っていたという神道の中心地のひとつです。
縁結びの神様としても有名です。
目的の一つに、近くの稲佐の浜で砂を掬い、大社の本殿裏にある素戔嗚社で収め、すでに収めてある砂をいただき、持って帰って自宅の庭に撒き、厄除けにしようというのがあります。
まずはバスで大社を通り越し、稲佐の浜前で降ります。

稲佐の浜

稲佐の浜は10月に神迎の儀式が行われるという古代からの由緒正しい場所。
日本海に面し荘厳な雰囲気を残しているのですが、この日の風の強いこと!
進めなくなったり、バランスを崩しそうになったりしながらやっとの思いでビニールに砂浜の砂を掬い取ります。

天気が刻々と変わる稲佐の浜

砂をもって大社境内を目指します。
途中に、歌舞伎踊りの創始者といわれる出雲阿国の墓がありました。

浜と大社の間にある出雲阿国の墓

大鳥居のある大社正面まで戻らず、西側の入り口から境内に入ろうと思いました。
さっそくガイドブックなどに写真映えして掲載されている日本最大のしめ縄を持つ神楽殿が現れます。

ガイドブックには神楽殿として紹介されている日本最大のしめ縄を下げる神殿。出雲教の神殿だった

そのスケールに圧倒されて写真をぱちぱち撮る山小舎おじさん。
目的の一つの大島縄が撮れたと喜びましたが、後でこの神楽殿が大社の一部ではなく、出雲教という教団の建物だと知りました。

本当の出雲大社にお参りしてからの話は次回に。

投稿者: 定年おじさん

1956年北海道生まれ。2017年に会社を退職。縁あって、長野の山小屋で単身暮らしを開始。畑作り、薪割り、保存食づくり、山小屋のメンテナンスが日課。田舎暮らしの中で、60歳代の生きがい、生計、家族関係などの問題について考える。60歳代になって人生に新しい地平は広がるのか?ご同輩世代、若い世代の参加(ご意見、ご考察のコメント)を待つ。

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