加工用の梨

直売所で加工用として売っている梨を一袋入手しました。
小型の梨が11個入って300円です。

品種は秋水。
確かに小さく、形が悪く、熟れてもいず・・・でスーパーはおろか無人スタンドにも出荷できないような実です。
それでも梨は梨。
加工すれば十分食べられるはず。

実はこういったB品が大量に安く入手できるのが生産地に近い田舎の良いところ。
近年高価な果実の旬の風味を、ジャムやコンポートの姿で保存できるチャンスなのです。
ジャムの原料に生で美味しいA品はいりません、何より高価です。

実は、田舎の直売所には、季節によっては、青いトマト(漬物にする)、採り遅れた巨大なズッキーニ(料理すれば食味は同じ)なども売っており、スーパーでは見かけない食材の宝庫でもあるのです。

というわけで梨を加工します。
7個をコンポートに、4個をジャムにします。

コンポート用の梨は切って剥いた後、実だけを少量の水を加え砂糖で煮ます。
透明になり砂糖が染み込むまで。
そのあとシロップ液に入れ加熱して出来上がりです。

ジャム用の梨は、さいの目に切ったものにおろした梨を加えて砂糖で煮ます。
とろみが出たら出来上がりです。
この作り方はネットで見て覚えました。

11個あった梨も加工するとぐんと量が減ります。
コンポートが中瓶と小瓶に各1個。
ジャムが小瓶一つでした。

今年の梨の風味も無事保存できました。

ゆかりを作る

赤シソが出回っています。
かつて一度作ったことがある、ゆかりふりかけを作ることにしました。

ゆかりとは塩漬けした赤シソを干して砕いたふりかけで、特有の風味がごはんに合って食欲をそそります。

作り方は梅干を漬けるときに使う赤しそを取り出して干すのですが、今年は梅干は漬けていません。
ネットで調べて生の赤しそを使うやりかたを調べました。

赤しそは直売所で買ってきました。
一袋100円のものを3袋です。

葉の部分を軸から外します。
葉の重さをはかると150グラムありました。

葉をよく洗います。

次いで分量の半分の塩で葉を揉みます。
たちまち葉はしぼんでアクが出てきます。
しばらく揉んで葉が手で固められるようになったら固く絞ってアクを切ります。

赤しその重量の15%の塩を量る
分量半分の塩でもんでアクを出す

固まった葉に残りの塩を入れて再び揉みます。
最初はなかなかほぐれませんが、しばらく揉んでいると水気とアクが出てきます。
これを再び固く絞ってアク出しと塩揉みの完了です。

2回目は残りの塩で再び揉む

ここに分量の酢を加えます。
梅酢があればいいのですがなければ普通の酢でいいようです。
貯蔵してある梅干の液に市販の酢を合わせて加えました。
固く絞った赤しそに馴染みずらいのですが、よく揉みこんで酢を全体にいきわたらせます。

アクを切った赤しそに酢を加える

この後は天日干しです。
細かくほぐしてザルに載せお日様の下へ。
一日乾かします。

ザルに広げて干す

9月の日差しでは一日でパリッとは乾かず、柔らかさが残ります。
金属のざるにあけ、鍋をかませて薪ストーブの上へ。
パリッと乾かし砕いて保存袋に入れ冷蔵庫で保存します。

一日天日干し。その後パリッと仕上げて砕く

このふりかけが好きな孫も大喜びです。

ネクタリンの季節

さあ、夏の果物が最盛期になってきました。

近隣の直売所の棚を見るまでもなく、プルーン、ブルーベリー、スモモ、桃、ワッサー、ネクタリンなどが花盛りです。

この時期の果物にネクタリンがあります。
皮に毛のない桃のような形状。
つやのある赤い表皮が盛りをアピールしています。
この時期になると食べたくなります。

大粒の完熟ネクタリン

桃の変種とのことで、長野県が全国の70%を生産しているとか。

直売所でひと箱買ってきました。
大型の完熟が8個くらい入って1200円でした。

御盆にやってくる娘一家のデザート用に、と思いましたが、生食用には多すぎます。
ほかにプルーンやワッサーなども食べさせたいし。
また、熟しが進んでいるようなので硬めの2個を残し、ジャムにすることにしました。

皮と一緒に煮込みます。
実が柔らかい割には煮崩れがしません。

ジャムにするとカサが減ります。
風味とともに信州の夏を閉じ込めます。

今年はあんずから始まって、プルーン、ブルーベリー、スモモ、桃と季節の果実の加工が順調です。

独特の色合いに仕上がりました

かんぴょう干し

山小舎おじさんの畑では夕顔の実がぶら下がっています。
一つ収穫してきました。
例年なら冬瓜代わりに煮て食べるか、それともズッキーニ代わりに炒めるか。

今年は新規開拓でかんぴょうにしてみようと思いました。

ネットで調べます。
1センチ幅に輪切りして皮を厚めに剥き、中身を桂剥きにしていました。

早速、巨大夕顔に立ち向かうことにします。

夕顔、今年の一番果

1センチ幅の輪切り。
これは問題なくできます。

1センチ幅に輪切り

皮を厚めに剥く。
これもできました。

皮を厚めに剥く

中味の桂剥き。
これが難しい。

夕顔の輪切りというのは、芯がふわふわなので、大根と異なり、1センチ幅の輪切りにはそもそも強度がないのです。
桂剥きしようにも非常にやりずらい!
仕方なく厚めに桂剥きするのですが、それでもぼつぼつに切れてしまう。
ピラーでやってみましたが、輪切りそのものに強度がないうえに、手元のピラーでは薄くなりすぎてしまいます。

桂剥きの成果?
残った芯の部分はやむなく廃棄

ぼつぼつでもいいから、と作業を続行。
大きな夕顔からは少なすぎるかんぴょう素材が採れました。

ネットの通りに一晩冷蔵庫で乾燥。
翌日天日干しにしました。

果たしてどうなるやら。

天日干し。辛うじてぶら下げられる部分
天日干し。ブツブツに切れた部分

1年分の桃を煮る

高遠、伊那方面へ行った帰り、いつものように南箕輪町の直売所・あじーなへ寄りました。
初夏を迎えた南箕輪町の直売所ではさぞかし夏野菜や果実で花盛りだろうと思ったからです。

特に、あじーなは地域の産物の出荷量がよく、値段も手ごろな印象があります。

この日もありました。
季節の桃が。

あまり知られてはいませんが、長野県は桃の生産量が全国トップクラスです。
桃に限らず、ネクタリン、ワッサーなど関連品種も多く出回ります。

白桃は、山梨県産ほどの大きさや甘さはないかもしれませんが、普段食べる分あるいは加工用には十分です。
また、直売所にはよく、自家用のB品が売られており、加工用の品を探すことができます。

この日あじーなで見つけたのは、中型の桃がひと箱(22から24個入り)で1400円ほどのもの。
大型の贈答用なら4000円でしたから、これはお買い得です。

あじーなで購入した桃

勝った翌日、さっそく加工をしました。

まずは砂糖を煮溶かしてシロップを作ります。
そして桃をむいてカットしてゆきます。
選ぶのは硬めの桃。
コンポートをつくるのです。

シロップで桃を煮る

箱の半分くらいの桃を使ってコンポートにします。
カットした桃をシロップに入れて、煮崩れないように加熱。
消毒した瓶に詰めて煮沸して出来上がりです。

コンポートが3本完成

残りの柔らかめの桃はジャムにします。
コンポートで使ったシロップの残りに桃の乱切りを投入。
しばらくストーブにかけておきます。

なかなか煮崩れしなかった桃ですが、果肉が残ったジャムになりました。
余りを試食すると、思ったより風味が残るジャムでした。

今年も夏の恵みを保存できました。

左からジャム3本、コンポート3本

夏の風物詩 松本スイカ村

今年も松本スイカ村へ行ってきました。

スイカ村には、山小舎暮らしを始めたごく初期から訪れています。
夏の風物詩に参加したいという意識のせいでしょうか。

松本市郊外のJA松本ハイランド和田支所が会場です。

夏の暑さに耐えながら開場へ着くと、地元客を中心に来客で毎年大賑わいです。

毎年このテントで購入します

スイカ選果場にはずらりとスイカが並べられ、テントを張った出店ではお母さんたちが来客の対応に大わらわです。

松本市郊外の波田という地区ではスイカ栽培が盛んで、味も歯触りも良いものが採れるのです。

毎年買っている出店に並び、L玉2個を買いました。
数年前は1600円だったL玉は、去年は1900円に、今年は2100円になっていました。
物価高の影響でしょうか、品質が変わらなければOKです。

買ったスイカを軽トラに積み込む

買ったスイカを軽トラに積んで、お盆にやってくる孫たち用に保存する予定です。

選果場に並ぶスイカたち

信州ソウルフード放浪記VOL.33 上田檸檬で酸辣湯麺

上田市の海野町商店街。
町の中心部にあるアーケード街です。

歴史ある個人商店が並び、昭和の時代には栄えたであろう商店街ですが、地方都市のご多分にもれず、山小舎おじさんが知った時には歩く人とて少なく、一部の店はシャッターが下り、何区画かまとめて高層マンションの敷地になっているような商店街です。

上田のヤングやファミリーは市内に2か所あるモールへ行っているのでしょう。バイパスのロードサイドには全国チェーンの店も並んでいますし。

ある平日の海野町商店街

その海野町商店街に檸檬という中華食堂があります。
町中華というか、ラーメン屋よりは少しグレードの高い、地元に愛されている店です。
上田映劇で映画を見た帰りに久しぶりによってみました。

店内は先客が3,4組いました。
山小舎おじさんは今月のいちおし、の酸辣湯麺を頼みました。

具材が盛大に飾られた麺が出てきました。
辛味は押さえ気味で、酸っぱさが前面に出ている味付けです。
量的には十分。
食べる楽しみに彩られた盛り付けです。

ホール係のおかみさんに断っての撮影

東京のチェーン店のような化学調味料を容赦なく使った味ではありません。
味のヒステリーのなさが物足りなさを感じさせるかもしれません。

その体によさそうな優しい味付けが地元らしさを感じさせました。

信州ソウルフード放浪記VOL.32 真田の里の手打ち蕎麦

上田市真田地区には、ゆきむら夢工房という施設があります。
上田から菅平方面に抜ける道沿いにあり、観光案内、土産物売店などが入った建物と、農産物直売所の建物で構成されたエリアです。
「ゆきむら」とは地区の永遠のヒーロー、ご存じ真田幸村からのネーミングです。

ある日、直売所へ寄るために訪れてみると、ゆきむら夢工房の入り口に、そば処真田の里営業中の看板がありました。

昼前の時間でしたが、試してみることにしました。
「蕎麦は別腹」です。

館内へ入ります。
かつて地域の名産やTシャツ購入のために売店までは訪れたことがあります。
また、真田地区の観光案内を乞うと親切に教えてくれるスタッフが常駐しているのは知っています。

そば処と書かれた暖簾をくぐり、スリッパに履き替えて案内されたのは、普段は蕎麦打ち体験道場などで使われる部屋です。
先客が一組いました。
お茶はセルフサービスです。

もり蕎麦が出てきました。
噛み応えと食べ応えのある味わいです。
ツユが盛きりなので(リクエストするとお代わりできるかもしれませんが)、蕎麦湯を十分に味わえなかったのが残念でした。

もり蕎麦700円

信州は各地に蕎麦があります。
地域ごとに食味にあまり差がないような気もします。
おいしさに差が出るのは、店の雰囲気だったり、作り手の「手」のかけ方の差だったりするような気がします。

「もり」で素の蕎麦を味わうと、土地の恵みをいただくような気がします。

キューリの生姜炒め

手許に採り遅れた極太キューリが2本ありました。
除草の時、草刈り機で手許がくるってつけられた切り傷付きです。

夏野菜の収穫時期、キューリとズッキーニは採り遅れると大変なことになります。
極太のキューリがぶら下がり、魚雷のようなズッキーニが横たわっているのです。

収穫後はズッキーニについては夏の大根代わりに、煮物や、炒め物、和食、洋食に重宝しますが、がっちり種を仕込んだキューリは・・・、使い方使がわかりませんでした。

ある日テレビをつけていると料理コーナーに栗原はるみさんが出ていました。
少し注意して聞き耳を立てていると、キューリの炒め物の紹介でした。
キューリを二つに割って種を取り、スライスしてショウガの千切りとともに炒めるという料理でした。

早速、手元の極太キューリで試してみました。
ごま油を敷き、スライスしたキューリを手早く炒め、塩で味付け、しょうがを加えました。

収穫した極太キューリを縦に割る
スプーンで種をこそげ取る
スライスする。ショウガの千切りも用意
強火で炒める
炒め終わった頃、しょうがを加える

フレッシュというか、ショウガと塩のみの味というか。
夏の野菜の味でもあり、素材のみの味です。

山小舎おじさんの試作では、スライスが少し厚かったのか?塩が少なかったのか?
ごはんのおかずとしても、酒のつまみとしても若干の物足りなさがありました。

出来上がり

番組では栗原さんがあえて否定はしていましたが、コショウやニンニクを使っても(別の味付けにはなりますが)よかったかもしれません。

いずれにせよ極太キューリの使い方の世界が広がりました。

信州ソウルフード放浪記VOL.31 立岩和紙の里の日替り定食

山小舎から上田方面へ大門街道(国道152号線)を下り、軽井沢方面への分岐点を直進すると、上田市との境の少し前に、立岩和紙の里があります。

子供たちの和紙漉き体験の作品を天日干しする立岩和紙の里

本ブログでも、孫たちの和紙漉き体験の話や、秋の新蕎麦祭の話、を載せたことがある施設です。

食堂と土産物売り場への入り口

和紙漉き体験施設と、蕎麦を中心にした食堂、土産物販売所が併設されています。

入り口から食堂方面を見る

今回はここで蕎麦定食を食べました。

2時の昼休みの前に店内に入るのがここ信州での食堂利用の鉄則です。
全国チェーン店などは通しの営業ですが、地元の食堂は14時から17時くらいまで休みます。
最終入店が13時半などとなっている店もあります。
規律正しく昼食時間を取ることが多く、また人口もあまり多くはない信州の伝統なのでしょう。

お品書き。このほかに本日の定食がある

この日は14時前に入店。
念のため確認すると注文OKとのこと。

カウンターに座ります。
ホール係のおばさんがお茶と漬物を持ってきます。
落ち着くんだなあ、こういう応対。

着席するとお茶とお茶請けが供される

日替わり定食を注文します。
蕎麦と炊き込みご飯のセットです。
田舎風の愛想のない定食で、一見量的にも物足りないのですが、食後感は満足いった記憶があります。
また、ここの蕎麦は美味しいのです。

日替わり定食。冷たい蕎麦とおこわのセット

どんぶりに入った冷たい蕎麦と山菜おこわのセットがやってきました。
すすりこみの音を気にせずに盛大に昭和風の食べ方でやっつけます。

手打ち蕎麦は食べ応えがあります。
もち米で炊いたおこわも腹持ち十分です。
徳利に入ったツユがついてくるのもうれしいことです。
ツユで割ったそば湯がたっぷりいただけます。

都会風に愛想を付けるとしたら、油気のある小鉢をもう一品、ですが、ここは田舎。
これでいいのです。