信州ソウルフード放浪記VOL.35 真田「駅前食堂」のポッポ屋定食

上田市真田地区にある「駅前食堂」へ行ってきました。

真田地区(旧真田町)は、菅平方面への街道沿いにあり、名前の通り真田一族の発祥の地です。
上田城に拠点を移す前の真田氏の居城がここにありました。
上田の町を見下ろし、その昔、真田氏が沼田城へと進軍した、群馬へと通ずる街道沿いの要衝でもあります。

かつては上田駅から上田電鉄という私鉄が、別所温泉、丸子、真田の各方向に延びており、真田町にも駅がありました。
現在の国道144号線、荒井交差点付近が旧真田町の中心部だったようで、現在は幸村夢工房という観光物産施設が付近にあります。
このあたりに真田駅があって、「駅前食堂」という名の食堂が今も残っています。

真田地区の駅前食堂

平日のお昼時に「駅前食堂」に寄ってみました。
食堂前の駐車スペースがすでにいっぱいです。

玄関を開けると、活気ある食堂の光景が目に飛び込んできます。
ホール係のおかみさんが直ちにカウンター席を指示して水を置いてくれます。
失礼ながら、信州の食堂には似つかわしくないほどの客あしらいの速さです。

地元の人も軽トラで駆け付ける「駅前食堂」。地酒「亀齢」の看板が掛かっている

改めて店内を見回すと、テーブル席が人数にして20人分くらいあり、奥には座敷が15人分くらい。
席の半分くらいがすでに埋っており、客数は20人くらいが食事中です。
作業服や背広姿の客、地元風の客がほとんどです。
これまた失礼ながら、想像していた「寂れた食堂」の光景とは比べ物にならないくらいの活気にあふれています。
それも今では貴重な「昭和の食堂」の雰囲気溢れる活気です。

メニュー表の一番上に載っているポッポ屋定食を頼みます。
ラーメンにもつ煮とライスが付いたセットのようです。

ラーメンは昔ながらのあっさり系、もつ煮も凝った味ではありません。
見かけよりも量が多く、満腹になります。
ラーメンは伝統的なしょうゆ味とはいいながら、家庭で作る生ラーメンとは一味違う食堂の味がします。
もつ煮も、もつが柔らかくこれまたプロが煮込んだ味がします。

ポッポ屋定食。真田線にちなんだネーミングか

夜は飲みもできるようで、一升瓶の焼酎がボトルキープされていました。
カウンターから垣間見えるキッチンは広めで、若めのお兄さんが忙しそうに働いていました。
ホール係の二人のおばさんもクルクルと動き回っています。

次から次へと来店する客の注文を聞いていると、カツ関係やカレー、ラーメン大盛、ポッポ屋定食などが多く聞こえます。

熱々のメニューがたっぷりの量で出てくる食堂は、働く人、地元の人にとって貴重な場所です。
店内の活気とともに長く残ってほしいものです。

投稿者: 定年おじさん

1956年北海道生まれ。2017年に会社を退職。縁あって、長野の山小屋で単身暮らしを開始。畑作り、薪割り、保存食づくり、山小屋のメンテナンスが日課。田舎暮らしの中で、60歳代の生きがい、生計、家族関係などの問題について考える。60歳代になって人生に新しい地平は広がるのか?ご同輩世代、若い世代の参加(ご意見、ご考察のコメント)を待つ。

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