定年おじさんが畑を借りて2年目になる。
最初は1か所の畑。今年からもう1か所増えた。
それぞれの畑の去年と今年の様子を報告します。
去年から借りている畑
2017年の6月中旬に借りた。中山道沿いの傾斜地で面積は約50坪。
2017年の様子
しばらく放置された畑だった。
耕運機で一度耕したが、土を起こす前に、枯れ草がたくさん倒れた。
その枯れ草をレーキで集めて燃やした。
隣の畑の人がアドバイスしてくれた。よく乾かしてから燃やさないと、鎮火まで時間がかかるとのこと。
畑で火を使うのはダメだ、と言われなかったのは幸いだった。
その人は、それからも会うたびに一言二言声をかけてくれた。
枯れ草を燃やしてから、スコップで土を掘り起こした。
一応、畝型に縄を張って、起こしていったが、せいぜい長さ数メートルのひと畝を起こすのに体が悲鳴を上げた。
定年後の体力はここまで落ちているのか、と思った。
東京の家庭菜園ならば5月のゴールデンウイークのころが夏野菜の苗の定植時期だった。
ここは長野県とはいえ、すでに6月中旬だった。
あわてて、トマト、キューリ、なすの苗をを2.3本ずつ買い、やっと起こした畝に植えた。
元肥がどうの、追肥がどうのという知識はなかった。
たまたま本で読んだ、微生物農法というのをやってみることにした。
本を買ってきて、えひめAIという微生物液を作った。りそれを畝にたっぷりかけ、マルチで覆い、苗を定植した。
マルチを使うのも初めてで、風が入らないように土を覆うのに苦労した。
その時、すでに夏野菜定植の最盛期は過ぎており、農協で買った、売れ残りのトマトやナスのひょろ苗が、黄色い姿をマルチの上に頼りなくさらしていた。
たまたま近くに来る用事があり、畑の紹介者の自動車屋社長が様子を見にやってきた。
社長は、頑張ってるねと言いながら気の毒そうな顔で畑を見回した。
その時、定年おじさんは暑さと疲労に耐え、肩で息をしていた。
畑に行くたびに、苗の根元に微生物液・えひめAIの希釈液を潅水した。
しばらく苗は根付くのに精いっぱいの様子だった。
夏野菜を定植してから、畑の残りのスペースを耕した。そこにインゲン、枝豆を直まきした。
まいている最中に、山から鳥が集まってきたような気がした。
案の定、種はなくなっていた。
雑草で覆うなりして鳥に食べられないようにまき直した。
夏になり、畑の畝間から周辺から雑草が生い茂った。
草刈り機を購入し、草刈りした。
石や鉄パイプに歯が当たるキーンという音に驚いた。
ビニールひもを巻き込むと、からんで回転がストップする。
畑一面を除草して倒れそうに疲れた。
大家さんから気を付けるようにと言われていた、タラの芽の木を間違って切り倒してしまった。
それでもえひめAIの効果か、トマトが急に伸びてきた。茎ががっしりしてきた。
植えた時のひょろ苗の面影がなくなった。
ナスやキューリもそれなりに伸びたが、実の成りは今一つだった。
トマトの脇芽かきは知っていたが、ナスやキューリの選定などはまったくやらなかったからだろうか。
夏野菜の収穫は今一つだったが、なんとなくえひめAIの効果を感じ、その後も使い続けることにした。
インゲンはよく実がなった。隣近所に配り、乾燥野菜にし、水煮にして瓶詰めしたりした。
枝豆はほんのり甘かった。
秋野菜には、大根、人参、白菜、キャベツを植えた。キャベツは苗、白菜はポットに種まきし苗を作ってから植えた。大根、人参は畑に直播した。
結果、満足行く収穫は人参だけだった。
白菜は途中まで順調に育ったが、葉が溶ける病気が出た。
キャベツ、大根は大きくならないままだった。
9月初旬に一斉に植えたり、まいたりしたが、時期が早ければいいというものでもないらしかった。
新米の収穫時期には、コイン精米所に大量のもみ殻とヌカが出るので、もらってきてはせっせと畑にまいた。
もみ殻は、山小屋の敷地にあるごみ焼きストーブで燻炭にしてまいりした。
来年以降の土づくりのためだった。
11月には玉ねぎの苗を植えたが、雨で苗が流されて植え直すなどした。
翌年の収穫はピンポン玉くらいにしかならなかった。
(続く)