食堂タイガーは数年前の軽トラの旅で紹介したことがあります。
辰野町小野地区に昔からある食堂です。
辰野町は県央というか、日本中央部に位置する町で、塩尻の南にあります。
久しぶりに食堂タイガーに寄ってみました。
前回訪問時に食べた、豚焼肉丼と鳥だしの効いたラーメンの味が忘れられません。
この日は雨、開店の11時半前には、店の駐車場には車の姿はありません、前回訪問時は11時くらいから並んでいましたが。
駐車場で待っていると、開店時間ジャストに髭を生やした愛想のいい店主がやってきて「お待たせしました」と開店を告げました。
この人が前回訪問時に母親と一緒に店を切り回していたお兄さんのようです。
焼き肉丼とラーメンのセットを頼みました。
前回は確か1500円くらいでしたが、2000円になっていました。
その間に、中年男性の3人組が入店。
店には店主の連れ合いなのでしょうか、若めの女性が店主とともに配膳を行っていました。
前回張り切って店を切り回していたお母さんもお元気とのことでしたが、ホールに姿は現しませんでした。
この食堂は戦後の一時期に、裸の大将こと山下清が、新潟長岡?への旅の途中に1か月ほど逗留した場所です。
前回訪問時にはメニューに、当時の新聞記事のコピーなどが添付されていましたが、現在では「裸の大将の記憶」が薄れたのか、メニューでの紹介はなく、代わって壁に当時の記録が1枚掲示されていました。
当時の新聞記事に、文字通りふんどし一丁の裸の大将が写った写真が載っています。
焼き肉丼セットをいただきます。
最初にちょっと後悔したのが量の多さ!
信州の食堂の多くでは、セットメニューというとそれぞれが1人前ずつついてくるのです。
メニューではハーフサイズのどんぶりとなっていますが、十分1人前の分量です。
68歳の山小舎おじさんにはいささか多すぎです。
とはいえ見るからにおいしそうな焼き肉丼は変わらない味でした。
甘めのたれが効いた美味しい豚肉の生姜焼きどんぶりは、最後まで飽きずにいただけました。
ラーメンは鳥だしのうまさに驚いた記憶があったのですが、今回はそこまでの味がなく、よくある醤油ラーメンに近い味となっていたような気がします。
というか、後半はおなかいっぱいでラーメンのダシを味わう余裕はなかったのかもしれません。
歴史ある食堂でここまで料理の水準を維持し、小野地区で続いているということ自体が奇蹟的です。
店主もまだ若く今後の継続も期待できる食堂です。
小野という地区は、遥か平安時代に書かれた「枕草子」に『里は』と気された土地とのこと。
また、地区にある信濃国二之宮・矢彦神社と小野神社は創建時期がわからないほど古く、後年、秀吉の知行割りによって一つの神社が分社となったものとのこと。
地形的には、千曲川へそそぐ水系と、天竜川への水系の分水嶺の麓に位置する古い土地です。
現在は国道153号線沿道と、飯田線小野駅を中心に集落が広がっています。