ガッテン農法、畝づくり実践 その2

ガッテン農法で畝づくりをしています。

先に掘った2本の畝は、掘ると石だらけの場所でした。
それでも何とか2本作りました。

畝立てを完成させるには、資材的としてススキが大量に必要ですし、燻炭、酢水、落ち葉、ぬか、と用意するものが結構広範囲です。
何より耕盤層まで掘り起こすのに体力と時間がかかります。

それでも来年の成果が楽しみでやっています。

前回までに完成させた畝2本

今回は、3本目以降の畝として、これまで4年間、夏野菜を植えていた場所をガッテン流に立て直すことにしました。

4年間夏野菜を植えた畝はサクサクとスコップが入ってゆきました

現在の畝の幅、畝間の長さ、は偶然にもガッテン農法の教科書にあるサイズとほぼ同じでした。
したがって、4年間使った畝そのものを掘り起こし、資材を入れて埋めなおせばよく、畝切の計測は不要でした。

表土を20センチほど掘ったところ。ここまでは順調に進みました

いざ、畝にスコップを入れるとサクサク入ってゆき、ふんわりした黒土をどんどんすくってゆくことができました。
さすが、えひめAIの微生物効果!と感心していると、表土20センチから下は、だんだん石が出てきて、土も硬くなってゆきました。

深さ30センチほどで表出した耕盤層は、粘土質で固まっていました。
石だらけだった先の2畝と全く同じです。
表土はふかふかになっていましたが、耕盤層がふかふかになっているわけではありませんでした。

深さ30センチで現れた耕盤層は堅い粘土質でした

ウーム。
今まで耕盤層については見て見ぬふりをしてきました。
何せ、深く掘って耕盤層に手を入れることなど、力がいるし、時間もかかる、と避けていたのです。
管理機で耕耘し、えひめAIを表土に振りかけるだけでした。
ガッテン農法に出会わなかったら、ついぞ、耕盤層まで掘ったりなどしなかったでしょう。

ふかふかの表土のおかげで1日で2本掘れました

今回掘った畝は4年間のえひめAIの微生物作用によって表土がふかふかになっていたため、畝堀作業は前回の倍のスピードで進みました。
1日で掘り起こし1本。もう1日で資材投入。と、1本の畝立て完成に2日かかる見込みが、これからは倍のスピードで進むかもしれません。

耕盤層に手を入れる初の試み。
来年の成果が楽しみです。

遅ればせながらアスパラの枯れた茎を切りました
アスパラの木にカマキリの卵がついていました

ガッテン農法、畝づくりを実践

その講習会に参加し、ネジネジ藁の威力を体感させてもらっている山小舎おじさん。
ガッテン農法の本にある、畝立ての方法を実践してみました。

教科書その1、穴掘り

自然の力を最大限に引き出して野菜を作ることを目標とし、農薬、化学肥料を使わないガッテン農法。

というか、無農薬、無化学肥料が目的の農法ではなくて、野菜が育ちやすいように土を作り、手順を追って作ってゆくと、農薬、化学肥料は必要ない、というのがガッテン農法のキモのようだ。

教科書その2、耕盤層砕きと資材投入

ガッテン農法では、畝は1回だけ作ればいいという。
畝の場所を変えることも不要で、連作も可能と。
耕運機による耕耘も不要と。

教科書その3、資材投入と整地

いいことだらけなので、だまされたと思い、畝づくりを実践してみた。
時期的にはちょうどいい。
冬の間に畝を作って来春からガッテン農法の実験ができる。

まず、幅50センチ、深さは堅い耕盤層に当たるまで畝予定地を掘る。
これが大仕事で、長さ7メートルの畝を、深さ30センチに掘るのにたっぷり1時間半ほどかかった。

実戦その1、穴掘り。深さ30センチほど掘った

表土はサクサクしていたが、少し掘ると石が出てくる。
しかも大きい石がある。

ガッテン農法では石も土のミネラル供給源として排除していないが、通気性の良い畝のためには多すぎる石は排除しなければならない。
畝堀りは石との格闘だった。

石が出てくる。同様な石の山が3つで来た

どうしても掘り出せない石が2つ残った。
深さ30センチほど掘ったときに、粘土層が出現。
これを耕盤層と判断し、掘削をストップ。
久しぶりに汗だくの畑作業となった。

耕盤層と思われる粘土層が出現

次の日、いよいよ畝完成までの作業をした。

教科書通りの資材を用意する。
まずススキ。
結構大量に必要なので、採取場所を探していた。
大門街道沿いにススキの群生場所があったので、5群ほどを鎌で切って、大きな一抱え分を採取した。

燻炭は、山小舎にたくさんあるので持って行った。

資材を集めるその1、ススキと燻炭

落ち葉は山小舎の周辺で、ミズナラの落ち葉を米袋2つ採取。
枯れた葉っぱを袋に詰めてゆくのは結構面倒だ。

糠は畑の集落の精米所でもらってきた。

最後に、教科書では醸造酢の希釈液とあったが、勝手にえひめAIの希釈液を使うことにした。

資材を集めるその2、落ち葉と糠
資材を集めるその3、醸造酢ならぬ えひめAI

耕盤層にスコップを入れて砕いた後、手順に沿って、資材を畝に投入してゆく。
穴掘りと異なり、仕上げの作業は気持ちよい。
不慣れな作業で、この日も結局1時間半ほどかかったが。

あとは春の植付の時期まで自然に任せるだけ。
掘り返した土が生き生きと力強く見えたのは気のせいだろうか。

実戦その2、砕いた耕盤層の上に、えひめAIと燻炭を撒く
実戦その3、ススキを並べる
実戦その4、落ち葉と糠を投入、さらに燻炭を入れる
実戦その5、深いところの土から戻しいれる
実戦その6、かまぼこ型に畝を整地して終了

ここまで、畝1本を作るのに丸二日。
計3時間ほどの力作業。

畑全体をガッテン農法の畝とするまで一体何年かかることやら。
とりあえず、フェンス付きの畑だけでも来シーズンまでにはやっつけたいと予定を立てる山小舎おじさんでした。

ガッテン農法講習会に参加

茅野のAコープのレジ外の掲示板に「ガッテン農法講習会」というビラが貼ってあった。
5時間の講習で、参加費6,500円と微妙に高額なのが気になったが、参加を申し込んだ。

三浦講師の著書「ガッテン農法」

畑を作って4年が終わった。
必ずしも順調にいっているわけではない。
安定した収穫をもたらすべく、畑づくりのキモを学びたい。
鹿などの食害防止についても知恵を得たい、との気持ちだった。

11月上旬のある日。
茅野市湖東の民家が会場だった。
講師はMOA農業の指導員という三浦氏。
湖東地区は山小屋から大門街道で茅野に下りたあたりのまあ近場。

MOAとは世界救世教のことで、戦前の神道系新興宗教の大本教から分派した教団。

定員30名というが果たして何人集まるのか?
山小舎おじさん1人だったらマンツーマンでじっくり学べるな、と思いながら、30分ほどかけて会場へ行くと、どんどん人が集まってくるではないか。
なんと遠くは岐阜県や横浜からも来ている。
女性が多く、参加者通しの知り合いも多いようだった。
三浦講師はこの世界では有名らしかった。

会場は湖東地区の移住者が住む民家だった

午前中は座学。
午後から実習の1日だった。

座学では、講師の三浦さんの経験に基づいた、土の話、植物の話、土(地球、自然)と植物の関係の話。

座学では絵を使って説明がされた

聞いていて、三浦さんが豊富な経験に基づいた農業者であることがわかる。
また、ただの農業者ではなく、その人ならではの世界に突入した稀有な人であるとわかる。

会ったことはないが、「奇跡のリンゴ」で有名になった木村秋則さんももこういう人なのではないか、と思った。
あるいは、マスコミ的には無名なままだが、各地、各時代に存在した、単なる篤農家を越える、名人と呼ばれる人はこういう感じなのかな、とも思った。

一般常識とされるものを突き抜けた世界に到達した人の境地は、一般民には理解不能で、マネしても結果を得られないもの。
我々が無農薬リンゴを作ろうとしてもできないし、不耕起・無肥料で野菜を作ろうとしても、自然農法の泰斗・福岡正信さんのようにはいかない。

とはいえ、先人、名人が到達した世界を想像、追体験し、少しでも自然の本当の姿を理解することによって、畑の世界を運営できるのであれば、是非そうしたい。

弁当持参だったが、サラダとスープ、玄米おにぎりが出た

午後からの実習は、稲わらを持って畑に出た。
なんでも三浦講師が2年ほど前にひらめいた、ネジネジ農法の実地講習だ。

土の団粒構造の実現、作土の下の耕盤層の解体、を日々考える中で考え付いたものだというネジネジ。
藁をねじって、それをねじり合わせて結んだもの。
これを畑に置くだけで、土は柔らかくなるという。

会場に展示されたネジネジの数々

藁で作ったネジネジを石を入れたバケツに置いて軽さを実感してみたり、胸に当てて深呼吸してみたりした。
なるほど、軽く感じるし、呼吸が軽くなるような気がする。

畑で実習

それから、ネジネジづくりの実習。
教えてもらいながら作ったネジネジはなぜか大切なものに思えて持って帰って山小舎の玄関に飾った。

それから、体がよく動くようになったのは気のせいだろうか。
何よりも、4年目の矢籠や生活に入り、体を動かすのが億劫だったのが、前向きな気持ちになったし、力仕事がはかどるようになった。

山小舎おじさん自作のネジネジ

山小舎おじさんもガッテン農法の信者になったのか?

玉ねぎを定植  ネットも張った

今年も11月。
来年の収穫に向けて玉ねぎの苗を定植しました。

鹿の通り道の畑と、フェンス付きの畑に分散して植えました。
計300本。

苦土石灰ともみ殻を撒いて畝立てし、えひめAIと鉄茶を撒いてからマルチングしました。
ポールで穴をあけた中に置くように苗を植えてゆきました。

玉ねぎの苗は定植前にえひめAIの希釈液に浸しておく
穴あきマルチを敷いてゆく
定植後の苗

鹿の通り道の畑には、玉ねぎの畝の周りにネットを張りました。
高さ2メートルのネットを10メートル分、農協で買ってきました。
2メートル40センチの支柱も5本買いました。

四つ角に支柱を立て、ネットを張ってゆきました。
ネットがたわまないように、5か所ほども支柱に結んでゆきました。
が、どうしてもネット自体の重さや、支柱の立て方の弱さなどにより、若干ネットはたわみます。
補強のために短めの支柱を追加で立てました。

まず四隅に支柱を立てる
支柱に結わえながらネットを巡らせてゆく

畝を2本囲うと、ネットの長さが10メートルでは足りなかったので、5メートル分買い足して囲いを閉じました。
囲いの中への出入り口の設定がまた一工夫必要でした。

開閉口も設定して囲いが完了。果たして来春まで持つか

そしてこの畑、2年目の終わりにして気が付いたのですが、10月を過ぎると日当たりが悪くなり、午前中しか日が足らなないのです。
もともと山陰の畑で、夏でも場所によっては日陰になることはわかっていたのですが・・・。

去年の玉ねぎの生育の遅さの理由がわかりました。
真冬の頃は一日中直射日光なしの中での生育となりましょう。

といってもほかに場所がないので、去年と同じ、それでも一番日当たりがいい場所に畝を立てましたが。

今年の作付けはこれで終了です。

畑の作業自体も、ヤーコン、里芋、長ネギ、大根などを収穫し終えたら、資材の撤去、ごみもやし、もみ殻投入、耕耘、して仕事仕舞いです。

ヤーコン、里芋を収穫 秋の空

10月下旬、ヤーコンと里芋を掘ってみました。

ヤーコンは株丈が思いっきり伸びています。
気持ちいいというか、猛々しいほどの勢いです。

掘り起こします。
粘土質の畑に食い込んだ芋は、掘り出すたびにぽきぽき折れます。
また、四方の土中に伸びた芋が、三又鍬の刃に当たって切れまくります。
サツマイモなどに比して柔らかなヤーコンの芋です。

鍬を入れてヤーコンの株を起こしてみたところ

とはいえこれほどの豊作は初めて。
全体の3分の1ほどの株を掘って、芋がコンテナの半分ほど採れました。
頑張った今年のヤーコンの株と、育んでくれた畑に感謝です。

思ったより豊作でした。割れた芋が目立ちます

茎も持って帰ります。
いちいち重く、固い茎と葉で、根の泥を払い、束ねるのが一仕事です。

持って帰った葉を乾燥させればヤーコン茶になります、が苦いのでほとんど自分では飲みませんので、今年はやめます。
その代わり、山小舎前の花壇や、ブルーベリーの根元に葉をつけたままの茎を置いてみます。
鹿よけになるのかどうか。

軽トラの荷台半分ほどを占めるヤーコンの茎と葉

収穫したヤーコンは家族が来た時にお土産でたっぷり持たせます。
スムージーの材料にぴったりなのです。

また、折れた芋は千切りにして生で食べます。
ほんのりと甘く、良質な糖質を持つスーパー食材です。

ショウガも一株掘ってみました

里芋は今年は不作。
日当たりの悪さと長雨が最後までたたりました。

掘り起こしてみると子芋は小型のままです。
人にあげられるような芋はできませんでした。

今年の里芋は親芋の周りにほとんど子芋がついていませんでした

親芋というのか、茎の根元のところは実がたっぷりあるので、自家用には味わえます。
うまく乾かして、かびないように、しなびないように保存して楽しみたいと思います。

それでも親芋、子芋を合わせてこの日はこれくらいの収量でした

10月下旬の畑の風景です。
季節が代わり日が傾いて、山の影が伸びています。
これからの季節、午前中しか日が当たらないような畑です。
越年作物はミョウガだけが生きています。
11月には玉ねぎを定植します。
一番日当たりがいい場所に植えることにします。

うちの畑は全部日陰になっています。まだ午後です。
傾いた日が、山の端から辛うじてのぞいています

「鉄茶」を仕込む

農家と畑愛好者のバイブル「現代農業」に、最近注目の記事が載った。

鉄と茶葉を水に入れて作った「鉄茶」を畑に散布すると、作物の生育がよくなり、果実の味がよくなるという。

この「鉄茶」は専門的には「タンニン鉄」と呼ばれるとのこと。
タンニン鉄とは鉄分とタンニンが結びついたもの。
そのままでは吸収されない鉄分が、タンニンと結びついてキレート化することによって植物に吸収されやすくなるという。

鉄分は、植物の葉緑素の合成に必要なミネラルとのこと。
また、鉄分が細胞内のミトコンドリアを活性化させ、エネルギー代謝が高まるため、植物が余った養分を果実の充実に回せる、とのこと。

早速、「鉄茶」を自作してみた。

20リットルのポリタンクを用意。
「現代農業」では鉄素材として、100均ショップで300円で売っている鋳物にフライパンを推薦していたので、買ってみたが、ポリタンクには入らない。
そこで山小舎を物色すると、あったあった、ドリルの先の錆びたやつなどなど。

茶葉は冷蔵庫にあった、水出し煎茶を数パック使った。

早速、ポリタンクに水を満たし、錆びドリルを入れ、煎茶パックを放り込んだ。

現代の畑の世界は、脈々と営まれてきた伝統的な畑づくりが、ひとつ前の世代で途切れるという稀有なタイミングを迎えています。

放棄された畑の土壌が、科学的・物理的に劣化していたり、排水・用水の構造が壊れていたりします。
野生動物との共存のバランスが崩れてしまっていることもあるでしょう。
農に関する職人的な知識・技能が途切れてしまっていることもあるでしょう。
放射性物質、化学物質などの汚染もあるでしょう。

その中で、素人でもできる、ささやかな一つの「対抗策」として「鉄茶」を使ってみようと思います。
最初は11月に定植する玉ねぎに使ってみます。

10月 畑の草刈り

令和2年も10月中盤になりました。

畑に残っている作物は、春からの里芋、ヤーコン、長ネギ、ホオズキ、えごま、唐辛子、ツルムラサキ。

ナス、トマト、ピーマン、シシトウが頑張って実をつけ続けてくれています。
だいぶんペースは落ちましたが。

それと夏に蒔いた、大根、レタス、白菜、キャベツが少しですが成長しています。
これが全部です。

ニンジンは発芽がわずかだったうえ、発芽しても鹿に食べられました。
サツマイモも全滅。
鹿よけテープの効果はありませんでした。
どさくさに紛れて、あしたば、ルバーブ、モロヘイヤも食べられました。

それはそうと、11月の畑じまいを前にして雑草が気になりました。
夏とは違う種類の雑草がしっかり畑を支配しています。
10月中に一度、もみ殻を入れて、えひめA1も投入して耕耘したいと思ったので、その前に草刈りすることにしました。

草刈りする前の畑

草刈り機で刈ってゆきます。
暑いときに生える、強力なイネ科の雑草はすでに刈ってあったので、生えているのは柔らかい雑草ばかりです。
草刈りははかどりました。

トンネルの間の部分から草苅開始!
草刈りをざっと敢行!

鹿よけのピンクテープで囲った、サツマイモが植わっていた畝も、囲いを撤去してきれいさっぱりと刈り払いました。

草刈り後の畑。写真のピンクテープもこの後撤去
草が替えた後、もみ殻を撒いて耕運機をかける予定

やはり畑は手を入れるときれいになります。
作物の管理にもやる気が出ます。

粘土質の土壌を少しでも野菜向けに改良しようと、10月中に一度耕耘したいと思います。
11月に入って最終収穫ののち、畑じまいにする予定です。

あっ、11月には玉ねぎの定植がありました。
玉ねぎ用の畝も用意しなければなりません。

9月の畑

8月以降の畑は、秋野菜の種まき、定植をしたほかは、夏野菜の収穫と管理が主な作業です。

草刈りをさぼるとたちまち生い茂る雑草
畑は一見、雑草の別天地に

秋作の様子

大根が発芽しています。不織布のトンネルが効いています
トンネル栽培の白菜

夏野菜の現状

モロヘイヤ。葉物はなかなか出荷のチャンスがありません・・・
食用ほおずき。今年も収穫期を迎えました

これから収穫期を迎える野菜たち

ヤーコン。久しぶりの雨のおかげで元気がよみがえりました
里芋。今年の生育は少しおとなしめ、です

動物の食害その後

サツマイモ。固い茎は鹿の好物。今年もやられました
落花生。順調に生育した後でやられました。鹿の足跡がついています
これはゲート越しに侵入した、ハクビシンか狸の仕業でしょうか。完食されたトウモロコシ

収穫・出荷状況

9月になってトウガラシを初収穫。今年はナスも収穫が続いています
トマトも頑張って実をつけ続けています。かぼちゃ初収穫です
食用ほおずき。東京のお客さんはどう反応するでしょう?

日照りの夏はおろおろ歩き・・・

日照りが続いています。
連日、標高800メートルほどにある最寄りのJA支所の寒暖計は、日中で33℃、34℃を示しています。
8月になってから雨らしい雨は(畑付近では)、なかったのではないでしょうか?

畑には、秋蒔きのニンジン、大根のほか、キャベツ、白菜、レタス。
収穫最終期に入った夏野菜、秋に収穫を迎えるかぼちゃ・芋類、落花生、ホオズキ、長ネギなどが植わっています。

土はカラカラで、畔を歩くと土ぼこりが舞います。
元田んぼだったこともあり、乾いた土が固まってしまっています。

おじさんは、日照りの畑をおろおろ歩くだけです。
風にも負け、雨にも負けているおじさんは、せめて日照りの夏におろおろ歩くことだけは、偉大な先人に近づけるのかな?と思っています。

ポリタンクに水を汲んで畑に向かいます

ニンジンの畝に水を撒きます。
まだ発芽はしていません。

不織布でマルチしたニンジンの畝に水やりします

同じく秋に定植したレタス、白菜に潅水します。
日照りでもトンネル栽培だと生育はいいようです。

不織布のトンネル栽培の白菜の苗

長ネギとヤーコンは鹿も好まないようで、無傷のまま収穫を待っています。
地元品種の松本一本ネギは瑞々しくて、抜いてからの日持ちが大変良いので生育に期待しています。

ネギは乾燥にも強く、頑張っています
ヤーコン。日差しに葉をヘタらせながら収穫期を待ちます
里芋。葉の生育はいまいちですが・・・

食用ほおずき、モロヘイヤ、えごまです。
それぞれシカの食害と日照りから、わが身を守って生きながらえており、おじさんとしては、頼もしい彼ら・彼女らに感謝至極です。

食用ほおずき。日照りのせいか生育がストップ気味です
エジプト原産のモロヘイヤは暑さが大好きです
エゴマ。露地栽培だと葉肉が厚くなりすぎてしまいます・・・

お盆と畑

令和2年のお盆もコロナのうちに終わりました。

梅雨の長雨の後には猛暑の季節が到来しました。
高度1300メートルの山小舎にも強烈な紫外線が降り注ぎ、高度700メートルの畑は近づくのもはばかられるほどのカンカン照り。
水が浮いていたような畑はいつの間にか、乾燥地帯の畑のようにカチンカチンになっています。

お盆で中5日ほどご無沙汰していた畑に向かいます。

鹿の餌場と化しつつある圃場では、順調に生育していた小豆がやられていました。
成長した葉先のみならず、実が入った鞘もきれいに食べられています。
さぞおいしかったでしょう。
鹿にとっては、夏場で新鮮な植物が不足気味になった季節に手軽につまむスナック代わりだったことでしょう。

小豆の惨状。葉と実がきれいに食べられています
小豆5畝が全滅です

落花生も半分ほどやられています。
この「半分」食べる、というのが曲者で、鹿はこれでやめるのではなく、安全を確認し、味をしめます。
こうして味を覚えた植物については、なくなるまで食べつくすのです。

落花生も半減していました。残りの株を鹿よけテープで囲います

山小舎おじさんの畑で鹿は、ジャガイモ、小豆、サツマイモ、枝豆、落花生、セロリなどの味を覚えました。
否、餌付けをしてしまいました。

手を出さないのは、里芋、ヤーコン、長ねぎ、です。
苦かったり、刺激のある植物は苦手のようです。

鹿の食害防止には、柵による物理的防御と駆除しかないというのが、世の中の結論です。
来年に向けては、最低限度の柵を設けつつ、鹿が嫌がる策を施し、餌場という認識を改めさせる、という風にする予定です。
どうなることやら・・・。

この地域はまだ鹿とハクビシンなど程度の食害で済んでいますが、これにイノシシ、サルが加わるともうお手上げです。
現にそれらの食害に見舞われている地方では、入植者の離農などが問題化しているそうです。

本来は人間と棲み分けていたはずの野生動物による食害に、「世の中のせちがらさ、余裕のなさ」を感じるのは山小舎おじさんだけでしょうか。
これが動物相手だけならまだ「牧歌的」ですが、人間による盗難を心配しなければいけない時代になったとしたら・・・それは「殺伐」そのものです。
そうならないことを祈りつつ・・・。

鹿の通路ではない方の圃場の様子です。

夏空の元、トウモロコシが収穫間近です
地元品種の丸ナス。自根の苗ですがよく育ちました
おかげさまでピーマンも鈴なりです。雨が少ないので実の肥大が進みませんが
トマトがよく獲れました。出荷できない実は煮てトマトソースにします
地元野菜の丸ナスと長ナスもこの日は大収穫です
この日、トウモロコシを初収穫


畑はまた、虫などの宝庫でもあります。

まだ子供のカマキリが収穫したトマトにくっついてきました
キリギリスのメス。草刈り機に追われて逃げたところを捕まえました