諏訪大社上社の奥宮にしてご神体、依り代ともいわれる守屋山に上ってきました。
雨上りの翌日。
茅野へ下りて杖突街道を上がります。
杖突峠の展望台を過ぎ、伊那市に入ってすぐ、守屋山への登山口があります。
この日、登山口の駐車場にダンプが集まって道路工事の準備をしていました。
軽トラで乗り付けた山小舎おじさんがおろおろしていると、あとから来た電設会社の車が山道を上り始めました。
登山道の途中のキャンプ場までは車道があることを聞いていた山小舎おじさんは、電設会社の車の後をついてゆくことにしました。
雨水に掘られた後も生々しい砂利道を時速10キロくらいで登ってゆくと、メガソーラーというのでしょうか、斜面一面にソーラーパネルが張り巡らされ、送電施設が併設された場所で、電設会社の車は止まりました。
登山道は続いています。
山すその気配も濃厚になった頃、キャンプ場に着きました。
車が通行できる林道はここまで。
軽トラを止めてキャンプ場経由、登山道へ入ってゆきます。
駐車場から歩いてきたという中高年の男女3人組が小休止していました。
ここから約1時間。
雨に濡れた粘土質の道を上ってゆきました。
いつも思うのですが長野県の山道(登山道、車道を問はず)は、少々の斜度であれば直線的に上ってゆく傾向があるのです。
蓼科山もそうでした。
山を巻いてゆっくり上るよりは、脚力を頼みに駆け上ることを信条としているのかもしれません。
さすが山に囲まれた歴史を持つ信州の土地柄です。
湿っている道は、粘土の地面より木の根に注意します。
湿った木の根を踏ん張るとツルっと滑ってしまうのです。
肌寒い気温でしたが汗だくになります。
久しぶりの山歩きは全身運動で非常に体に良いのですが、体内が一巡してスッキリするまではひたすら汗と熱気が放出されてゆきます。
呼吸も荒くなります。
山頂の奥宮への参拝を楽しみに上ります。
守屋山東峰は標高1631メートル。
360度のパノラマで、八ヶ岳から諏訪湖、南アルプスまでが一望できます。
山頂は今までの湿気と肌寒さが嘘のように晴れ渡っていました。
奥宮は西峰方面へ少し下がったところにありました。
守屋神社とあります。
氏子総代として守屋姓の名前が記されています。
かつて雨乞いのために山頂からけり落されていたという祠と、現在の石の祠は違うもののようです。
付近にはやはりというか、諏訪のご神体である「石」の一団が配置されていました。
山頂には平日にもかかわらず、登山客が入れ替わり現れていました。
いくつものルートがある守屋山は地元のハイカーにとって親しみやすい山のようでした。
登山道は特色もないのですが、頂上に立った時のすがすがしさと、信州中部の山々を一望できる眺めは素晴らしいものがありました。
諏訪大社の奥宮としてこれ以上のない立地だと思いました。
山を下り、伊那方面へ下りました。
いつもの杖突街道ルートではなく、千代田湖畔を通るルートを走ってみました。
伊那市へ下りてから車を置いて久しぶりに街中を歩いてみました。
いつも思うのですが、伊那市はどこかとぼけたような、明るさのある、味のある街だなと思いました。
歩く場所は毎回同じようなところになってしまいます。
街角には、1年や2年では変わらないような歴史のしぶとさがにじみ出ていますが、それでも昨今の「緊急事態」にダメージを被った感も少し見えたような気がします。
変わらずに頑張ってほしいのですが。
南箕輪村を通って帰ります。
南箕輪村ではいつも直売所によります。
ブドウ、リンゴの季節です。
今年はマツタケが豊作で値段も安いとのことでたくさん出ていました。
自宅のお土産にたくさん仕入れました。