りんごのコンポート

りんごの季節になりました。
今は11月、フジが出始めました。
これでりんごの全品種が出そろいました。

8月に早生の新物が出始めて以降、11月にフジが出るまでの間、紅玉、秋映、シナノスイート、シナノゴールド、名月といった品種が続きました。

各地の直売所に寄った際には、この季節、どうしてもりんごを買ってしまいます。
須坂の臥竜公園に行ったときには、公園内の園芸屋の無人販売で、フジ、シナノゴールドの大玉が3個入り一袋が300円で売っていました。
りんごの産地信州でも激安の値段です、生食用としては。

須坂の臥竜公園で買ったりんご。一袋300円

例年、ジャムとチャツネの材料として活用するりんご。

今年はコンポートにしてみようと思いました。
コンポートなら、寒天の添え物として、アップルパイの材料として喜ばれると思ったからです。
また、ジャムなどより手間がかからずできそうな気がしました。

りんごを4つに割って芯をとります。
皮をむいて、3つから4つに割ります。
それを砂糖で煮てゆきます。

焦げないよう、鍋に少し水を入れてストーブにかけます。
りんごが透明になるまで煮ますが、結構時間がかかりました。
同時に保存瓶を煮沸消毒しておきます。

砂糖はザラメと白砂糖を半々で
少し水を足してストーブで、リンゴが透明になるまで煮る

コンポートというからには、シロップを別に用意する予定でしたが、煮汁を込みで瓶に詰めるとちょうど良い分量になりました。

りんご大玉6個でちょうど良い分量だった

フジの大玉6個で、大中各1本のコンポートができました。
東京の皆さんに喜んでもらえるでしょうか。

ハックルベリージャム

畑で収穫したばかりのハックルベリーでジャムを作りました。
毎年恒例です。

栽培したのはガーデンハックルベリーという品種。
ベリー類ではなくナス科の植物です。
アクが強いので生食は不向き、ジャムなどに加工します。
ポリフェノールの含有量はブルーベリーより多いといわれています。

信州に来てから、直売所などで初めて見る野菜に驚きました。
夕顔、ナツメ、青いトマト、ナスの葉、巨大ズッキーニ、食用ほおずき、など。
その一つにガーデンハックルベリーがありました。
購入したときにレジのおばさんから「生じゃ食べられませんよ」と念を押されたのを覚えています。
袋には説明書が入っておりその通りにジャムに煮て食べました。

次の年からは苗を買って栽培しています。
夏の暑さと乾きには弱いのですが、寒さに強く、11月になっても枯れない印象があります。

さて、収穫した実を加工しましょう。
まずはあく抜きです。

収穫して洗ったハックルベリー

実が硬いので時間をかけて茹でこぼします。
紫のゆで汁になったらあく抜き完了です。

茹でこぼしてあく抜き

次いで、砂糖とレモン汁を入れて煮ます。
煮ていても実崩れしません。
汁がとろりとし、実が柔らかくなったら出来上がりです。

畑のハックルベリーは結実から時間が経過していたので種ができており、煮汁の中に細かな種がこぼれ出ていました。
もちろんこれでOKです。

砂糖を投入
火にかけてあく抜き
煮詰まってきた
並行して保存瓶を煮沸消毒
瓶に密封して出来上がり

1年分のポリフェノールを摂取しましょう。

スペアリブ

山小屋の自炊料理の紹介です。

家族や、孫たちが来訪するときに準備する料理にスペアリブがあります。

スペアリブは豚のアバラ肉のこと。
漬け込んだスペアリブをバーベキューで焼いたりします。

山小舎ではスペアリブ肉を煮込みます。
よく煮込むと、味が染み込んだ肉がホロホロと骨から外れる絶妙な一品となります。

茅野のAコープでスペアリブのパックが売られています。
ここで売られている信州豚は、例えば肩ロースをスライスして炭火焼きにしたり、バラブロックを角煮にしたりすると絶妙なのです。

買ってきたスペアリブをニンニクを転がした油で焼き付けます。
外側が焦げるくらいに。
にんにくは焦げるので取り出しながら。

焼いた後の油とニンニクごと、スペアリブを、ひたひたより少なめの水とともに鍋に入れ煮込み開始です。

鍋を火にかけると同時に調味料を投入です。

赤ワイン、しょうゆ、チャツネ、焼き肉のたれ、黒コショー、塩麴、ケチャップ、セロリなど思いつく西洋煮込み料理の調味料を投げ込みます。
コクを出すため牛乳かヨーグルトも入れてみましょう。
隠し味の味噌もいいかもしれません。

調味料を投入しつつ煮込み開始!

山小舎独自の調味料としては、スペアリブによく合う柑橘系のジャム(マーマレードなどのジャム)と、玉ねぎのすりおろしが欠かせません。
トマトとともに、玉ねぎは西洋系料理のダシとして欠かせないのです。

おもむろに玉ねぎのすりおろしを投入

肉本体から出るダシ、玉ねぎとトマトから出るダシ、しょうゆなど発酵系調味料の味、これらが混然一体となって鍋中で踊り狂います。

アクと浮いた油を取り乍らストーブで3時間ほど煮込みます。

この後は翌朝まで涼しい場所(夏場は冷蔵庫)で鍋ごと休ませます。
翌朝は一面に白く浮いた油をスプーンなどで取り除き、鍋を再びストーブに載せます。

しばらく煮込んで油が浮いた状態。このまま冷まし油を除去する

これを3日ほど繰り返すと、汁が煮詰まり、肉はホロホロのスペアリブ煮込みの出来上がりです。

肉が崩れるので鍋のまま温め、慎重に大皿に移してサーブします。

出来上がったスペアリブの煮込み

孫たちにも好評のスペアリブの出来上がりです。

しその実の塩漬け

畑のしその実を採取し、塩漬けにしました。

酷暑を乗り切って今年も実をつけたシソたち。
収穫が遅れるとせっかくの実が硬くて食べられなくなります。
風雪に耐えたの武士のように枯れながら雑草の中に突っ立っているシソ。

茎ごと切って収穫し、実をこそげ取ります。
先端から根元に向かって指でこそげると実はきれいに取れます。

実をきれいに洗い、アクを取ります。
アクの取り方は1日水に漬けるか、熱湯でゆでこぼすかです。
風味が残るというので1日水に漬けることにしました。

しその実を洗う
洗いながら実以外のものを取り除く
1日水に漬けたシソの実
水気を切り分量の塩をまぶす

時々取り換えた水に1日つけたシソを塩漬けにします。
塩をまぶして重しをかけてもいいのですが、今年は、分量の塩でもんで保存袋に入れ冷蔵する方法にしました。

袋に入れて冷蔵保存する

ごはんにかけてよし、しょうゆを加えても良し。重宝な保存食ができました。

今年の干し芋

秋は食品加工のシーズンです。

初夏から夏にかけては果物や夏野菜をジャムやシロップ漬けにするシーズンでした。
秋になると果物の種類は減って、代わりに芋類、根菜類、豆類などが出回ってきます。
種を利用する野菜もあります。
これらを乾燥させてりして保存する季節の始まりです。

ヘチマたわしに続く、秋の加工シーズン第二弾として、干芋を作りました。

山小舎おじさんの畑では今年はサツマイモを作付けしませんでした。
最初の年の豊作以来、サツマイモは不作なのです。
植え付けの時期の乾燥や、ツルが伸び始めたときの獣害などがあり、ほとんど収穫に至らない年が続きました。
サツマイモに手をかける余力もなく、今年は作付けをあきらめていました。

秋を迎え、直売所に地元産のサツマイモが並び始めました。
大きめで丸く厚みのあるものをチョイスします。

洗った後、ストーブにかけた蒸し器に並べ時間をかけて加熱します。

蒸しあがったのを確認して、皮をむき、スライスします。
軍手を使って作業すると芋が熱くても大丈夫です。
ピラーに皮が詰まって、皮むきに手間がかかるのが欠点です。

干しはじめ直後の芋たち

スライスした芋をザルに並べて、夜はストーブのそばに、天気の良い日中はお日様のもとで乾かします。

今年の芋は、中心部が白っぽく出来上がるのが半分近くありました。
干芋本来のねっとりした出来上がりを期待した山小屋おじさんは少々がっかり。

ほぼ干しあがった芋たち。真ん中が白いものが目立つ

思えば、蒸しあがりをスライスしている時点で芋の中心部が透明感がなく、ボソボソしていたものがありました。
芋のせいなのか、蒸し時間が足りなかったのか、あるいは複合的な理由で芋の糖化がうまくいかなかったのかわかりません。

そういった芋は干した後も、白っぽくボソボソした出来上がりになりました。
もちろん食べられますが、期待した出来上がりではありません。

まだまだ秋は続きます。
再トライしたいと思います。

加工用の梨

直売所で加工用として売っている梨を一袋入手しました。
小型の梨が11個入って300円です。

品種は秋水。
確かに小さく、形が悪く、熟れてもいず・・・でスーパーはおろか無人スタンドにも出荷できないような実です。
それでも梨は梨。
加工すれば十分食べられるはず。

実はこういったB品が大量に安く入手できるのが生産地に近い田舎の良いところ。
近年高価な果実の旬の風味を、ジャムやコンポートの姿で保存できるチャンスなのです。
ジャムの原料に生で美味しいA品はいりません、何より高価です。

実は、田舎の直売所には、季節によっては、青いトマト(漬物にする)、採り遅れた巨大なズッキーニ(料理すれば食味は同じ)なども売っており、スーパーでは見かけない食材の宝庫でもあるのです。

というわけで梨を加工します。
7個をコンポートに、4個をジャムにします。

コンポート用の梨は切って剥いた後、実だけを少量の水を加え砂糖で煮ます。
透明になり砂糖が染み込むまで。
そのあとシロップ液に入れ加熱して出来上がりです。

ジャム用の梨は、さいの目に切ったものにおろした梨を加えて砂糖で煮ます。
とろみが出たら出来上がりです。
この作り方はネットで見て覚えました。

11個あった梨も加工するとぐんと量が減ります。
コンポートが中瓶と小瓶に各1個。
ジャムが小瓶一つでした。

今年の梨の風味も無事保存できました。

ゆかりを作る

赤シソが出回っています。
かつて一度作ったことがある、ゆかりふりかけを作ることにしました。

ゆかりとは塩漬けした赤シソを干して砕いたふりかけで、特有の風味がごはんに合って食欲をそそります。

作り方は梅干を漬けるときに使う赤しそを取り出して干すのですが、今年は梅干は漬けていません。
ネットで調べて生の赤しそを使うやりかたを調べました。

赤しそは直売所で買ってきました。
一袋100円のものを3袋です。

葉の部分を軸から外します。
葉の重さをはかると150グラムありました。

葉をよく洗います。

次いで分量の半分の塩で葉を揉みます。
たちまち葉はしぼんでアクが出てきます。
しばらく揉んで葉が手で固められるようになったら固く絞ってアクを切ります。

赤しその重量の15%の塩を量る
分量半分の塩でもんでアクを出す

固まった葉に残りの塩を入れて再び揉みます。
最初はなかなかほぐれませんが、しばらく揉んでいると水気とアクが出てきます。
これを再び固く絞ってアク出しと塩揉みの完了です。

2回目は残りの塩で再び揉む

ここに分量の酢を加えます。
梅酢があればいいのですがなければ普通の酢でいいようです。
貯蔵してある梅干の液に市販の酢を合わせて加えました。
固く絞った赤しそに馴染みずらいのですが、よく揉みこんで酢を全体にいきわたらせます。

アクを切った赤しそに酢を加える

この後は天日干しです。
細かくほぐしてザルに載せお日様の下へ。
一日乾かします。

ザルに広げて干す

9月の日差しでは一日でパリッとは乾かず、柔らかさが残ります。
金属のざるにあけ、鍋をかませて薪ストーブの上へ。
パリッと乾かし砕いて保存袋に入れ冷蔵庫で保存します。

一日天日干し。その後パリッと仕上げて砕く

このふりかけが好きな孫も大喜びです。

ネクタリンの季節

さあ、夏の果物が最盛期になってきました。

近隣の直売所の棚を見るまでもなく、プルーン、ブルーベリー、スモモ、桃、ワッサー、ネクタリンなどが花盛りです。

この時期の果物にネクタリンがあります。
皮に毛のない桃のような形状。
つやのある赤い表皮が盛りをアピールしています。
この時期になると食べたくなります。

大粒の完熟ネクタリン

桃の変種とのことで、長野県が全国の70%を生産しているとか。

直売所でひと箱買ってきました。
大型の完熟が8個くらい入って1200円でした。

御盆にやってくる娘一家のデザート用に、と思いましたが、生食用には多すぎます。
ほかにプルーンやワッサーなども食べさせたいし。
また、熟しが進んでいるようなので硬めの2個を残し、ジャムにすることにしました。

皮と一緒に煮込みます。
実が柔らかい割には煮崩れがしません。

ジャムにするとカサが減ります。
風味とともに信州の夏を閉じ込めます。

今年はあんずから始まって、プルーン、ブルーベリー、スモモ、桃と季節の果実の加工が順調です。

独特の色合いに仕上がりました

かんぴょう干し

山小舎おじさんの畑では夕顔の実がぶら下がっています。
一つ収穫してきました。
例年なら冬瓜代わりに煮て食べるか、それともズッキーニ代わりに炒めるか。

今年は新規開拓でかんぴょうにしてみようと思いました。

ネットで調べます。
1センチ幅に輪切りして皮を厚めに剥き、中身を桂剥きにしていました。

早速、巨大夕顔に立ち向かうことにします。

夕顔、今年の一番果

1センチ幅の輪切り。
これは問題なくできます。

1センチ幅に輪切り

皮を厚めに剥く。
これもできました。

皮を厚めに剥く

中味の桂剥き。
これが難しい。

夕顔の輪切りというのは、芯がふわふわなので、大根と異なり、1センチ幅の輪切りにはそもそも強度がないのです。
桂剥きしようにも非常にやりずらい!
仕方なく厚めに桂剥きするのですが、それでもぼつぼつに切れてしまう。
ピラーでやってみましたが、輪切りそのものに強度がないうえに、手元のピラーでは薄くなりすぎてしまいます。

桂剥きの成果?
残った芯の部分はやむなく廃棄

ぼつぼつでもいいから、と作業を続行。
大きな夕顔からは少なすぎるかんぴょう素材が採れました。

ネットの通りに一晩冷蔵庫で乾燥。
翌日天日干しにしました。

果たしてどうなるやら。

天日干し。辛うじてぶら下げられる部分
天日干し。ブツブツに切れた部分

1年分の桃を煮る

高遠、伊那方面へ行った帰り、いつものように南箕輪町の直売所・あじーなへ寄りました。
初夏を迎えた南箕輪町の直売所ではさぞかし夏野菜や果実で花盛りだろうと思ったからです。

特に、あじーなは地域の産物の出荷量がよく、値段も手ごろな印象があります。

この日もありました。
季節の桃が。

あまり知られてはいませんが、長野県は桃の生産量が全国トップクラスです。
桃に限らず、ネクタリン、ワッサーなど関連品種も多く出回ります。

白桃は、山梨県産ほどの大きさや甘さはないかもしれませんが、普段食べる分あるいは加工用には十分です。
また、直売所にはよく、自家用のB品が売られており、加工用の品を探すことができます。

この日あじーなで見つけたのは、中型の桃がひと箱(22から24個入り)で1400円ほどのもの。
大型の贈答用なら4000円でしたから、これはお買い得です。

あじーなで購入した桃

勝った翌日、さっそく加工をしました。

まずは砂糖を煮溶かしてシロップを作ります。
そして桃をむいてカットしてゆきます。
選ぶのは硬めの桃。
コンポートをつくるのです。

シロップで桃を煮る

箱の半分くらいの桃を使ってコンポートにします。
カットした桃をシロップに入れて、煮崩れないように加熱。
消毒した瓶に詰めて煮沸して出来上がりです。

コンポートが3本完成

残りの柔らかめの桃はジャムにします。
コンポートで使ったシロップの残りに桃の乱切りを投入。
しばらくストーブにかけておきます。

なかなか煮崩れしなかった桃ですが、果肉が残ったジャムになりました。
余りを試食すると、思ったより風味が残るジャムでした。

今年も夏の恵みを保存できました。

左からジャム3本、コンポート3本