軽トラ流れ旅 新蕎麦と穂高神社

穂高神社へお札を返しに行ってきました。
その途中に築北村のそば処さかいに寄ってみます。

麻8時に出ます。
青木村への道をまっすぐ。
道の駅青木に着いたのは10時前、時間があるので寄ってみます。
野菜やおやきを買いました。
秋の味覚が真っ盛りの直売所です。
マツタケは売切れていました。

修那羅山の麓を通って築北村へ。
坂井地区の直売所の駐車場へ入ります。
法被を着た地区のおじさんたちが場内整理をしています。
テントが幾張か建てられ、芋煮などの鍋が煮えており、地元の女の子が紙の深皿によそってもらっています。
地区の秋のイベントが開かれているようでした。

筑北村坂井地区の収穫祭会場
テントでは芋煮が

先ずは念願のそば処へ。
11時開店のはずがもうやっていました。
初めての入店です。

蕎麦処さかい

内部は思ったよりも広く、板の間のほかに座敷もあります。
小さめの旅館のような造りです。
メニューを見ると新蕎麦が出ているとのこと。
キノコのつけ蕎麦の大盛を頼みました。

さかいの店内
新蕎麦が特別価格で

出てきたそばを一口すすって「あれっ」と思いました。
冷たい蕎麦を温かい丼の汁につけて食べる蕎麦です。
汁にはどっさりとキノコが入っています、ぜいたくです。
しかし、口に持ってゆくと熱くもなく、冷たくもない蕎麦が、中途半端な味の汁をまとっているようにしか感じられないのです。

熱い掛けそばは好きです。
冷たい蕎麦を濃い出汁につけてすするのも好きです。
味付けは関東風にこだわりません。
しかし今回のそばはどのジャンルにも属さないのです。
ぬるい付け蕎麦というのがどうにも性に合いません。
10時半の時刻でまだ腹が減っていなかったのかもしれません。
しかし新蕎麦です。
ありがたくいただきました。
店内は、11時前ながらほぼ満席でした。

キノコつけ蕎麦大盛

そば処を出て隣の直売所へ。
秋野菜のほか、新米もたっぷり出ています。
地方の直売所は本当に豊かです。
大根、長ネギなどをチョイス、地元産の干蕎麦も買いました。

直売所

坂井地区を出て国道467号線へ。
ここは聖高原と安曇野の明科を結ぶ西街道と呼ばれる道です。
松本と長野を結ぶJR篠ノ井線に沿って走ります。

途中の聖高原駅に立ち寄ってみました。
篠ノ井線の駅です。
かつては麻績駅といったそうです。
駅は無人駅ではありませんでした。

駅前には食堂などの商店街の跡がありますが、開いている店は若い人がやっているのであろう、ベーカリー・カフェが1軒だけでした。
むしろこんな場所でも店をやろうという人に、いい意味で感心しました。

篠ノ井線聖高原駅
駅前の現状

麻績から明科にかけての西街道沿いは、里山集落の景色や、岩盤の露呈、さらには篠ノ井線のトンネル開通に伴う廃線の景色が見られる興味深い街道筋となっています。
廃線跡はいずれ見たいですね。

明科で国道19号線に下ります。
塩尻から松本を経由して信州新町、長野市に至る主要国道です。
交通量が格段に増えます。
そこから穂高神社を目指します。
今回の旅の目的の一つ、穂高神社のお札納です。

穂高神社の駐車場ではトンボの群れが出迎えてくれました。
いつ来てもゆったりした温かさに包まれる境内です。
参拝の後、お札売り場で巫女さんに納める場所を確認し、新しいお札を頂きます。
返すお札が袋に入っているのを見た巫女さんが「この袋は取ってもらって結構です」とアドバイスしてくれました。境内では鶏(神様のお使い)がいなくなったままだとのことでした。

穂高神社
本殿で祈祷する巫女さん
神楽殿では催し物の後かたずけ中
ドーナツの出店。おいしかった

境内では縁日なのか、食品やフラフト類の出店が花盛りでした。
見て歩くと、サーターアンダギーのような揚げドーナツを売っている店があったので二つ買いました。
黄な粉やココナツなどお好みのトッピングを振りかけてくれるといううれしいサービス付きでした。

この後は、道の駅で買い物。
北アルプス牧場でソフトクリーム。
穂高温泉・シャクナゲの湯でひとっ風呂。
と安曇野でのゴールデンタイムを満喫。
まだ遠い帰路を帰りました。

北アルプス牧場でソフトクリーム
穂高温泉しゃくなげの湯

新米と布施温泉

新米の季節です。
山小舎から下った麓はお米の産地。
佐久方面に下ると、浅科地区の五郎兵衛米をはじめ、地域自慢の銘柄米が覇を競う米産地方になります。

かつては、この地方は蓼科山の湧水に恵まれた場所でしたが、春先は湧水の水温が低く、稲作には適さなかったそうです。
江戸時代に地元の五郎兵衛さんという人が、用水路を工夫して冷たい湧水を日光で温める方法を編み出し、水田が盛んになったとのことです。

五郎兵衛米産地の真っただ中、道の駅ホットパーク浅科へ新米を買いにゆきました。
去年の夏ころは、いつ行ってもお米が品切れだった県内の直売所や道の駅ですが、銘柄米の値段が高止まりし、コメの需要も一巡したからなのかどうなのか、新米の季節になった今、五郎兵衛米の新米がたっぷり売れ残っていました。
値段は5キロで4800円もしましたが。

道の駅浅科ホットパーク、直売所
五郎兵衛米の新米がズラリ

ホットパークでランチです。
ここで食べるのは初めてです。
浅間山を遠望しながらの大ロケーションです。

道の駅の食堂テラスより浅間山方面を望む
名物味噌カツ丼を賞味

浅科までくると、望月をはじめ、春日、立科などの地区が帰り道です。
望月農協をはじめ、地元スーパーの越後屋、直売所菜ないろ畑、春日のチーズラボ、望月のOKブレッドなど、魅力的な購買所が目白押しです。

この日は布施温泉によってみることにしました。
夏に山小舎へやってきた5人の学友が立寄ってきた温泉とのこと。
初めて行ってみます。

布施温泉を目指す
沿道はハザ架けの風景が

今どきはよくある感じの田舎の立寄り湯。
立派な建物と、周りの庭園です。
食堂もついている地域のスーパー銭湯的な施設です。
入浴料500円は今時では良心的な方かもしれません。
入浴客は地元の高齢者オンリー、平日の割には混んでいました。

布施温泉
正面玄関

久しぶりの温泉に身も心もほっこり、ゆったりした、ある日の午後でした。

モミの木オイルとネパールカレー

長野日報に載っていた『地元産モミの木から作った精油』を求めて、出荷先の諏訪大社本宮東参道のカフェを訪れたけれど、発売開始が翌日からだったり、再度訪問の際にはカフェが定休日だったりの話は、本ブログでお伝えした通りです。

10月に入ったばかりの金曜日に、気になっていたモミの木精油を追い求め、改めてカフェを訪れました。
カフェは開店していました。

本宮東参道のカフェ

店には若いマスターが一人、愛想のよかったママさんは不在、客はいません。
マスターに確認すると、モミ精油は販売されていました。

モミの木を蒸留したエッセンシャルオイルとそのオイルを水で割ったウオーターの2種類が主な製品です。
値段はスプレー瓶が2000円、ミニボトルが600円。
それぞれテイステイングができます。
手首にスプレーして匂いを嗅ぐと、鮮烈な木の香りが頭の底まで響きます。
精気漂う深山の森に連れていかれたようです。

オイルとディフューザー(オイルを数滴たらして部屋につるすなどの道具)のセットを購入しました。
都会で暮らす山小舎おばさんへのプレゼントです。

モミの木エッセンシャルとディフューザーのセット、1200円

店内には県内のニッチな産物がプレゼンされています。
竹炭があったり、アカマツのエッセンシャルがあったり、黒曜石やコケをレイアウトした置物なども。
それぞれ、生産者がいたりデザイナーがいるとのことでした。
山小舎には黒曜石はたっぷりあるので、空気の浄化用?に竹炭を一袋求めてみました。

モミの木精油製品

併せて諏訪大社の歴史を学べることもこのカフェのテーマの一つ。
関連本がずらりと並び、大社の古地図の複製が展示されたりしています。

マスターと大社について雑談しつつ、コーヒーを頼みました。
小型の焙煎用具で炒って淹れる『本日のおすすめ』コーヒーは飲みやすく飽きの来ない味でした。

カフェで一服

マスターに神長官守矢家のことを聞きました。
『当代の守矢早苗さん(独身)がなくなると断絶だね』というと『跡継ぎがいるそうですよ』とのこと。
適格者がいれば養子をとって歴史をつないできた神職の家系にはそういう手があったのですね。
ただミシャクジを下ろす呪文(口伝)については、現当主の祖父の代を最後に、伝承が途切れているそうです。

カフェ内部
カフェにはいろいろな情報のパネルが

マスターに昼食のおすすめ店と、立寄り湯の情報を聞きました。
美味しいカレー屋が近くにあるというので寄ってみました。

東参道から大社方面へ歩き右折、表参道と並行して進む道沿いの民家が目指すネパールカレー店でした。
民家に似つかわしくない旗がひらめいています。
恐る恐る入ると玄関は古民家風です。
靴を脱いで上がる店内は畳敷きの部屋にテーブルが10席ほど、すでに数組が飲食中です。
チャイを頼んで読書をする若者もいます。

民家を再利用したネパールカレー店
入口
築100年の玄関内部

オーナーらしき女性がオーダーを取りに来ました。
チキンダルバードを頼みます。
チキンカレー、インデイアカ米、ダルスープ、ヨーグルトに副菜が数種類付いた定食です。
ご飯とダルスープはお替り自由とのこと。

チキンダルバート1300円
店内にはネパールグッズも

店内にはネパール人の男女も数名働いていました。
カレーとダルスープは上等。
インデイアカ米はやや硬い炊きあがりに感じました。
一度お替りして満腹、満足しました。
立寄り湯には寄らずに買い物して帰りました。

(おまけ) ネパールでのカレーの思い出など

1981年の4月から5月にかけて1か月ほどネパールにいたことがあります。
カトマンズでは地元の定食屋に出入りしました。

ネパールには、チベット料理の流れを汲む麺やギョーザ(モモ)、水牛料理などもありますが、一般的に食べられるのはダルバードと呼ばれるカレー定食です。
これはインドとも共通します。
人々はこれを右手の指で上手に食べます。
外人客にはスプーンを出してくれます。

給仕はカンチャと呼ばれる少年が行っており、呼ぶとごはんやカレーのお替りをよそってくれます。
客は食べたいだけお替りし、いらなくなると途中でも(ご飯などが残っていても)食べるのをやめて立ち上がります。

カレーの具はチキンが多かったように記憶しますが、日本で食べるネパールカレーのように肉がゴロゴロ入ったカレーは(ホテルのレストランでもなければ)出てきません。
屋台でマトンカレーを頼んだことがありましたが、骨とそこにへばり付いたスジが入っていました。
また、庶民的食堂や屋台では、具が一種類だけのことが多く、玉ねぎだけ、ジャガイモだけのカレーが一般的で、肉のダシが効いたコクのある味のカレーは食べたことがありませんでした。

定食屋でトイレに行くと、隣でカンチャが人懐っこい笑顔で食器を洗っていました。
インド、ネパールでは、生まれながらに井戸水で鍛えられた昭和の日本人でも、あっという間に腹が下ったのでした。

ある時、カトマンズ近くのバス停脇の屋台でドーナツ状の揚げパンを食べていました。
視線を感じるので振り向くと、祖母らしき老婦人に連れそった少年が半分口を開けて恨めしそうにこちらを見ていま。
少年は、屋台のテーブル席を独占して賑やかにふるまう白人グループのお大尽ぶりには眼もくれず、ぼそぼそと揚げパン1個をほおばる日本人の口元のみをひもじそうに見ています
思わず揚げパンをほおばる日本人の口も半開きのままで停止しました。

しかしながらここで少年と揚げパンを共有した(少年に揚げパンを恵んだとして)、その後の展開はインド、ネパールを旅してきた日本人にとって容易に想像がつきます。
同伴の老婆(のみならず周りの人も)が、わたしにもくれと要求してくるのです。
ただ間近でこちらを眺める少年の無心な目には、擦れてきた旅人の日本人も負けました。

揚げパンの食べかけの部分を手折ると残りを少年に贈呈し、その後に起こるであろう事態に対処するため、急いで立ち上がって逃げるように移動しました。
その刹那、テキもさる者、私にもくれと唇に指を当てて迫る老婆の姿が目の隅にありました。

「葡萄の国」小布施

北信地方の小布施は、県内の町おこしの成功例として知られます。
葛飾北斎ゆかりの地として寺院にその絵が残り、秋には栗の産地として有名。
休日ともなると全国から観光客が押し寄せ、広くない町内の和菓子屋、蕎麦屋に並びます。
また、ここは隣の須坂などと並んで葡萄の名産地としても名をはせています。

そのことを知ったのは、前年に家族とともに小布施の道の駅に寄った秋の日のこと。
休日の道の駅は駐車場も満車になるくらいの人が押し寄せ、農産物の直売所には葡萄を中心とした秋の農産物で文字通り溢れんばかりの豊作ぶりを目の当たりにしたからです。

その時に買って帰った葡萄の味が忘れられず、家族ともども、小布施の葡萄は美味しいと評判でした。
今年も葡萄の季節となりました。
小布施の道の駅の盛況ぶりが目に浮かびます。
9月のお彼岸を過ぎた日曜日、軽トラを駆って長駆、小布施を目指しました。

8時に山小舎を出発。
真田から菅平を越え、須坂を経て小布施の道の駅に着いたのが10時過ぎ。
既に駐車場は満車に近い勢いでした。

道の駅オアシス小布施の駐車場

道の駅の母屋から道路を挟んだ直売所にはすでに人が並んでいます。
手に手に野菜や果物が入った籠を持っています。
観光客というより、近隣の地元客が詰め掛けている様子です。

直売所のレジに並ぶ人の列。地方では珍しい人が並ぶ光景

テントの下に、これでもかと展開されている葡萄を、人々をかき分けながら物色します。
この日の目的は自宅用と、帰省時にお世話になった札幌の親戚用の贈答用2ケースを買って発送することです。
すぐに贈答用の箱の山が見つかりました。
3房の詰め合わせ、6房が入ったものもあります。
家族からは、ナガノパープルとシャインマスカットのリクエストがあったのでそれらが入ったものを、親戚にも同様なものをチョイスし、レジへ持ってゆきます。

葡萄中心のテント
贈答用詰め合わせの箱
自宅持ち帰り用パックは売れ行き好調

レジのおばさんは、「北海道?それなら冷蔵便だね」、「東京宛にも巨峰が入っているから冷蔵の方がいいね」。
との反応です。
地方の直売所ではレジのおばさんとの会話が楽しい時がままあります。
フランクで、地元ならではの情報に溢れたおばさんがいると会話が盛り上がります。

レジのおばちゃんたち

山小舎用に洋ナシ、プルーン、イチヂクのパックも買いました。
洋ナシ、イチヂクはコンポートなどにします。

相変わらず直売所に列が続いています。
道の駅母屋の土産品コーナーや食堂にも三々五々、客が詰め掛けています。

加工用などに、イチヂク、プルーンなども購入
道の駅の母屋
道の駅からは公園に続いている

この後は高山村の選果場へ寄って、紅玉シードルを買いましょう。

高山村のJA選果場で紅玉一袋も

昼食は、帰り道がてら松代の地元食堂・ニュー街道一にでも行ってみようか、と秋晴れの小布施を後にします。
来年から9月末の小布施での葡萄仕入ツアーが恒例になりそうです。

「木曜定休日」

長野日報に掲載された「モミ精油」を求めて、上社本宮の東参道にある柏谷カフェに出直しました。

何と、目指す柏谷カフェには「木曜定休」の看板が掛かっていました。
定休日が決まっているということは、それ以外はちゃんと店を開けているんだ、と妙に安心したり。
下調べなしに出たとこ勝負のやり方に自分ながらがっかりしたり。

目指す柏谷カフェは「木曜定休日」だった!

折角なので今年初めての本宮参りをしてきました。
諏訪大社には毎年お参りしますが、今年は前宮にお参りしただけだったのです。
前回本宮に来たのはおととし、彩ガールズ総勢5名の来客を案内したときのことだったでしょうか。

表の大鳥居から

シャッターが閉まった柏谷カフェのある東参道から、太鼓橋を渡り、銅鳥居と呼ばれる鳥居をくぐると、森と樹々に支配された諏訪大明神の世界です。
重要文化財で明治維新までは、大祝(おおほおり)と呼ばれる神官のみが通ったという入口御門・布橋と呼ばれる通路を歩きます。
タケミナカタノミコトが祀られている(といわれる)幣拝殿を横から眺めるポジションです。
幣拝殿は多くの参拝客がお参りする拝殿です(上社本宮にいわゆる本殿はないそうです)。

諏訪の神様といわれる存在は、古事記に記されるタケミナカタノミコトや、それに敗れた地元神の守矢神よりもさらに古い神様を示すようです。
その神様の依り代は、山と岩と森だそうです。

東参道から銅鳥居をくぐる
入口御門・布橋を行く
御柱
入口御門・布橋からのぞいた幣拝殿
雷伝為衛門の像

諏訪大社の古い歴史を表すように、表の大鳥居から90度横向きにタケミナカタノミコトを祀った幣拝殿にまずは御参りします。
神社の正面から90度横に祀られた神様は、その神社にとって後から祀られた神様であることを示します。

併せて大鳥居からまっすぐの位置に鎮座する、太古からの山と森に向かって参拝します。

いつ来ても清々しい上社本宮です。

モミ精油の入手は次回です。

幣拝殿
神社正面に向かう遥拝所
まるで新緑の木陰のような社内
上諏訪、下諏訪、茅野の銘酒が奉納されている

県内ローカル新聞の華麗な世界 長野日報

諏訪市に本社のある長野日報社刊の日刊新聞です。
諏訪地方、上伊那地方をテリトリーとしています。

一方で、諏訪には他に市民新聞が、上伊那にはみのわ新聞、辰野新聞などがあって、さらに細かく地域をフォローしています。
長野日報は、全国ニュースもフォローしており、地方のみを扱うローカル紙ではなく、県内で、信濃毎日新聞の2番手に位置する新聞のようです。

9月5日付け長野日報第一面
第一面には諏訪湖マラソンの開催記事も。懐かしいワイナイナさん

9月5日付長野日報の第一面は『6年ぶり新作花火あす開幕」。
毎年9月に行われていたが、コロナで(公式には)中断していた、諏訪湖新作花火大会が正式に開催されるニュースです。
諏訪湖畔を舞台に、県内外の平均年齢39.6歳、計20名の若手花火師が、コンクール方式で覇を競うとのこと。

山小舎おじさんは、コロナ時代、下諏訪温泉の旦過の湯を訪れた際に、番台のおばさんから新作花火大会があると聞いて出かけたことがあります。
ポスターなどでの宣伝はなかったと記憶していますが、岡谷側の湖畔公園にはたくさんの観衆が集まっていました。コロナ下の宣伝なしでの集客に、花火大会に対する地元の情報網はさすがだと思ったものです。

さて、19面を開くと2件の地元情報が載っています。
「岡谷にハワイの風を」と「芳香精製水など新発売」の二つです。

二つ目の記事は諏訪大社上社周辺の街づくり協議会が、諏訪産のモミから抽出した精油を使った精製水を上社本宮の参道にあるカフェで発売するというもの。
地元のモミを伊那の会社で精油化し、上田の会社がウオーターや化粧パウダーに加工したとのこと。

19面の「岡谷にハワイの風」
19面には諏訪産モミの加工の記事が

これは気になる記事です。
さっそく諏訪方面に下りたついでに上社参道にカフェを訪ねました。
目指すカフェは大鳥居の正面の表参道沿いにではなく、東参道にありました。
諏訪大社の歴史や遺物を展示するギャラリーを兼ねた店でした。
ただし、モミの精油を利用した商品は翌日から販売とのこと!
早まりました、出直しです。

モミ精油を求めて諏訪大社上社東門へ
目指すカフェには精油があったのか?

紙面に戻ります。
諏訪に隣接する塩尻ではブドウの収穫季節です。
ブドウ狩りの広告が目立ちます。

季節柄ブドウ園の広告が
諏訪地方唯一の映画館・岡谷スカラ座(シネコン)の広告も

紙面構成は全国ニュースを網羅し、スポーツ欄あり、政治欄あり、海外ニュース欄ありです。
ただし内容の濃い精度の高い情報はやはり諏訪地方を中心にしたローカルニュースについてが圧倒的に勝っているようです。

上田の街を歩く

映画を見た後に上田の街を歩きました。
歩いたのは海野町商店街などの中心街です。

旧北国街道沿いの海野町商店街

まだまだ暑い9月初旬のこの日。
トゥラム・ライゼを出て、姉妹館の上田映劇まで歩きます。
ロビーに入り、古書の棚やTシャツのデザインなどを見て歩きます。
上田映劇のスタッフは2人体制。
入れ替えの時だけロビーに人が出てきます。
この日は若くて元気のありそうなお姉さんが来場客の応対をしており、上田映劇の未来が明るく感じられるようでした。

現存木造映画館・上田映劇の雄姿
上田映劇は今日も上映中

この付近に「サマーウオーズ」のラッピングをした自販機があったのですが期間が終了したのか、見掛けることはできませんでした。

昼食は海野町商店街の中華屋・檸檬に行ってみます。
去年あたりからメニューを五目焼きそばのみにしての営業です。
店内はほぼ満席で相変わらずの人気ぶりです。
五目蕎麦は安定のおいしさで、地元のソウルフードとしての歴史を感じさせました。
かつては4人ほどが目まぐるしく動いていた厨房は、2人体制となっていたのが時間の経過を感じさせました。

檸檬は上田市民御用達の街の中華屋
五目あんかけ焼きそば、950円

いつもは閑散としているアーケード街は、日曜日だからでしょうか、散歩する人などで三々五々の人出です。
ここまで来たら富士アイスに寄らなければなりません。

商店街の人気店・富士アイス

かつては路駐の車が路上に並び、詰めかける客に順番の札が配られた海野商店街のメルクマールは、今日も志まんやきの暖簾をはためかせています。
この日の客は2組ほど、札の配布もなく注文してすぐに今川焼とソフトクリームにありつけました。
数年前は80円だった今川焼が100円に、150円だった小ぶりのソフトクリームが250円になっていました。
味は安定の、かつてのままでした。

志まんやきのほかにソフトクリームを注文

アーケード街を曲がったところにある、喫茶店の「木の実」、カレーの「べんがる」が営業中なのを確認して安心しました。

珈琲180円だった「木の実」の向こうに池波正太郎ごひいきのカレー「べんがる」が見える

県内第三の都市とはいえ、かつての中心部からはデパートが消え、アーケード街はシャッター通りとなってしばらくたつ上田。
買い物客は市内のショッピングモールや郊外店に流れ、中心部には人気が少なくなっています。
かつての商店街には、ネパール料理店や高層マンションが建つようになりました。

かつてはデパートがあった場所。「水で書かれた物語」(1965年吉田喜重監督)では当時のデパート内でのロケ映像が見られる。
海野町商店街に建つ高層マンションとネパールカレー店。その間のシャッター店

それでも上田映劇とトゥラム・ライゼと上田城跡がある限り上田のまちには来るでしょうし、どこかで何かを食べたり、亀齢や福無量などの地酒を求めて帰ることでしょう。

古くからの「都市」を感じさせる上田の街歩きでした。

夏だ!松本スイカ市だ!

今年のスイカ市は9時開場を目指して7時に山小舎を出発しました。
去年は、9時ころ出発して午前中についたのですが、目指す百瀬農園のスイカは直前で本日の販売終了となったからです。

松本市郊外のスイカ選果場
選果場に集められたスイカ

新和田トンネルを抜け、国道20号線で塩尻峠を越えます。
塩尻のまちでコーヒーとサンドイッチの朝食。

山形村、松本方面へサラダ街道などの農道を走って、目指すスイカ市会場へ着いたのが9時前。
既に駐車場は満車に近く、人気の農園のテントには20人から数十人の列がありました。

9時前から目指す農園のテントに並ぶ人々

炎天下、百瀬農園の列の最後尾に並びます。
今年は買えそうです。
スイカの値段はL玉で2300円と、覚えている限りの値段1600円からはこの数年でかなり値上がりしています。

今年の値段はL玉が2300円
波田の百瀬農園がお気に入り

2玉買って、一つは自宅に送り、一つを持って帰りました。
大きなスイカです。
百瀬農園の直売所を仕切る、いつものおばさんが、やや年を取ったものの元気な姿を見せていました。

山小舎に持って帰ったスイカは、別荘地内を流れる急流に一晩漬けて冷やします。
やって来る孫たちの楽しみになります。

9時過ぎにはスイカ市を発ち、来た道を戻ります。
途中の山形村の直売所にも寄ってみます。
トウモロコシや桃などが盛大に集荷されていて、大賑わいです。
加工用のブルーベリーや完熟トマトの大袋、炭火焼き用のトウモロコシなどを仕入れます。

帰る途中に山形村の直売所による

真夏の信州は1年分の収穫で賑わっています。

沿道では秋に収穫の野菜の作付けが行われていた

県内ローカル新聞の華麗な世界 みのわ新聞

ちょっと古いが6月19日付の「みのわ新聞」が手許にあります。

上伊那地区の箕輪町にある、みのわ新聞社の発行です。
1部100円。

カバーするのは上伊那地方の辰野町、箕輪町、南箕輪村、伊那市あたりなのでしょうか。
「岡谷市ニュース」というコーナーがあり、岡谷市方面と関係が深いことがうかがえます。

一面は箕輪町水辺公園のホタルのニュース。
同じ地域の辰野町もホタルで町おこしをしています。
一面には、現役世代の女性が3人で紙マルチを使った田植えを行ったというニュースもあります。
専業農家や業者以外の人が、エコなコメ作りを行うなんてタイムリーな記事です。

箕輪町内ニュースB面の「箕輪町図書館・新着本を紹介」コラムもイケてます。
図書館職員のおすすめ本として「それいけ!平安部」という若者向けの本が紹介されてます。
時代にマッチした本のセレクトがいいです。

辰野町A面ニュースには、子ども食堂の記事が。
自然と食材が豊かな辰野町でも子ども食堂が、2021年より行われているのですね。
150食が10分ではけるそうです。
中学生以下は無料、高校生100円、大人300円です。

一面からめくった二面にはハッチョウトンボの記事が。
全長2センチという日本最小のトンボが伊那市の湿地帯「トンボの楽園」で羽化を始めたということです。
現地では「新山トンボの楽園を育てる会」の会員80名が保護観察の活動を続けているとのこと。
7月5日には観察会の開催されるとのことです。

一見してページ数も少なく、内容的にも薄い印象があるみのわ新聞ですが、よく読むと時代にマッチしたニュースをもれなく集めていることに気が付きます。
岡谷から辰野、伊那まで上伊那地域が文化的にも人の交流的にも、つながっていることがわかります。

お寺の御開帳の広告
地元の酒屋さんの広告もいいですね

箕輪に寄ったらみのわ新聞ですね。

令和7年6月7日の「信濃毎日新聞」

外出の際に両替のため、コンビニで新聞を買うことがあり、手元に6月7日付の信濃毎日新聞があります。

信濃毎日新聞は県内最大の新聞です。
たいていの家では同紙を取っており、直売所やスーパーに置いてある包装用の古新聞は必ずといってよいほどこの新聞です。

内容は充実しており、全国ニュースは朝日、読売などの全国紙にそん色なく、むしろページ数が少なく、内容は広告ばかりが目立つ全国紙と比べると、ページをめくっていて一時代前の新聞のような満足感さえ感じられます。

SBC信越放送の午後のワイドショー「ずくだせテレビ」のコメンテーターに、信濃毎日新聞社のデスク級の社員が文化人枠として、毎日出ているのも県民にとっては当然のお約束です。
「ずくだせ」というのは信州地方の方言で、元気出せとか意気地出せという意味(だそう)です。

さて6月7日付の同紙。
一面は「須坂市ふるさと納税除外へ」。
須坂が返礼品のシャインマスカットを市内産のものに加えて、山形県産のものを送っていた事件です。
総務省によるふるさと納税制度の対象から須坂市が除外されるとのこと。
岡山県吉備中央町と同時の除外となり、除外された市町村は全部で5例目だそうです。

中信地方のローカル版のページには、「人々の思い受け上松出発」として、20年に一度の伊勢神宮式年遷宮の御用木が木曽の上松町を出発したニュースが載っています。
ローカルテレビニュースでも、木曽山中での伐採から、山おろし、安置までたびたび伝えられていました。
樹齢300年の御神木が3本伐採され、切りそろえられた後、トラックで伊勢神宮に向け出発したとのだそうです。
内宮用に2本、外宮用に1本が使われるといいます。
木曽の木材が江戸時代に幕府の御用材とされていたそうですが、伊勢神宮でも使われていたのですね。

見開き1面には、「祝・辰野町新町発足70周年」として、カラーの広告ページがあります。
上半分は、町長挨拶、式典式次第、ほたる祭りなどの関連行事案内が、下半分は協賛企業の広告が載っています。
協賛企業には地元小野地区の銘酒「夜明け前」の小野酒造の名もあります。

ほかにも下伊那地方を通るリニア関連のニュースや、毎年6月に上田市丸子で開催される女子ゴルフの国内メジャー大会の広告、様々な興味深いローカルニュースが載っています。

「リニアのゆくえ」と題する追跡記事
今年も上田市丸子で女子ゴルフ大会が。テレビでも中継される

細かなローカルの話題に、同新聞の取材網の充実と郷土愛が感じられます。

県内企業の商品開発の記事
田舎と言えば空き家と古民家。古民家再生の広告
諏訪市の街中に今年も手作りの提灯が下げられるようだ