薪割り機導入!

山小舎周辺には昨年以来の玉が残されています。

玉とは丸太を、チェーンソーで40から50センチほどに輪切りしたものをいいます。
この玉を斧やくさびで割って薪にして積み上げ、乾かして燃料にするのです。

去年のうちに丸太を切って玉にしておいたのですが、直径の太い玉を薪割りするのは大変なため作業が進んでおらず、斜面に大口径の玉が転がるままの状態が続いていたのです。
このままでは新規の丸太を受け入れるスペースに事欠くこともあり、転がっている沢山の玉を早急に処理する必要に迫られました。

今まで通り、斧やくさびで割っていたらいつまたっても終わりそうにないので、薪割り機を、別荘管理事務所から借りることにしました。

エンジン式で斧の形をした刃が作動し、玉を割ってゆく機械です。
初めて使います。
簡単な作動方法を教わり、二人係りで軽トラに積込み、積み下ろしました。

エンジン式薪割り機

ある程度の直径の玉はこの薪割り機で割ることができます。
多少の節などもエンジンの力で突破してゆきます。
力が及ばないときはエンストしますので、そのようなときには刃の持ってゆく場所を変えるなどして少しづつ削ってゆくなどします。

玉をセッテイング
刃で玉を割る

今まで時間がかかり、また指から腕、肩、腰に衝撃がかかり、腱鞘炎を引き起こしていた薪割りそのものが劇的に機械化されました。

とはいえ、薪割りは薪割りです。
繊維と水気とカロリーの詰まった重量級のエネルギーの塊である木材を扱うことには変わりはありません。
重い玉を機械にセッテイングし、刃の位置を考え、割った後の薪を積み上げる場所を考え、乾燥場所まで運ぶ行為には変わりがありません。
割るという、薪割り全体の中の一つの作業だけが機械化されただけのことです。

たちまち薪の山ができる

例年通り薪の有難さ、重さ、作業の大変さを改めて痛感しつつ、機械導入の薪割りをしています。

法面のカラマツ割り

山小舎の敷地の法面に去年からのカラマツの丸太が転がっています。
正確には丸太を玉切りした「玉」がたくさんあります。

年を越えて残った「玉」たち

本来なら昨年中に薪に割って積んでおきたかった「玉」です。

時間を見つけて割ってゆきます。

法面での薪割りは大変です。
ただでさえ力を集中してやっと割ることができるものを、斜面で行うのです。
人間が普段行う作業は、水平の場所で行いますが、その有難さ、効率の良さがよく理解できます。

特に大口径のカラマツにおいては大変さを痛感します。

斧だけではとても無理なので、くさびを使います。
特に大口径で丈が長いものには、チェーンソーで縦に切れ目を入れてから、くさびを二つ使って割ります。

チャーンソーで入れた切れ目にくさびを立てます
ハンマーでくさびを打ち込みます

カラマツは繊維が絡まっているので、くさびを使ってもパカンとは割れません。
くさびを打ち込んだ後、斧を使って繊維を断ち切ります。

くさびだけでは割り切れませんので斧を使って両断します
「玉」が二つに割れました

四つ割りにした所で積み込みます。

カラマツはしばらくは野ざらしにして油分を雨で洗い流すとよいということを聞いたので、露天で積み込みます。

さらにくさびで両断します
4分割出来ました
野積みします。翌年大きなものはさらに割って使います

一回に4~5玉を割ればヘトヘトです。
全部終わるまで何日かかることでしょう。

ヒモトレ実践

「現代農業」という雑誌を畑づくりの参考に時々購入していますが、その連載に「ヒモトレ」がありました。

日本には古来からたすき掛けやハチマキなどの風習がある

ヒモトレとは農作業などを行う際に、体に紐を巻くことで作業負荷を軽減させようという方法です。
いや正確にいうと、体の使い方を正しく、偏りなく行うことで作業効率を上げようというもののようです。
体全体を使うことで、特定の部位に負担がかかることがなく、また腰が入った姿勢となったりして、結果として作業がはかどるようなのです。

山小舎おじさんは100円ショップの6ミリのひもを使用

山小舎おじさんも畑で年々寄る年波に我が身を嘆きつつありますし、別荘地管理会社でのバイトが体に負担となってきました。
体力というか、心肺能力というか、筋力が落ちているのはもちろんですが、疲れてくると右ひざや腰などにダルさや痛みが集中してきます。
1日おきとはいえ、実働7時間、つなぎの作業服を着て、側溝の落ち葉集めや草刈りなどの作業は心の準備と休養がないと行えません。

膝やモモのひもは作業中に下がってくるのが難点

今年から見様見真似でヒモトレを試してみました。
腰をリカバリーしようと腰に巻き、右ひざの負担を軽減しようと左右の膝に、足首もつかれるので左右の足首、上体を正しく保持しようとたすき掛けもしてみました。

キモチは体全体を正しく使って特定の部位への負担を軽減させよう!です。

姉さん被り。ヒモトレが日本の文化から学んでいるのがわかる

やってみたところ、体がスムーズに動くような気がしました。
通常なら腰の負担を気にしながら行うような作業にも自然と入ってゆけるような気がしました。
動いている間は古傷の右膝以外は気にしないでいられました。
たすき掛けすると上体がシャンとするような気も。

だからといって疲れないかというとそんなことはありませんでした。
体はいつも通りくたびれます。
良く動いたせいかむしろ例年よりグッタリかもしれません。

が右ひざや、腰、右足首に疲れが集中しませんでした。
両膝、足首を共に使えたことで負担が公平になったためのような気がします。

「現代農業」より

今後はバイト、畑作業、薪割りなどの時に引き続きヒモトレを行うつもりです。

カットチェーンを取り替えて・・・

年内の主な作業は燃料用にもらった丸太の片付けです。
山とあった丸太も残すところ3本。
大物が残っているので、新しいカットチェーンをに取り換えて玉切りしました。

太い丸太を切るときは、よく切れるチェーンソーでやらないと、時間ばかりかかってはかどらないばかりでなく、途中で嫌になってしまいます。
通販で買っておいたカットチェーン(刃のこと)に付け替えます。

替えの新しいカットチェーンを用意
専用の道具でねじを緩めてゆきます

カットチェーンの付け替えで気を付けなければならないのは、正しい刃の向きや、モーターに嚙合わせるなどのことはもちろん、チェーンのテンションを適切に行うなどの微調整です。
ついでに付着したおがくずなどを吹き飛ばしておきます。

古いチェーンを外します
微調整しながら新しいカットチェーンに付け替えます

最後の難関の巨大丸太に挑みます。
新しいカットチェーンの威力は絶大です。
ストレスなく切ってゆきます。

この分だと玉切り完了も時間の問題だと思いました。
ところが巨大丸太は玉切りするのに困難を伴います。
丸太を切断するには当然ながら切断面全部に刃を通さなければなりませんが、地面に接した部分に刃を通すのが大変なのです。
そのまま切ってゆけば刃が地面を噛みます。
地面には土のほかに石があるかもしれません、石や金属に当たった刃はたちまち切れなくなってしまいます。

そこである程度切った丸太を転がすなどして、地面を刃が噛まないようにして切ってゆくのですが、腕力ではもちろん、梃子などを使っても容易に転がらないのが巨大丸太なのです。

残った巨大丸太が3本

それでも地面ぎりぎりを狙って刃を通してゆくと、火花が散りました。
刃が硬いものに当たったのです。

しまった!と思った時にはすでに遅く、せっかくの新品カットチェーンは交換前のものよりさらに切れないものになってしまいました。

もうしようがありません。
替えのカットチェーンもなく、またあったとしても帰る時間がもったいなく作業続行。

既に問題は巨大丸太のひっくり返しをどうするか?に移行しています。
だましだまし、切れない刃で作業続行、梃子を駆使し、回転方向の地面を削り、くさびやハンマーを動員して巨大丸太転がしに挑みました。

くさびやハンマーを使って巨大丸太に挑みます

時間をかけ、汗だくになりながらなんとか1本の丸太を玉にしました。
当初の予定は新品のカットチェーンで3本をスパッツと切る予定が、どっこい、やっと1本を切ったところで体力、気力、根が尽きました。

最大の丸太を何とか処理しました

でも、最大の丸太が切り終わり、玉切り完了の目途がつきました。

ほぼ玉切りを終えたフィールド

今年の干し柿

山小舎では毎年、干し柿を作っています。

今年も、干し柿用に最適な釣り鐘型の渋柿が出るのを待っていました。
なかなか見つからないので、今年はなしかなあ、と思っていたら、道の駅の直売所に出ていたので一袋買って干しました。

立派な渋柿。6個でこの値段は安い

その日直売所では、東京からだという一組のお客さんが、渋柿を手に取って、「東京だとこのサイズの渋柿が1個200円する。買いたいが、ヘタの形が・・・」と、係の人を呼んでいました。
ヘタがT字型にカットされていないことがネックのようでした。

係の人は、ヘタがT型にカットされていない理由はわからない。
今年は渋柿も不作でだった、今回はいつもの出荷先からようやく入荷したもの、とのことでした。

買って帰ってから、干し柿の作り方を改めて調べました。
出来上がりをきれいにするためには、消毒が大事だとのことでした。

今年は干す前の熱湯消毒のほか、アルコール噴射による消毒を併せて行うことにしました。
へたがT字型ではないので、結びを固く行うことと、一組を2個とする結びにすることで、落下を防ぐようにしました。

47度の焼酎と専用スプレーを用意

消毒用のアルコールですが、地元のスーパーに行ったところ、47度の焼酎小瓶が「柿の渋抜き用」として売っていたので買ってきて、当面1日1回柿に噴射することにしました。

柿を結び、熱湯消毒した最初の晩は、室内のストーブで乾燥させましたが、二日目以降は晴れた日は陽に当て、夜は雪の降る日でも軒下に吊り下げています。
横殴りの雨に一晩さらされた翌朝には、大慌てでアルコールを吹きかけつつ、ストーブで乾かし、雨を乾かしました。

最初の晩は熱湯消毒の後、ストーブで乾かす

その後、柿は順調に乾いています。

冬の青空をバックにすると柿の鮮やかさが際立ちます。
朝方や夕方の、モノトーンの世界でも、パートカラーのように柿色が輝います。

今年になって、改めて柿の存在感に気づく山小舎おじさんです。

冬のモノトーンの背景をバックにした柿。アルコール噴射中
冬の青空をバックにした柿

玉上げ

丸太を薪にするためチェーンソーでサイズにカットすることを玉切りといいます。

玉切りした丸太を割って薪にします。

山小舎では、丸太の山を玉切りした後、薪割り場所に運んで薪割りをします。

木の葉が緑だったころに山と積まれたシラカバの丸太をせっせと玉切りしています。
玉となった丸太を今日は軽トラに積んで薪割り場所に運びました。
この作業を、「玉切り」に合わせて「玉上げ」と呼ぶことにします。

かつてはシラカバの丸太が天を衝いていました
11月下旬になって玉切りがここまで進みました

本日は主にシラカバを玉上げすることにします。

軽トラの荷台に玉を放り込んでゆきます。
大きなサイズの玉は立たせて乗せます。
こうするとたくさん積めるのと、下ろしやすいからです。

サイズ(口径や丈)が小さいものは放り投げて雑然と積み込みます。

荷台に一山積んでも軽トラは馬力があるので大丈夫。

玉を荷台に積んでゆきます
このくらい積んでも大丈夫です

薪割り場所(といってもすぐ隣)に軽トラの荷台をつけます。
大きな玉から立たせて下ろしてゆきます。

こうすると場所を取らずに済みますし、薪割りの作業がしやすくなります。

細かなものは空いている場所などに放り投げて、玉上げの終了です。

薪割り場所に玉を下ろしてゆきます
一山積んで今日の玉上げは終了です

シラカバを割る

山小舎の暖房は薪です。
雪が降るまではオールシーズンにわたって丸太を切り、薪割りして積み上げて干しておきます。

丸太の主なものはカラマツです。
その次にシラカバ。
どれも資源としては価値のないものです。
たまにミズナラなどの広葉樹の丸太も入手できます。
薪として売られているのは、これらの広葉樹です。

今年の秋にシラカバの丸太がどっさり来ました。
久しぶりにシラカバと格闘の日々です。

集まったシラカバの丸太を手当たり次第に玉切りする

木材によって、切りやすさ、割りやすさが違います。
丸太を玉切りするときに、切りやすい順にカラマツ、シラカバ、ミズナラとなります。
材質の密度に関係あるのでしょうか。

割りやすいのは、ミズナラ、シラカバ、カラマツの順になります。
これは木材の繊維がまっすぐかどうかによります。

玉切りしたシラカバを台に乗せて薪割りの準備

玉切りしたシラカバを割ります。
シラカバは巨木が少ないので、四つ割りか二つ割りにします。

玉の直径と丈の長さにもよりますが、鉞で一刀両断は困難な場合が多いので、くさびを使って割ります。
くさびを打ち込むと大体素直に割れてゆきます。
断面もきれいです。
最後まで繊維がもつれて、割りずらいカラマツとは違います。

たいていのものはくさび一つで割れる
大きなものはくさびを二つ使う
細いものは鉞で割れる
シラカバの薪は断面がきれい

よほど節が多かったり、直径が大きく丈が長い玉は、チェーンソーで切り込みを入れてから割ってゆきます。

シラカバは、広葉樹などに比べて早く乾きます。
早く乾くということは重さが減り扱いやすいということです。

火持ちは広葉樹に比べてよくありませんが、量があればカバーできます。
また皮に油分が含まれており、皮だけを集めておくと焚付として使えるのも重宝します。

景色としては風情がありますが、資源として価値がなく、数十年で腐って倒れるシラカバは実は山の嫌われ者です。が、山小舎おじさんにとっては十分価値のある資源です。

積んでおいて来シーズンの燃料に使用

干しもの三題

秋は保存食を加工する季節です。

例年ながら、切り干し大根、干芋、芋がらを作ってみました。

切り干し大根は大根を短冊に切って干すだけです。
切ってザルに広げ、日中は日光に当て、夜間はストーブのそばで乾かします。

乾いてきたら材料を裏返しにするなどして乾燥を促進させます。

カラカラになり、ざるを滑るようになったら完成です。
戻してニンジンや油揚げと一緒に煮ると、大根の風味豊かな切り干し大根の煮物になります。

ほぼ完成した切り干し大根

サツマイモの干芋も作りました。

サツマイモを蒸かすかゆでるかして、皮をむきます。
傷や痛みは皮と一緒に除きます。

熱いうちにスライスしてザルに乗せて乾かします。
スライスの厚さは5ミリから1センチ程度。

少し乾いてくると、素材の糖化の状態がわかってきます。
半透明のあめ色になったら、素材がよく糖化している表れで、ねっとりしたよい干芋になります。
白く粉を吹いたようになれば素材の糖化が進んでいない状態で、売り物でいえばB品の状態となります。
B品でも十分食べれらます。

蒸かしたサツマイモ
皮をむきます
スライスして干します。ときどき裏返します

この干芋、自宅で大評判で「また作ってほしい」と催促されています。
直売所でも巡って地元産のサツマイモを集めて、また作ってみようと思います。

最後は芋がらです。
里芋の茎を干したものです。

里芋収穫後の茎が立派なので持って帰って干してみたところ、自宅で煮て好評とのことでした。
茎の太いところを選び、皮をむき干すだけです。

里芋を収穫し、茎も持って帰ります
皮をむいて干します

また丸太が来た

業者さんが丸太を持ってきてくれました。
今年は、カラマツを中心に少々のナラなどを2,3回持ってきてくれました。

今年の丸太はもう終わりかな?と思っていた10月初旬。
畑から戻ってみると、シラカバの丸太が山のように放り出されていました。

久しぶりのシラカバです。
シラカバはカラマツよりは割りやすく、ナラなどの広葉樹よりは乾きやすいので山小舎おじさん的には大歓迎です。

森林業者的には、シラカバはカラマツと並んで利用価値のない木材のようです。
家具や建築材、土木用の丸太として一部利用されているカラマツの方が価値があるのかもしれません。
いずれにしても、捨てる場所に困り、廃棄するには金がかかる丸太だからこそ山小舎にやって来るのではありますが。

ある日山小舎に帰ってみるとシラカバがどっさり

とりあえず、道路のはみ出さんばかりの部分を切り落とします。
といっても丸太の数が多いので、1時間(チェーンソーのオイルと燃料を満タンにして2回分)かかってこれくらいの仕事量です。

玉切り仕事の効率にはチェーンソーの刃の切れ味がものをいいます。
切れなくなるとほんとに仕事が進みませんので、事前の棒やすりによる刃の研ぎや、チェーンのテンションの調整が大切です。
全部を玉切りし終わるにはどれくらい時間がかかるか?
冬までに終わるか?

一時間ほど、道路際に突き出た丸太を玉切り

さて、この冬の薪は十分にあるのですが、乾かすために積んである場所から利用しやすい場所への移動をしなければなりません。
新しく割った薪を積む場所を空けなければなりません。
また、今年はベランダやベランダ側の外壁の塗装を考えています。

というわけで、
①ベランダの塗装予定部分を片付けて塗装前の洗浄、塗装をの準備をする
②ベランダの片付けものを一時保管する場所を確保する
③乾いた薪を手元に移動するとともに、新しく割った薪の積み込み場所を確保する、
の3命題を関連して履行することになりました。

そのための片付けをスタートします。

ベランダのものを軒下に移動します。
そのために軒下の薪を撤去します。

軒下の薪を撤去。空いた場所にベランダのものを移動

焚き付けなどの置き場に使っていた木製のケースですが、取り去ってみるとベランダの床は埃まみれです。
このをきれいに洗浄して、防水・防腐塗装を施すことにします。

一度に全部のベランダを洗浄・塗装するのは難しいので、2,3回に分けて行うことにします。
同時に外壁を洗浄・塗装します。
この部分の塗装が終わったら、次の部分のものをどけて塗装しようと思います。

片付け後のベランダと外壁

ベランダには薪、焚き付けのほか、コメ袋に入ったもみ殻、ぬか、燻炭など。
刈払機、オーガなどの機械類。
塗料類。
収穫した芋類、などが置いてあります。

雨がかからず、日陰で、活動ヤードに近いこの場所は納屋代わりに使うのに便利な場所なのです。
が、とりちらっていますし、埃、落ち葉などが溜まりやすくなっています。
今後は、米袋類はベランダ下に置くなどし、ベランダの整頓と保全に努めたいと思います。

整理整頓を待つベランダ

シラカバの丸太がやってきたことに関連して、いろんなことが起こる山小舎でした。

巨峰で作るぶどうジャム

山小舎では季節の果物でジャムやコンポートを作っています。
毎年ブドウの季節にはジャムを作りますが、ブドウのジャムづくりで難しいのは種の扱いです。

ジャムに向くブドウは、ベリーAなど種有の品種なのですが、その種の扱いに困るのです。
ある年は種ごと煮込んでからザルなどで種を漉そうとしました。
ザルでは皮や実が詰まってしまい種だけを取り出すことができなかったので、しょうがなくお玉で種だけを掬ったことでした。
いずれにしても種有ブドウでジャムを作ることは大変なのだ、という記憶だけが残りました。

今年の秋の一日、八ヶ岳周辺のドライブに出かけ、野辺山の直売所で種なしの巨峰が格安で売られているのを見ました。
ばらばらの実だけをパックしたものが1パック200円で売られています。
ジャムづくりのチャンスだ!と5パック仕入れました。

種なし巨峰4パックと種有を1パックゲット。種有は事前に種を取り除きました!

例年は、イチゴに始まってアンズ、プラム、桃、ワッサー、ネクタリン、プルーン、洋ナシ、ブドウ、リンゴと続く信州の果物ラインナップ。
今年はアンズ、プラムくらいしか加工に手を出していませんでした。
いいところで加工向きのブドウに巡り合いました!

まずは材料を水洗いします。
同時に瓶と蓋を洗ってから煮沸します。
煮沸にはストーブが便利です。
瓶を入れた鍋に薬缶からお湯を張ってストーブの乗っけておきます。

ブドウの実を砂糖を入れて煮るのですが、このまま煮ても皮が残ったジャムになりそれはそれでいい感じなのですが、せっかくミキサーがあるので皮ごと実を攪拌します。

何回かに分けてミキサーにかけます。粒のまま煮てもいいと思います

スムージーになったブドウに砂糖を加えて煮てゆきます。
今回は白砂糖にザラメを加えてみました。
コクが出るのでは?と思ったからです。
砂糖の割合は果実の3分の1から半分程度。
少なすぎなければお好みでいいと思います。

今回は砂糖を2種類、あとでレモン汁も加えました

ジャムは煮てゆくとトロッとなる瞬間があり、そこまで煮るのがジャムづくりといわれます。
一方でかつて「暮らしの手帳」の記事で読んだのは、ジャムはトロトロ煮込むのではなく、さっさと煮て材料の香りを残す、というもの。
どちらの方法を選ぶかはこれもお好みです。

ブドウからは結構アクが出ます

いつものように、煮沸した瓶と蓋を布巾にあげて蒸気を飛ばし、熱々のジャムを詰めてゆきます。
今回は割とさらっと煮てみました。
冷めるととろみも出ますし。

詰めるときにも一工夫。
瓶の中になるべく空気を残さないでおくのは保存性を高めるポイントなのですが、ジャムを詰めすぎると後々蓋がくっついて開けずらくなるのです。

瓶の空気は5ミリ程度残し、瓶の口の周りに着いたジャムはペーパーで拭きとっておいてから蓋をします。
軽く蓋をした瓶を再び熱湯で減圧してから蓋を締めます。

軽く蓋をしてから再び煮沸と減圧します

中瓶と小瓶が1本ずつできました。
材料のブドウ代が小売価格とはいえ1000円かかっているのですからなるほど(ブドウ)ジャムの売値は高いはずです。