令和3年の出荷実績

今年の野菜の売り上げをまとめてみました。

手元にある宅配伝票を取りまとめてみます。
出荷先は彩ステーションです。
奥さんが受け取ってさばいてくれました。
ほぼ完売のようでした。
うれしい限りです。

出荷件数は14件、宅配料金の合計金額は、24,290円です。
赤字はほとんどなく、完売とのことでしたから、毎回の手数料平均を1,000円として、全体の売り上げは38,000円ほど、少なくとも35,000円の売り上げがあったことになります。

月別にみた件数と送料は、6月が1件・1,270円、7月が4件・8,680円、8月が4件・6,920円、9月が3件・4,510円、10月が1件・2,920円です。
売り物の主力が夏野菜であることがわかります。

夏の間の収穫、荷造り、出荷は手間がかかりましたが楽しい仕事でした。
今年からは先方の希望により、個別に袋詰めするのでではなく、種類別の大まとめの荷づくりとしたことは助かりました。
荷物が到着後に小分けして値付けして、販売してくれた、奥さん並びにスタッフさんには感謝あるのみです。

届いた野菜は奪い合うようにして売れ、トマトなどは1袋を分け合って買ってくれたお客さんもいたとのこと、ありがとうございます。
田舎の畑の土の恵みが東京に届くことにお手伝いできたとしたら、こんなうれしいことはありません。

畑にかかった費用をみると、今年から肥料代はゼロなので、資材費だけの出費となりますが、鹿よけのネット代(ぐるりで約50メートル×2基)が約4万円、支柱や寒冷紗などが約5千円、種、苗、種イモなどで約5千円で計5万円ほどでしょうか。
来年からは新規のネット代が不要として、年間1万円ほどの出費で済めば、夢の収益化した野菜作りも可能な計算です。
鹿よけネットの補強に金網などを用意することになれば、もっとかかるか・・・。

収益化のためにも、人気のある夏野菜の品質維持とそれなりの収穫量の確保が必要です。

相変わらず、成り行き任せの野菜作りではありますが、土と地中のコンデションづくりを最優先に、自分が食べておいしいと思える野菜を作ってゆこうと思います。
品種的には、食用ほおずきの思わぬヒットなどがありましたので、それら地域特有の品種(ハックルベリーなども)のと、人気のあるハーブ類、美味しかった枝豆の栽培強化に注力したいと思います。
主力のトマト、キューリ、ナス、ピーマン、ズッキーニなどのに力を注ぐのはいうまでもありません。

東京の皆さま、来年も頑張りますのでよろしくお願いいたします。

信州ソウルフード放浪記VOL.13 まとい食堂

上諏訪(諏訪市)に温泉に入りに行ったとき、ついでに昼食の場所の情報をネットで調べた。
街中にある、まとい食堂というところが美味しそうだったので行って見た。

上諏訪を二分して走るJR中央線の線路と国道20号線との間に片側1車線の道がある。
ところどころ和菓子屋があったり、古道具屋があったり、神社があったりする、いわば生活道路といった趣だ。

この道を茅野側から行ったとして、湯小路交差点のつぎの末広交差点を右折し、さらに細い道を右折した住宅街に、まとい食堂があった。

店の周りは狭い道で車をどうしよう?と思ったが、専用駐車場が4台分あった。

建物はよくある民芸居酒屋調ともいうべきスタイル。
ランチは2時までの長野スタイル。

まとい食堂の外観

13時半過ぎに入る。
14時まで入場可のようだ。
店内は家族連れや、サラリーマンでほぼ満員。
出前を頼みに来た人もいる。

食べているものをチラッと見ると、ソースカツどんや焼き肉ランチなどがテーブルいっぱい展開している。
各々の注文のほかに、チャーシュー麺や唐揚げを頼んでシェアしているグループもあった。

食べ応えのあるものをしっかり食べたい人が集まる食堂。
繁盛店特有の活気がある。
店は最大限の努力でお客が欲するものを提供し、食欲十分なお客は黙々とメニューに取り組む。
幸福な両者の関係!が店内いっぱいに展開している。

今回はラーメンなどあっさり系にしようかな?と暖簾をくぐった山小舎おじさんも、店内にあふれるかのような、とんかつの皿やどんぶりを見て、とんかつ定食(ソース)を注文せざるを得なかった。

注文を待つ間にも左隣の客にミックスフライ定食が到着。
チラ見すると、とんかつのほかエビフライなどが乗った最大ボリュームの定食。
これが1100円。

やってきたとんかつ定食(ソース)も1100円。
期待感があふれ、いつの間にか食欲全開の山小舎おじさん、全力でとんかつに取り組んでゆく。

とんかつ定食(ソース)、1100円。文句なし!

今どき、ちゃんとしたとんかつやソースカツどんなら1500円する。
それほどの肉の量ではないが、サイドメニューと合わせておじさんには十分な量。
とんかつのチェーン店なら、サイドメニューを取ったりすると、肉がこの半分くらいのしょぼさで、値段がちょぼちょぼなのを思うと、まとい食堂の満足感は半端ない。

決して大盛が売りの店ではないが、高齢のおじさんのランチとしてはヘビーな感じ。
とはいいながら、濃い目のソース味が激しくご飯に合い、食べるペースは落ちない。

とんかつそのもの、ソースの味、みそ汁、生野菜サラダは文句なし。
ごはんはやや柔らかいが量的には十分。
何よりの手作り感が、揚げ物に対する罪悪感を上回っていました。

食後には、次回に食べたいメニューがあれこれ浮かんできました。

14時が過ぎ収量の看板が出たまとい食堂

店を出て、看板を撮影していると、「ありがとうございました」の声が聞こえました。
慌てて振り返ると、出前から帰った店の人がニコニコして立っていました。
家族経営と思われる店ですが、スタッフの人柄が味に表れているようでした。

上諏訪の街には温泉が流れている

立寄り湯めぐりVOL.12 片倉館千人風呂

上諏訪温泉街にある片倉館・千人風呂へ寄ってきました。

諏訪湖畔の一番賑やかな一帯。
旅館や飲食店が立ち並び、遊覧船の船着き場もあります。
JR上諏訪駅からほど近いこの一帯、思えば県内では長野、松本の繁華街に次ぐ賑やかな場所かもしれません。

この場所の一角、高層ホテル群の間に片倉館という施設が残っています。
岡谷で製紙業で財を成した片倉財閥が、従業員と地域住民の福利厚生を目的にした施設で三つの建物があります。
そのうちの一つが地元の上諏訪温泉を引いた千人風呂を備えており、現在では一般客も利用できます。

12月の冬じまいに追われるある日、雨が降って外の作業ができなくなりました。
かねてより気になっていた片倉館千人風呂へ行くことにしました。

諏訪湖畔の風景

12月の平日、天気は不順ながら、交通量の多い諏訪湖畔です。
さすがにそぞろ歩く観光客らの姿は少なく、湖畔の無料駐車場もガラガラではありましたが。

片倉館の3棟の洋風建築は、それぞれが国の重要文化財に指定されています。
隣の敷地には諏訪市立美術館が建っています。
それなりに広い駐車場もあります。

片倉館の建物から美術館方面を見る

千人風呂へ向かいます。
洋風建築の威容をたたえた正面入り口の前に立つと、左側に巨大な煙突も見えます。

玄関を開けるとすぐ靴を脱いで上がります。
古い洋風建築物をリユースした博物館のような建物内部の印象です。
受付で入場料750円を払います。

千人風呂がある建物正面

浴室へ入るとそこは少し年代ががったスーパー銭湯のような造り。
広々とした脱衣場にロッカーが並んでいます。

浴室は広いといえば広いですが、最近では大浴場付きホテルのそれと同じくらいかもしれません。
昭和の時代に団体さんを受け入れた各地の温泉ホテルの大浴場を知っている方々からすると「千人風呂」とはまた大風呂敷な、と思うかもしれない程度の広さです。

浴室内部の様子はパンフレットから

浴室の壁の装飾というか意匠は、洋風というのかローマ風呂風というのか。

思えば、昭和時代なのか、その前からなのか、温泉では浴室を西洋風にデコレートする風潮がありました。
まん丸の浴槽にミロのビーナス風の石像が建ち、石像が持つ甕からお湯が噴き出ていたり、ステンドグラス風の装飾があったり・・・。

かつて山形県最上市の瀬見温泉というところで立寄った旅館の浴室がまさにそうでした。
時代を経過したその風情は、それはそれで非日常的でもあり悪くはありませんでした。

休憩室には年代物の備品が展示されている

野麦峠を泣く泣く超えてきて、倒れるまで働いた女工さんたちが千人風呂で疲れをいやした時代ははるか彼方となりました。
その時代に思いをはせるには時がたちすぎた令和3年の冬。
片倉館の千人風呂に浸かって今年の疲れを癒します。

浴槽がそれなりに大きいので温まります。
泉質に強烈さは感じませんが。

大正時代の日本に成金というバブルを生んだ産業の一つである製糸業。
その興隆が産み落とした遺構のような温泉施設が諏訪湖畔に残っていました。

二階の休憩室では入浴客が一人憩う

信州ソウルフード放浪記VOL.12 ぽんちゃんラーメンとホームラン軒

長野県限定のインスタントラーメンの話です。

先ずぽんちゃんラーメンです。
長野市に本社がある信陽食品の製品です。
といっても、山小舎周辺(上田地方,諏訪地方)のスーパーには置いてないことが多く、長野市周辺に行ったときにお土産で買ってきます。

本社は長野ですが、製造は東洋水産(マルちゃん)に委託しているとのこと委託しているとのこと。
今回購入した製品には、製造先として株式会社酒悦・房総工場(千葉県長南町)とあります。東洋水産の下請け先なのでしょうか。

食べてみます。
第一印象は食べやすいこと。
粉スープの味付けが強すぎず優しい感じがします。
麺が太めで、腰が強いというよりはボヤっつとした感じ。
別の言い方をすれば、味にメリハリがないのですが、その分食べやすいのです。

ねぎを切ってトッピングしてみました

次にホームラン軒。
東京に本社を持つテーブルマーク社(前カトキチ)の製品です。
全国規模の流通で、最寄りのスーパーでも売っています。
長野県限定の信州みそ仕立て味噌ラーメンという製品があります。

ここのカップラーメンも、ぽんちゃんラーメンほどではないにせよ、きつくない味付けと食べやすい麺が特徴だと思います。

こちらも青ネギをたっぷりトッピング

ホームラン軒は地元のスーパーでもよく売れており、味も優しいことから、一時はよく食べました。
一人暮らしの台所にはカップラーメンが必需品でもあります。

そうやって、ホームラン軒とたまにぽんちゃんラーメンを主に食べていますと、ある時急に、カップヌードル系のきつめの味が恋しくなり、そちらに戻ったりもします。

外食系でいえば、ぽんちゃんとホームラン軒は地元の外食チェーン・テンホウの味で、カップヌードル系はバーミアンの味、というのが山小舎おじさんの印象です。

前者は、やさしく体によさそうだが、メリハリのない味で量が多い、後者は消費者の健康など考えず、味のメリハリのみを追求した都会の味、とでもいいましょうか。

どちらもいいものです。

カットチェーンを取り替えて・・・

年内の主な作業は燃料用にもらった丸太の片付けです。
山とあった丸太も残すところ3本。
大物が残っているので、新しいカットチェーンをに取り換えて玉切りしました。

太い丸太を切るときは、よく切れるチェーンソーでやらないと、時間ばかりかかってはかどらないばかりでなく、途中で嫌になってしまいます。
通販で買っておいたカットチェーン(刃のこと)に付け替えます。

替えの新しいカットチェーンを用意
専用の道具でねじを緩めてゆきます

カットチェーンの付け替えで気を付けなければならないのは、正しい刃の向きや、モーターに嚙合わせるなどのことはもちろん、チェーンのテンションを適切に行うなどの微調整です。
ついでに付着したおがくずなどを吹き飛ばしておきます。

古いチェーンを外します
微調整しながら新しいカットチェーンに付け替えます

最後の難関の巨大丸太に挑みます。
新しいカットチェーンの威力は絶大です。
ストレスなく切ってゆきます。

この分だと玉切り完了も時間の問題だと思いました。
ところが巨大丸太は玉切りするのに困難を伴います。
丸太を切断するには当然ながら切断面全部に刃を通さなければなりませんが、地面に接した部分に刃を通すのが大変なのです。
そのまま切ってゆけば刃が地面を噛みます。
地面には土のほかに石があるかもしれません、石や金属に当たった刃はたちまち切れなくなってしまいます。

そこである程度切った丸太を転がすなどして、地面を刃が噛まないようにして切ってゆくのですが、腕力ではもちろん、梃子などを使っても容易に転がらないのが巨大丸太なのです。

残った巨大丸太が3本

それでも地面ぎりぎりを狙って刃を通してゆくと、火花が散りました。
刃が硬いものに当たったのです。

しまった!と思った時にはすでに遅く、せっかくの新品カットチェーンは交換前のものよりさらに切れないものになってしまいました。

もうしようがありません。
替えのカットチェーンもなく、またあったとしても帰る時間がもったいなく作業続行。

既に問題は巨大丸太のひっくり返しをどうするか?に移行しています。
だましだまし、切れない刃で作業続行、梃子を駆使し、回転方向の地面を削り、くさびやハンマーを動員して巨大丸太転がしに挑みました。

くさびやハンマーを使って巨大丸太に挑みます

時間をかけ、汗だくになりながらなんとか1本の丸太を玉にしました。
当初の予定は新品のカットチェーンで3本をスパッツと切る予定が、どっこい、やっと1本を切ったところで体力、気力、根が尽きました。

最大の丸太を何とか処理しました

でも、最大の丸太が切り終わり、玉切り完了の目途がつきました。

ほぼ玉切りを終えたフィールド

諏訪の神様が気になるの 令和3年のお礼参り

今年も山小舎仕舞が間近となる12月のある日。
この1年の山小舎暮らしの無事を感謝して、諏訪の神様にお礼参りしました。

ミシャグジ神

諏訪の神様が気になるにつれて、その存在がクローズアップされてくるのがミシャグジ神。
どうやら現存する諏訪の神様の中で最も歴史が古く、また核心部分に位置する神様のようです。

長野を中心に上越、関西地方に分布するというミシャグジ神の総社が、茅野市の神長官守矢家の敷地内にあります。

久しぶりの神長官守矢家は今日も光に包まれていた

総社というにはあまりに素朴で、簡素ですが、ご神木に守られひっそりとたたずんでいます。
社から見下ろすと、今に続く神長官屋敷が孤高の気高さを漂わせながら現存しています。

古武士のような風格のミシャグジ神総社

地元の銘酒・真澄のワンカップなどが供えれらている社に、ささやかなお賽銭を供え、今年の無事を感謝しました。

ワンカップがたくさん供えられていた

諏訪大社本宮

守矢家から車で5分ほどの本宮へ向かいました。
途中に前宮がありますが、今回はカット。

本宮へ着くと取り急ぎ、拝殿への階段を上りました。

本宮は、本殿がなく、本来のご神体は守屋山へと続く山であり、そこに生える原生林と、岩だといわれています。
それらご神体は、他の神社の配置と同様に、鳥居をくぐり、拝殿への階段を上がった正面に位置しています。

ところが現在の本宮は、左90度の位置に拝殿を構え、多くの参拝客をそちらに誘導しています。
拝殿から望むのは、現在では本宮のご神体と呼ばれるタケミナカタの神です。

今回は、ひとつ本来のご神体に参拝しようと拝殿への階段を上っていると。
いまさらですが、正面にご神体の守屋山方面を遥拝できるような空間が開いているのに気が付きました。
階段を上がった参拝客は塀に区切られた導線に誘導されて右折してから、拝殿や宝物館のある境内に入るのですが、右折へと誘導する塀が一部空いているのです。

これって、参拝客が本来のご神体に向けての視線を切らさないための造作か?と思いながら境内へ。

正面に開けられている「入口」。通行はできない

今までは気が付かなかったのですが、境内には守屋山へと続く神域に向かう遥拝所があったりして、本来の諏訪の神様への敬意を忘れていませんでした。

改めて、本宮独自の配置の妙を確認しました。
そういえば松代の神社でも本殿の90度左に、八幡様やお稲荷さんが建っていましたっけ。
古くからの神様を祀る神社が、新しい神(多くはのちの権力者によってもたらされた神)を別扱いで祀ることがあるのですね。

鳥居から向かって正面に本来のご神体への遥拝所がある
遥拝所左わきに天皇が祈願する場所という建物がある
左90度に設置された拝殿からタケミナカタの神にも参拝

諏訪の神様のご神体のもうひとつは岩です。
本宮における岩は硯岩と呼ばれており、拝殿脇にあります。
近くにまで寄れないのが残念ですが。

拝殿の右側に硯石の頭だけが見える

今年の干し柿

山小舎では毎年、干し柿を作っています。

今年も、干し柿用に最適な釣り鐘型の渋柿が出るのを待っていました。
なかなか見つからないので、今年はなしかなあ、と思っていたら、道の駅の直売所に出ていたので一袋買って干しました。

立派な渋柿。6個でこの値段は安い

その日直売所では、東京からだという一組のお客さんが、渋柿を手に取って、「東京だとこのサイズの渋柿が1個200円する。買いたいが、ヘタの形が・・・」と、係の人を呼んでいました。
ヘタがT字型にカットされていないことがネックのようでした。

係の人は、ヘタがT型にカットされていない理由はわからない。
今年は渋柿も不作でだった、今回はいつもの出荷先からようやく入荷したもの、とのことでした。

買って帰ってから、干し柿の作り方を改めて調べました。
出来上がりをきれいにするためには、消毒が大事だとのことでした。

今年は干す前の熱湯消毒のほか、アルコール噴射による消毒を併せて行うことにしました。
へたがT字型ではないので、結びを固く行うことと、一組を2個とする結びにすることで、落下を防ぐようにしました。

47度の焼酎と専用スプレーを用意

消毒用のアルコールですが、地元のスーパーに行ったところ、47度の焼酎小瓶が「柿の渋抜き用」として売っていたので買ってきて、当面1日1回柿に噴射することにしました。

柿を結び、熱湯消毒した最初の晩は、室内のストーブで乾燥させましたが、二日目以降は晴れた日は陽に当て、夜は雪の降る日でも軒下に吊り下げています。
横殴りの雨に一晩さらされた翌朝には、大慌てでアルコールを吹きかけつつ、ストーブで乾かし、雨を乾かしました。

最初の晩は熱湯消毒の後、ストーブで乾かす

その後、柿は順調に乾いています。

冬の青空をバックにすると柿の鮮やかさが際立ちます。
朝方や夕方の、モノトーンの世界でも、パートカラーのように柿色が輝います。

今年になって、改めて柿の存在感に気づく山小舎おじさんです。

冬のモノトーンの背景をバックにした柿。アルコール噴射中
冬の青空をバックにした柿

立寄り湯めぐりVOL.11  上諏訪温泉 湯小路あたり

上諏訪(諏訪市)は諏訪湖沿岸最大の観光地であり、温泉街です。
街中にも温泉が湧いています。

これまで、下諏訪温泉郷の立寄り湯には何度か入っていた山小舎おじさんですが、なぜか上諏訪の温泉にはご縁がありませんでした。

上諏訪の、表通り(国道20号線)から1本裏手に入った街中の通りを走ると、湯小路という交差点があります。
湯小路交差点を折れると、ひなびた街並みのはずれに年代物の立寄り湯の建物があります。

平湯から湯小路交差点方面をみる

平湯という建物です。
昔からあるお湯で、武士など支配階級が入る湯が別にあった時に、庶民(平民)が入る外湯として設けられたことから平湯と名付けられたそうです。
現在の建物は大正10年に建てられました。
上諏訪の歴史を感じる湯小路の街並みと、平湯の建物のマッチング感が絶妙です。
昭和30年代を想定した映画のロケがそのままでできます。

この平湯は、会員限定の入浴施設です。
会員の資格は年会費等を支払えばだれでもなれますが、現在はご時世柄、新規会員は募集していないそうです。

平湯の建物を側面から見る

すぐ隣に、これまた会員限定の上湯という外湯もあります。
これだけ平湯に近いと、源泉が同じで浴槽だけを別にした施設のようにも見えます。

すぐ隣にある上湯の入り口

この先へ入ったところにもう一軒、外湯があります。
大和温泉といいます。

入り口は注意していないと通り過ぎてしまいます。
通りから狭い通路を入ってゆき、そのお宅の中庭が「番台」になっています。
浴室は民家の敷地内にあります。
ご時世柄一時閉鎖していたとのことですが、現在では氏名、住所を記帳すると一般人でも入れます。
300円です。

大和温泉の入り口

山小舎おじさん、よそのお庭に入ったようで、恐る恐る申し出ると、管理の方は「入浴前に石鹸で体を流してください。浴槽が循環式ではないので」とのことでした。
普段、温泉には石鹸、シャンプーを持ってゆかない山小舎おじさん、恐る恐る「石鹸持っていないのですが」というと「貸してあげます」とのこと。
泡式のボデイーシャンプーボトルをお貸しいただきました。

いつだか、家族で立寄った下諏訪の菅野温泉で、小分けのシャンプーがないか?と聞いた我が奥さんに、番台のおばさんが「私のを貸してあげる」と言ってくれたことを思い出しました。

この大和温泉。
熱めのお湯がお約束の諏訪の例にたがわず、昔の夕方前の銭湯のように、体にヒリヒリとしみいるお湯が特徴。
かすかな硫黄臭とともにあふれ出る源泉は紛れもなく温泉浴のだいご味。
きっちりと体に温泉成分をしみ込ませていただきました。

ほかにお客がいないので浴室内を撮らせていただきました

いい温泉は、入った後に気分がリフレッシュします。
心地よく疲労感を感じるというよりは、むしろ心身(特に心の方)が一皮抜けたように前向きになるのを感じるのです。

この日もささやかに心身を脱皮させた山小舎おじさんです。

大和温泉とその並び