埼玉県所沢の狭山丘陵にある多摩湖の水を、東京の武蔵野市関前の境浄水場まで通していた水道道路があります。
大正12年に開通しました。
現在では埋設された水道管が浄水を運び、その上を緑道が走っています。
狭山境緑道です。
歩行者と自転車の専用道路です。
多摩湖の東京側の麓の東村山市を出発点に、武蔵野市の関前5丁目交差点までの約20キロのほぼ直線道路です。
途中の西武新宿線小平駅から終点の武蔵野市関前5丁目までサイクリングしてきました。
平日の午後、歩いているのは散歩の高齢者。
小学生低学年が下校の時間になりました。
あとは小さな子供とママさん。
舗道と自転車道路が分かれており、全体の道幅も広いので、歩行者も自転車も快適です。
沿道には畑が残り、ところどころに野菜の無人販売所が建っています。
収穫に季節にはさぞにぎやかなことでしょう。
また、沿道にはベンチとテーブルが設けられています。
児童公園も多々あります。
何より、暗渠化される前から沿道を彩ったであろう、並木の老木達に相当の年季が入っており、木々が作り出す自然と歴史の雰囲気が素晴らしいのです。
歩く人々もゆったりと和むはずです。
散歩やサイクリングに集まる人々を包み込むような緑道です。
道路は西武新宿線にほぼ沿って進みます。
周りはほぼ住宅地なのですが、畑や古い農家なども残っています。
小学校からは体操する児童たちの元気な声が聞こえてきます。
ふと見ると桜のような花が満開になっていました、木の麓には菜の花が満開です。
赤と黄色の春の共演です。
木の幹には「河津桜」と書いた札が掛かっていました。
寒桜で有名な河津桜の満開の光景です。
風が吹き荒れ、体感温度が低い日でしたが、春は確実に訪れています。
武蔵野市の関前5丁目という交差点で、緑道は突然終わりました。
狭山丘陵の水を都民に供給する水道とその上の緑道。
三多摩地区の文化遺産です。