ご近所立寄り湯めぐりVOL.1 鹿教湯温泉に秋を探す

長野は山国だから温泉天国です。
温泉といえば群馬県が一番数が多いとか、九州、北海道が有名です。
一方、町々の近場に手軽な温泉場があるという点では長野は有数なのではないでしょうか。
何せ四方八方が山ですから。

全国的なビッグネームの温泉は少なく、せいぜい、別所温泉が有名なくらいでしょうか。
一方、知る人ぞ知る、渋い温泉は多そうです。
また、今はやりの複合施設のスーパー銭湯的な温泉施設は県内各地にみられるようです。

今日は、丸子温泉郷の鹿教湯温泉ということころへ行きました。
山小屋から40分ほどの距離。
今日で、おじさん、3回目の訪れです。

ちなみに山小屋から1時間県内にある温泉はほかにもたくさんあります。
鹿教湯温泉から青木村の間にある、霊泉寺温泉、沓掛温泉、田沢温泉など。
諏訪湖側には、上諏訪の町中に点在する上諏訪温郷。白蓼科山の中腹の蓼科温泉などです。
別所温泉も近いです。

鹿教湯温泉は、鹿に化身した文殊菩薩が猟師に教えたといういわれをもち、国民保養温泉地に指定されています。歓楽的な要素はありません。

今時の地方温泉街の例にもれず、すたれた雰囲気もあるが、文殊堂などの文化財と季節ごとの風景の見事さで一定の人気を保っています。

古い温泉場の雰囲気は残っています。
いたるところに湧水がわき、文殊堂、薬師堂などをめぐると、俗気との隔絶感に浸ることができます。

長野の温泉地に必ずある、共同湯。
鹿教湯温泉の共同湯は文殊の湯といいます。
300円で入浴できます。無色透明な湯。
一度入るとその日は入浴不要なほど温まります。

そばを流れる渓谷のもみじを眺めながら、温泉の恵みに浸りました。

 

極私的信州上田巡りVOL.4 最新街中点描

上田巡りの続きです。
とんかつを食べ、駅をふらふらした後、おじさんは街中へ出ました。
この日は秋晴れの土曜日。寒くもなく、暑くもなく。
観光客の姿も、駅周辺や古い町並みが見られる柳町界隈にちらほら。
おそらく上田城もたくさんの人出でにぎわっていることでしょう。

今日のおじさんの楽しみは、まず、昼食のとんかつ。
それから街中の菓子屋で団子とおやきを買って食べること。
どこかでコーヒーを飲んで休み、上田映劇で、映画を1本見ること。

演劇小屋から出発した、歴史的な映画館・上田映劇が上田の町に残っています。
ミニシアター的な映画作品上映と、貸しホール収入で運営してます。

この日は寺山修司特集。
遺作の「さらば箱舟」を上映しています。
今時貴重な35ミリフィルムでの上映とのことでした。
集客は10人。

寺山修司の映画作品といえば「書を捨てよ街へ出よう」「田園に死す」の自伝的な、実験劇場的な作りがイメージされます。
のちに東映で、菅原文太と清水健太郎の出演で「ボクサー」といういわゆる一般映画も撮っています。

今回見た「さらば箱舟」は、寺山の個人的趣味はわきに置いた、出演者・山崎努と小川真由美の映画になってました。
撮影の鈴木達夫の凝った映像もあり、ますます寺山らしさが、良くも悪くもなくなってました。

ちなみに、フィルム状態ですが、古いプリントに見られる、いわゆる雨降りやコマ切れはなかったのですが、発色が青みが買っていたのが気になりました。
セリフも聞き取りずらかったのはおじさんの老人性難聴のせいばかりではないでしょう。
上映プリントが青みに強いフジカラーだからでしょうか?
音の再生も併せて、デジタルに慣れてきた観客にとって、フィルムでの上映は懐かしくもあり、物足りなくもあるようです。

(街角点描)

かつての盛況の名残か。古い蔵があちこちにみられる。

上田で2軒あった老舗の古本屋のうち1軒が閉店に。

駅前通りの1本裏の銭湯。いい感じです。

手裏剣の選手権まで行われる。

団子とおやきを買いました。

上田名物のうまタレ焼き鳥の店。

極私的上田巡りVOL.3 駅周辺をさまよう

上田巡りの続きです。
生島足島神社にお参りした後は、上田駅を目指しました。
軽トラを駐車場に止め、まず昼食です。
地元で有名なとんかつ屋、力亭へ行きました。
駅前の飲食店街にあります。

鰻で有名な若菜館や馬肉うどんの田中屋の近くです。

ロースかつ定食を食べました。
肉厚なのに柔らかい。
みそ汁、漬物がうまいのも地方の名店らしい。
キャベツがなくなると追加してくれる。
満足感がありました。

上田のとんかつ屋はこれまで、仔豚屋、六文銭、実楽亭へ行きました。
おもてなしするなら、力亭か六文銭。
がっつり食べたいときは仔豚屋。
一人でもう一度行くなら実楽亭です。

力亭を出て、上田駅へ向かいます。

駅ビルにある、上田から揚げセンター。
際物っぽい感じですが、どっこい。地元客が押し寄せるだけあります。

から揚げ定食の満足度は、全国チェーンのバーミアンの比ではありません。
夕方から居酒屋となり、1時間飲み放題で960円とのこと。いつか行かずにはおれません。待っててください。

上田駅舎へ入ります。
JR新幹線としなの鉄道と上田電鉄が乗り入れる駅です。JRが運航するのは東京と金沢を結ぶ北陸新幹線だけです。

群馬県の高崎から、スイッチバックで碓氷峠を越えてきた旧JR信越本線は、軽井沢、篠ノ井間が第三セクターのしなの鉄道に移管されました。

上田電鉄は、もともとローカル私鉄で、上田を中心に今は別所温泉までの一路線を運行しています。

改札近くに立ち飲み屋が出店しています。

今時の地方都市は、街の中心部の商店街には人がいません。
ひとが集まるのは、郊外のショッピングセンターです。でも駅だけは、人がいるのです。

その町の人が集まり、雰囲気を味わえる数少ない場所、それが駅なのです。
駅側もそれなりに集客に努力しています。
大都市の駅ビルほどではないにせよ、商業ビルを隣接させたり、飲食店を誘致したりしています。

地元の人が休み、時間をつぶせる数少ない場所が駅なのかもしれません。おじさんが知らない町で行ったときには、商店街や市場へ行きます。それらがなかったり、著しくさびれている場合は、駅へ行きます。デパートがあればデパ地下へ行きます。どこかに、その町らしさがあるものです。

極私的上田めぐりVOL.2 生島足島神社へ

上田へ行ってきた。
山小屋からみて、一番近い都市は茅野だが、山小屋の住所である小県郡(ちいさがたぐん)は上田地方に属する。

茅野から大門峠を越えると、途端に人気が少なくなり、ローカルな雰囲気になるが、かつては上田は信州の中心地だった。
例えば、江戸時代以降、江戸を出発する五街道が整備される前のこと。
当時の中央、近畿を出発し、東国・陸奥を目指す東山道は上田を通過した。

そのころ各地の中心部に置かれたのが国府や国分寺。
信濃の国府と国分寺は上田に置かれた。
関東は武蔵国といい、国府が現在の府中市に置かれた時代である。

戦国時代には、実戦に強い真田氏の本拠地であったことは有名。

近代にあっても、鉄道が引かれたのは諏訪地方より先。このころは、諏訪の人が東京へ行くのに、一日かけて徒歩で上田に出、汽車に乗ったという。
戦前、県内の遊郭は、長野、松本と上田にだけあったとのこと。
それだけ上田盆地に物資と人が集まり、産業が起きたということだ。

今は、ひっそりとしたローカル都市だが、街の隅々に味があるのは、豊かな時代を経た名残なのだろう。

上田地方の信仰の中心が、生島足島神社。

10世紀の律令時代に編纂された、延喜式に載っているいわゆる式内神社。
成立時期が不明、というほど古い。

本殿の周りを池が囲うという何とも言えぬ雰囲気のある神社で、折々に市民が集う。

おじさんは何度か訪れている。
去年来たときは、神楽殿で小学生の巫女さん3人が舞っていた。
神楽殿のすそでは、巫女デビューする後輩を見守る中学生くらいの女の子たちが舞いを見守っていた。
伝統が継承されているのを感じられたものだった。

山小屋の毎年のお守りは、ここと、諏訪大社でもらうことにしている。

諏訪と上田の二大古社に毎年挨拶しているわけだ。

この日は七五三で、本殿で祈祷を受ける家族連れが並んでいた。

いつ寄っても、堂々として気品のある所なのがいい。

境内の直売所を覗いてみると、柿やリンゴを中心に、付近の農産物が売られていた。
細長型の渋柿が15個も入って250円だったので買った。干し柿を追加する。

 

定年おじさんの 極私的上田めぐりVOL.1

上田市はおじさんの住む別荘地の行政的な中心地。
距離的には茅野市のほうが近いけどね。

上田で食事

上田といえば真田。だが、食べ物もうまい。
蕎麦、鰻、とんかつが有名だが、五目焼きそば、ラーメン、洋食もうまいところがある。

今回食べたところはカレーで有名なベンガルのポークカレー。正統派の味です。
付け合わせのサラダは、大きめに切ったコールスロー。何気ないところも手抜きしない店はいい。

蕎麦の刀屋も有名店。

五目そばの福昇亭は、いつも満員。

信州はポークもうまいが、上田中心部で地元の客が引きも切らないのが、こぶたや。
荒いパン粉に、決して柔らかさ一辺倒ではない、大きな肉。いやというほどとんかつを味わえる。

こぶたやの力強い看板。

鰻は駅前の若菜館かな。
名物馬肉うどんは、駅前の田中屋で食べられる。
新しい名物では、駅ビルのから揚げセンター。決して際物ではない。

夜のメニューはタレ焼き鳥が有名だが、おじさんはまだ上田で飲んだことはない。残念。

上田のデザートは?

地元っ子の甘味のソウルフード。富士アイスはいつも並んでいる。
今川焼を箱で買う人が多い。小型のソフトクリームが150円。

おやきや団子のやまざきや。
おやきの皮がもっちりしてうまい。おじさん、おやきに慣れていなかったが、ここのおやきを食べて好きになった。

ほかにも、みすず飴や、長野市本店の竹風堂のどら焼きなどもうまい。

上田では上田映劇を見逃すな

古いものが残る街、上田では昭和な風景が渋く残っている。

中心部で異彩を放っているのが、大正6年に芝居小屋からスタートした上田映劇。現役の映画館。
「あさくさ雷門ホール」の看板は、全国各地に銀座と名乗る繁華街があるのと同じコンセプトか。

街中の古い造りの元商家が、祝日を祝う。

今は廃業した造り酒屋。

こんな小路もある。

北国街道沿いの歴史の町

上田はすぐ近くに信濃国分寺があった場所。
かつての信濃国の中心地だったわけ。
新潟へと抜ける北国街道に面してもいる。

北国街道沿いにかつての面影が残るのが、柳町通。
岡崎酒造では地酒の亀齢を造る。真面目、正直な味わい。

隣には天然酵母パンで有名なルヴァン。

街の風景に溶け込んだような銭湯。

町の中を川が流れるのも風情。

一方、人口比で飲み屋の数が多い上田は、飲み屋街が充実。夜は楽しそうだ。まだ飲んだことはない。

おじさんの高遠小旅行

日頃の山小屋単身暮らしの気分転換に、定年おじさんは高遠に小旅行しました。

茅野に下り、杖突街道を走る

今日は、山小屋から茅野に下って、床屋へ行きました。茅野のビーナスライン沿いの床屋、若いスタッフが丁寧にやってくれました。
いちいち、苦しくないですか?熱くないですか?と声掛けしてくれました。
最後に年齢を確認して、シニア料金にしてくれました。シャンプー、顔そり付きで1750円でした。

気晴らしにそのまま、高遠方面にドライブしました。
茅野市内で国道20号線を超え、高遠方面へ峠を目指します。
国道152号線。杖突街道を軽トラで走ります。
峠を越え、谷あいの集落と、色づき始めた田んぼを眺めながら。

途中の直売所で休憩。店番のおばさんに今年のマツタケの出来具合などを聞きます。
今年はいいみたい。最盛期は10月、とのことでした。
やがて街が見えてきて、高遠町に到着です。

高遠の商店街を散歩

高遠は、市内の高遠城址公園の桜が全国的に有名です。伊那市街へ向かう国道361号線沿いに商店街が続きます。
店店は白壁も新しく、町おこしされています。
伝統のソバ屋、菓子屋などの間にカフェなども散見されます。
不動産屋の店先に「田舎暮らし希望の方へ古民家を紹介します」の張り紙があるのも時代にタイムリーだと思いました。

まず、地元の守り神の槍持神社に参拝。
境内の巨木と長い階段に圧倒されました。
境内のすぐ隣の建物が、廃屋のように窓ガラスが割れ放題なのが目を引きました。
商店街に戻りぶらぶらしました。

古書店の主と話す

商店街の一角に古書店がありました。定年おじさんは古書店を見かけると素通りできないたちです。

店内に入ると早速店主がいろいろと案内してくれました。
ざっと見て県内の資料関係が主な品揃え。
その話を振ると、「かつては雑多な品揃えだったが、店のスペースの関係もあり、また雑然としたレイアウトが嫌いなため、郷土関係に絞っている」とのこと。
松本と上田で行われる古本市が主な仕入れ先だとか。

店主の話が面白いので、部落関係、被差別民関係など、定年おじさんが興味のある話を振ると、店内の関係書籍を示してくれました。
それらの本は、多くが箱入りの専門書で、店主の関心の深さが見て取れました。
店主の興味がおじさんと割と近かったので、話が弾みました。

結局、上田在住の古書店主の周辺雑記という「裏町文庫周辺記」という本を購入しました。
地元の人が書いた、地元ならではの本がないか?というリクエストに応え、店主がわざわざ書庫から出してくれた本でした。
また、明日から、TAKATOU  BOOK  FESというのが開かれるというので、来てくれとパンフレットをもらいました。

市内にはほかに2軒、古書店があるとのこと。
県内の古書店が次々に閉店している状況にもかかわらず、うれしいことだと思いました。

商店街裏手の食堂でラーメンセット

軽トラは、商店街の一角にある無料駐車場に止めたのですが、神社への参拝の途中、目に留まった食堂がありました。
高遠町総合支所、旧町役場でしょうか、そこの近くにあ。る食堂でした。
今日のおすすめメニューなどが出ています。
役場の近くで、おすすめメニューがある食堂なんておいしそうではないですか。

入ってみると果たして、すでに4組のお客がいました。残ったテーブルは1つだけの状況です。
今日のおすすめの中から、ラーメンとマグロソースカツどんを注文しました。

ソースカツどんのたれな甘さは期待通りでした。
ラーメンは思った以上にあっさりしていました。
ほんのりとゴマ油の香りがしましたが、動物性のこってり感はほぼゼロでした。
定年おじさん的には好感度マックスに近い味で、完食でした。
店内を見回すと、アナウンサーの羽鳥慎一の色紙がありました。

伊那市街に下り、国道153号線を北上。山小屋へ帰りました。