人参を直播、ハックルベリーを収穫

8月は秋野菜の作付けの時期です。
今日は人参に種を蒔きました。

まず人参用の畝を切ります。
一度荒起ししてあった場所に管理機を入れて再度耕してあります。

その場所を改めて鍬で3畝に切ります。
6月まで玉ねぎが植わっていた場所です。

ホクホクとはいわないまでも、もう少し土壌がほぐれていてもいいかな、と思う程の堅い土。
田んぼだった粘土質の土壌とはいえ、野菜畑への道はまだまだ険し、といったところでしょうか。
物理的にも化学的にも、毎年毎年、少しずつ改善してゆくしかありません。

人参の種はなぜか例年、黒田五寸という品種を選んでしまいます

レーキで畝を均して種を蒔きます。
この後、もみ殻をかぶせるつもりだったのですが、もみ殻は残っていないことが判明。
いつもの思い込みの失敗の後、もみ殻代わりの燻炭をかぶせ、たっぷりと潅水。

東京の一坪農園で8月に人参を蒔いたときには、種まき前にバケツで水をまき、どろどろにしたものでした。
種を蒔いた後は、濡れた新聞紙を上からかぶせ、発芽まで保湿しましたっけ。

今回は不織布でマルチングします(もみ殻は忘れましたが・・・)。
不織布の保湿効果はキャベツの春作で実証済み。

この後、お盆などで畑に来れないことが予測されます。
1週間ぶりに畑に来てみたら、カラカラに乾いた新聞紙の下で、わずかな発芽がひょろひょろしていた年もありましたっけ。
さて今年はどうなるのでしょうか。

畝に燻炭を蒔き、えひめAIの希釈液をたっぷり潅水します
上から不織布をかぶせて出来上がり。発芽後、不織布を外します

ハックルベリーが実りました。
アントシアニン由来の紫色も濃くなり、実も重々しく、熟した感じになりました。
お盆と重なり、東京への出荷のタイミングは逃してしまったので、山小屋でジャムに煮ておくことにします。

ナス科のハックルベリーは生食は無理ですが、アクを抜いてジャムにします
希望小売価格換算で200円ほどの収量となりました

ハーブたちに花が咲きました。
葉物の出荷は難しく、ツルムラサキやパセリなどは出荷の間にしおれてしまいがちなのですが、畑では元気です。

ペパーミントの花が咲きました。
初めて見ました。
パクチーも咲いています。
このまま種を実らせて採取でもしましょうか。

ペパーミントに花が咲きました
パクチーの花もきれいです
今日の収穫。別荘地の知り合いに配る予定です
トウモロコシ。初収穫は1週間後?
ネギを初収穫。薬味に使います。

畑は秋作の準備

梅雨の長雨にばかり気を取られていた今シーズンですが、気が付くと8月になっていました。

畑は秋作の準備の時期です。

大根、ニンジンの種まき、キャベツ、白菜の定植の時期です。

そこで大家さんから管理機を借りて秋作の予定地を耕しました。

予定地を耕す。向こう側に長ネギとヤーコン。

野良鹿による食害で全滅したジャガイモの圃場を耕します。
その後放っておいた場所ですが、2度ほど草刈りをしていました。
草刈りをしていたせいで、耕耘がスムースにできました。
この間の晴天で土も乾いており、いい具合にほぐれました。

この後は、畝を切り、雑草の切れはしを取り除いて、キャベツと白菜の苗を植え、トンネルをかけようと思います。

耕しているときに、ジャガイモの元肥に入れた牛糞の匂いがしました。
春作の元肥が残っているのでしょう。
それだったら秋作用の元肥は燻炭と石灰くらいでいいのかなと思います。

ここまで書いていてふと思ったのですが、ジャガイモに鹿を呼び寄せたのは牛糞のせいかもしれません。
牛糞を積んである場所が鹿は大好きで、かけてあるビニールを破ってまで牛糞に群がっているのです。
牛糞自体を食べるのか、匂いにだけ惹かれるのかはわかりませんが。
牛糞につられてジャガイモに気が付いたのかもしれません。

来年の課題がまた一つ増えました。

秋作予定地と夏の田園風景

人参用の畝立て予定地にも管理機をかけました。
真夏に蒔く人参はうまく発芽できるかどうかが肝になります。
今年は、乾燥防止のために種の上にもみ殻を撒いてみようかと思います。

大根の予定地にはスコップを入れて深く耕さなければなりません。
大変ですがお盆前の作付けを目指して頑張りましょう。

ついでに畝間に管理機を入れて除草を兼ねた中耕をしました。

小豆が順調に育っている。畝間を中耕する
長ネギとヤーコンの畝間も耕す

真夏の畑。近くのJAの気温計は34度を示しています。
熱中症に気を付けての作業です。

玉切り、薪割、積み込み

待ちに待った夏の日差し。
まちかねていた夏の行事が目白押しです。
夏野菜の世話と収穫、梅の土用干し、布団干し、室内の空気入れ替え、薪の乾燥・・・。

そうなんです。
高原の短い夏は野菜の世話に追われるだけではなく、来るべき冬に備えての薪割と乾燥の季節でもあるのです。
薪割のスケジュール上では、来るべき冬といっても、
今年の冬のことではなく、来年の冬のことなんですが。

ということで、新しい乾燥台も設置したことですし、そこに乗せる薪を準備しましょう。

乾燥台に載せる薪ですが、下の方に積む薪は重く、大きめがいいのです。
ラックに収納するような場合はともかく、薪自体の組み合わせでバランスを取る積み方では、下は重く、上は軽く、また前後左右の重心にも注意します。
したがってまずは重めの薪を調達します。

まずはチェーンソウの準備です。
オイルと混合燃料を注入。
刃を研ぎます。

刃研ぎこそがチェーンソウワークの肝といっても過言ではありません。
気持ちよく作業が進むか、それとも中腰が痛むだけで全然はかどらないか。
まっすぐ刃が進んでゆくか、それともまがって進み丸太が斜めに切れてしまうか。

刃の切れ具合がすべてを左右します。
ほんとに切れなくなったら刃を替えるしかありません。
左右の刃の切れ味が変わらないようにやすりを入れます。

直径4ミリの専用やすりを使います
上下と左右の角度に気を使いながら刃を研ぎます

次に貯木スペースに太めの丸太を探します。
これは去年調達した丸太です。
これを切ることにします。

横たわった丸太の上から切ってゆきます。
玉切りの作業の肝は丸太の「転がし」ができるかどうかです。
上から丸太を切ってゆき、重心の関係で刃が挟まって抜けなくなることもない、としましょう。

それでもそのまま地面まで刃を進めることはできません。
チェーンソウの刃は石やコンクリ、金属はもちろん、地面をかむことで切れ味が格段に落ちてしまいます。

丸太を玉に切ることはすなわち、丸太を転がして刃が入る面を上部に持ってゆけるかどうかがすべてなのです。
ちなみに丸太は一人の力では持ち上げることはもちろん、転がすこともできない重さを持っています。

今回はてこを使って丸太を転がしました。
無事、6つの「玉」に切り離すことができました。

乾燥台の土台にはこれくらいの太さの薪が必要です
上から切れ目を入れた丸太をてこで転がします
無事6つの玉にカットできました

玉切した丸太を軽トラの荷台に乗せ運びます。
太い丸太の「玉」は持ち上げるのもぎりぎりの重さです。
薪割場に玉切りした丸太を持ってゆき、薪割します。

玉切りした丸太を軽トラに積んで運びます。断面はまっすぐです
断面がずれている丸太。チェーンソウの刃の研ぎが偏っていたのです

これくらいの「玉」になると、斧での一刀両断はとても無理です。
端からそぐように斧で割ってゆく方法もありますが時間と体力がかかります。

そこで楔を2本用意して打ち込みます。
この方法だとよほど節が入り込んだ「玉」でもない限りは割ることができます。

割った薪を積んでいって乾燥させます。

楔2本で割ってゆきます
2本の楔を打ち込んでゆくと繊維に沿って割れてゆきます
玉切りした丸太が4つに割れます
薪を乾燥台に積んでゆきます。来年の冬の燃料です。

いつの間にか秋野菜の作付けの時期になっていました。
例年、暑い盛りにニンジンの種をまきます。
今年もその季節になりました。

ニンジンの畝を荒起しします。
もっとさらっと土が起きてくれてもよかったのですが、田んぼだった粘土質の土地。
しっかり固まっています。

この段階で燻炭とえひめAIをかけて置きます。
お盆前までにニンジンの種をまく予定です。

ニンジンの畝をスコップで起こします
もみ殻燻炭とえひめAIをかけておきます

小豆の畝を除草しました。
思いがけずにうまく育っている小豆。

鞘ができていました。
マメ科の植物特有の鞘です。
この中に小豆豆ができてゆくのでしょう。

山小舎のポットで発芽し、定植後もほとんど肥料もなく、雑草にも負けず淡々と育ってきました。
これが地元の種の強みというのでしょうか。
収穫を期待しましょう。

小豆の実がなっています

高原に早くも秋風?

8月になって梅雨の空けた甲信地方。
標高1300メートルの山小舎ではお盆を過ぎると秋風が吹く。
北海道と同じだ。

8月になってやっと夏の光が差した高原の朝。
強い日差しを縫って一陣の涼しい風が吹いた。
あれ?夏になったのではなかったっけ?

間2日置いた畑へ。
夏の畑は猛暑。
汗だくになって日差しと闘う。

あれ?妙に涼しい風が吹いたぞ。
いつもの山間部の自然の涼風というよりは秋を感じさせる風。
よしてほしいが、梅雨が上がったらもう秋なのか?

夏が過ぎ去らぬ前に、下の畑から見える風景をパチリ
下の畑から隣の山を望む。まさに「分け入っても分け入っても緑」

今日の天気予報は午後から雷雨の可能性ありと。
畑から山小屋へ戻る道すがら、空気は肌寒く、路面は濡れている。
予報通り降ったのか。

山小舎と畑に吹いたあの涼しい風は、季節を問わず雨の前に吹く一過性の冷たい風に過ぎなかったのか?
それとも前途に予断を許さぬ昨今の時代を象徴するかのような「梅雨の後の(夏が到来しないままの)秋風の第一弾」だったのか?

上の畑のトウモロコシの穂越しに夏の山
この日は落花生の畝の除草と土寄せを行う。やや育ちが遅い落花生
ヤーコンはたくましく雑草を組み敷いて天を突く
日陰に植えた里芋もここまで育ちました

山小舎の燃料・薪の乾燥台を設置

山小舎の燃料は薪です。
暖房の主力として、また煮込み料理と湯沸かしの燃料として薪を使っています。短時間の調理と風呂沸かしはプロパンを、また補助燃料として灯油も使っています。

12月から3月までは山小舎にいない、とはいいながら、夏の一時期を除き肌寒い日が続く山間部では暖房用燃料が必須です。
実感的には9月から6月までは暖房が必要な山小舎暮らしです。
薪ストーブが主暖房の山小舎にとって、薪の備蓄は生命線です。

夏前に、丸太を薪に割って乾燥台に乗せ、翌年の暖房用とする。
つまり、2回の夏を越えた薪が燃料には最適といわれています。

山小舎では1回の夏越えで使っています。
ただで入手できる丸太は雑木(カラマツ、白樺など)なので、本来の薪の材料といわれているナラなどの広葉樹より乾きやすいからです。

束などで売っている薪はナラなどの広葉樹。
密度がある材質で、重く、乾きずらいのですが、火持ちがよいのがナラ材です。

反面、ただで入手できる針葉樹や白樺は、熱量が高いのですが短時間で燃え尽き、商品にはなりません。
カラマツなどは発する熱量が高すぎて、普通のストーブでは素材を傷めるとして忌避されています。

山小舎のストーブは薪の材質を選ばないので、タダでもらえるのなら材質を選ばず、丸太を集めています。

集まった丸太はチェーンソウで40から45センチの長さにカットし(玉切りと呼ばれる作業です)、それを斧やくさびで割って薪にし、積み上げて乾燥させて使うのです。

今日は薪を乾燥させる台を新たに作りました。

去年積んだ薪をベランダなどに移動します。

1年たった薪をベランダに移動してゆきます

薪を除き終わったら、乾燥台として使っていた木製のパレットを取り除きます。パレットは不要になったものをJAからもらってきて使ってました。
2年使ったパレットは雨水で腐りかけています。

古いパレットを除きます。雑草や枯葉で地面が雑然としています。

そこで新しいパレットを用意し乾燥台を新調します。

地面を整地し、水平と高さを考慮しながら新しいパレットを置きます
大きな角材で土台を強化。右の植物はグズベリー。実がなるので残しておきます

設置する場所は風通しがよく、日が当たる場所を選びます。
山の斜面に立つ山小舎周辺では、駐車場所として使っている水平の盛り土エリアの端っこが乾燥場所です。

乾燥台周辺の草を刈り、植木などを整理します。
一番肝心なのは、パレットの水平と土台の強度、そして高さです。

相当の重量の薪を積むのですから土台の強度が重要ですが、バランスの取れた積み方をするためにも土台が水平であることが重要となります。
また、乾燥を進めるためにも地面から15センチ以上の高さが必要となります。

今回は材木店から入手した角材を土台に使い、地面を掘ったり、石を使ったりして微調整。
何とか、水平で高さがある土台ができたようです。

この土台に2列、高さ2メートルほどに薪を積み上げる予定です。

早速、玉切りした丸太を持ってきました。これから薪割です

山小舎に夏日到来

待ちに待った夏が高原の山小舎にやってきました。

雨音を聞き続けた日々が終わりました?

朝起きると朝日が木々の間から注いでいます。

連休に使ったままになっていた客布団を干しました。
シーツ類は天気を当てにせず、洗ってストーブで乾かしてしまいました。

乾燥台の上の薪たち日差しを浴びて気持ちよさそうです。
薪たちは連日のように雨水を浴びていましたから。

例年より遅れましたが、梅干し漬の土用干しを始めました。
梅は例年通りによく漬かっています。

3日ほど、梅も赤ジソも天日に当てます。
梅酢も瓶に移して天日に当てます。

山小舎中の窓という窓を開け放ち、2階の畳を水拭きしました。

今月、娘のママ友一家が来訪する時にはこの部屋に泊まってもらおうと、片付け中の部屋です。

野菜の出荷が順調

7月下旬の畑です。

トウモロコシが順調に穂を出し始めています

キューリがガンガンなり始めました。

キューリの実は少しでも取り遅れると巨大化します

地元品種の丸ナスが実をつけました。
自根の苗を植えたことでもあり、内心は期待していなかった品種です。
うれしいことです。

長野県名産の丸ナスです

トマトが色づき始めています。

この日の収穫。
調布の柴崎彩ステーションに3回目の出荷をしました。
キャベツ9個、ナス3袋(うち丸ナス1袋)、インゲン3袋、トマト1袋、夕顔1個、などです。
最後の収穫となったキャベツが中玉以下だったため単価50円となり、合計1750円の出荷でしたが完売とのことでした。

この日の収穫。右の巨大な実は夕顔です、かんぴょうの原料にもなります

キャベツの収穫が終了となったのはべと病発生のためです。
長雨のため病気発生は仕方ありません。
収量は半減しましたが、不織布に寄るトンネル栽培の効果を確認できたなどの「収穫」は大でした。

ミニトマトが色づいてきましたが、実が全部割れています。
これが雨の害でしょうか?
また、トマトの木の下部から葉先が枯れたようになってきています。
長雨と日照不足に寄る病気のようです。
とりあえずその部分を取っていますが、実と株そのものに影響が出ないように祈るばかりです。

トマトの実です。このまま色づいてほしいところです

夕顔がものすごい勢いで弦を伸ばして実をつけ始めています。
隣のゴーヤと一体化して繁茂しています。
実に栄養を回すため、親弦は止め、子弦も見つけ次第止めています。
どのくらい収穫があるのか楽しみです。

今年の特殊な気候の中、どの作物、どの品種が逆境に強いのか?それとも弱いのか?はっきりしてきたような気がします。

官製「with コロナ」の社会状況の中、存在意義が浮き彫りのなってゆくであろう「ニンゲン」という品種も、その意味では畑の作物たちと同様なのでしょうか?

「選別の季節」?の到来です。

記憶にないほどの雨量

今年の梅雨は梅雨前線が日本列島に張り付いて動かなく、必然的に連日の降雨とその結果としての水害に見舞われています。

山と川に刻まれた箱庭のような日本列島においては、必要以上の降雨は災害に直結します。

連日のニュースでは前線の停滞と、連日の大雨と、水害の警告は流していますが、なぜ梅雨前線がいつまでも停滞しているのかについてはほとんど触れません。
「記憶にないほどの雨量が予測されます!」「身を守る行動をとってください!」とは言いますが。

まるでコロナの感染者数はトップニュースとして連日大々的に発表し、感染防止を呼び掛け、医療崩壊を懸念するのに、コロナそのものの相対的位置づけについてはほとんど言及しようとしないテレビニュースのようです。

山小舎も7月に入って雨の日が多いのです。

曇天の元、常に雨で湿っている別荘地内

普段は水無川の水路にも2,3週間連続で水が流れています。

山小舎の二階から裏の水無川を見る。濁流が流れている

薪の乾燥台も雨に濡れっぱなしです。薪割作業が進みません。

乾燥台も薪割スペースもすっかり濡れそぼっている

地面が乾く暇はなく、傾斜地は雨水の流れが地面を掘ってゆきます。

雨が跳ね返る庭の片隅

山小舎のある別荘地自体は、地盤が固い山の斜面にあるので、砂利道や水路が掘れる程度で被害は少ないのですが、雨水が集まるふもとの河川は常に濁流が流れている状態です。
別荘地管理事務所の作業バイトも休みのことが多く、何より高原の夏らしい気候が少ないのが残念です。

軒先から雨水が垂れている

毎年6月下旬には現れるオオミズアオという大きな蛾の姿を今年は見ていません。
去年は木にたくさんとまっていたカブトムシが全くいません。
庭のスグリの実は色づきましたが味が甘くありません。
今年は何か変です。

連休の1日、おじさんの孫一家が山小舎にやってきました。
近くでブルーベリー狩りをしたり、山小舎おじさんの畑でキューリ、ナスを収穫。
雨の長門牧場で綿羊に餌をやり、上田まで下りて上田城を歩いたりしました。

ブルーベリー狩りを楽しむ
長和町内の長門牧場は子供たちのお気に入り。アルパカに触る
上田城を散策。場内の真田神社にお参り

久しぶりに山小舎に活気が溢れました。

畑の夏野菜が元気!

7月中旬の畑。
毎日通うのは無理でも1日おきくらいには通いたいところです。

5月中旬に定植した夏野菜の苗が実をつけ始めるころです。
キューリ、ナス、トマトなどの夏野菜はアマチュア農園の主役です。
苗が元気に育ち、実が鈴なりになる彼女たちの姿は、畑のスターそのものです。

よく考えると、小さな苗から数十個もの実がなるとすれば、それは奇跡的なことなのではないでしょうか。
品種が改良されてきたとはいえ、いや品種改良されたからこそ、作物には人の世話が必要になります。

おじさんの子供の頃、トマトやキューリなどは夏限定の野菜でした。
近所の畑では、マルチも使わない完全露地栽培で夏野菜は作られていました。
竹の竿を組んだ支柱に支えられ旺盛に育つトマトの木と、大きく平べったい実と、濃い青臭さが強烈なその味を思い出します。

その当時のトマトは雨に当たっても実が割れるようなことはなかったといいます。
今、トマトは、雨除けの資材の元、トマトトーンという実を肥大させるホルモン剤をかけられ育てられています。
専用の土も売っているようです。
出来上がった実はまん丸くなります。
味は青臭さや酸味を抑えた甘み重視です。

それもいいと思います。
またトマトという作物は、技術的に追及しがいのある作物だとも思います。

閑話休題。

何が言いたいのかというと、実のなる作物はもともと人為的な植物なので、資材、施肥、剪定、等々の世話が必要不可欠であること。
とはいっても品種改良が進みすぎ、付随して世話のかけすぎなのではないか、ということ。

トマト、ナス、キューリは夏の楽しみなので、畑に不可欠ではありますが、たとえば同じトマトでも、原種に近いミニトマトは圧倒的に作りやすい(必要以上に世話しなくても育つ)ように、原種に近い品種を選んで育てたいと思ってしまうのです。

また、夕顔など、商品性に乏しいためか品種改良が必要以上に進んでいない作物は作りやすいことがわかりました。
在来種などにまだまだ隠れた「作りやすい」作物があるはずです。
今後の課題にしたいと思います。

在来品種よ、山小舎おじさんの畑にウエルカム!

さて、この日の畑。

長雨で土壌が水浸しになり、土寄せどころではなかった長ネギの畝。
雑草を手抜きし、乾き始めた土をネギの根元に寄せました。
長ネギは茎が分かれるところの高さを目安に土寄せしておくと、白い部分が長くできるのです。
品種は松本1本ネギという在来品種。
おじさんでも作りやすいような気がします。

土寄せをした後の松本一本ネギ

インゲンに花が咲き、実が付き始めました。
マメ科なのでほとんど肥料ナシで作ってみましたが、土壌そのものの養分が足りないせいか、木の育ちと実のなり方が物足りません。
収穫を開始しつつ、化成肥料を追肥しました。

これはインゲンではなく、ヤーコンの畝です。スイマセン

小豆に花が咲きました。
今のところ追肥なしで育っています。

青々とした小豆。黄色い花が咲いています

ショーガの芽が出ました。
里芋の隣の半分日陰の場所で育っています。

発芽率は良くないもののショーガの芽が出ました

里芋は芽が出て徐々に芽を伸ばしています。
マルチを敷いた里芋は追肥なしで11月まで頑張ってもらいます。

里芋がぼちぼち・・。

食用ほうずきです。
栽培地域も限られ、需要も少なく、おそらく品種改良はそんなに進んでいないんでしょう。
毎年元気すぎるほど育ってくれます。
どんどん脇芽が増えるので、茎の下の方の脇芽を摘み取るくらいの世話をしています。

この食用ほうずきや、ハックルベリーなど、在来種とはいえないまでも地域限定の作物は丈夫で作りやすいのです。
頑張ってください!

食用ほうずきの実が付き始めました
この日の収穫。キューリの勢いが復活です。

高原の畑に真夏到来!

令和2年も7月中旬になりました。
ニュースは毎日コロナ三昧。
梅雨とも思えぬ前線の停滞で九州を中心に大水害の発生。
世の中は今、平穏なのか、それとも国難状態への入口なのか。

コロナが発生すれば、患者の居住地域と年代まで都度発表される程度の「清浄地」長野県にあっても、歴史的降雨量を記録した梅雨が居座っている令和2年の7月です。
令和元年の台風被害のインフラ復旧も終わらぬまま、新たな水量がひっきりなしに山から川へと流れ続けています。

やがて梅雨も開けようかという今日この頃。
久しぶりの晴天に恵まれました。
朝起きて、豪雨か霧雨か肌寒い曇天か、の空を見続けたこの2,3週間。
久ぶりのお天道様です。

晴れてみるといつの間にか世の中は夏になっていることがわかりました。
高原にも真夏の季節がやってきました。

畑から南東の笠取峠方面を望む。夏の雲が出ている

畑の標高は700メートルほど。
高原というほどではありません。
夏の高温で地元では有名な上田盆地の端っこに位置するだけあって、おじさんの畑も夏は基本、カンカン照りです。

もっとも山裾に広がる緑一色のロケーションだけあって、昼間暑く、朝夕冷涼な気候は、暑さを好むトマト、ナス、ゴーヤから冷涼を好むキャベツ、レタス、白菜までの作物に適しています。
カンカン照りの畑に時々吹く涼しい風も夏の畑仕事の慰めになります。

これは畑から北、白樺湖方面の里山と夏空
隣のブルーベリー畑の上空を鳥よけの模造鷹が飛ぶ
畑の畔に野生?の朝顔が咲く。夏だ

夏野菜の作付けも一段落し、収穫直前の彼らの世話が今の時期の畑仕事のメインです。
あと草取りと。

今日はまずアスパラガスの地表部が倒れないように紐を渡しました。
来春には無事収穫となりますか?

トウモロコシ。
穂が出始めた畝に2回目の追肥。
尿素を水に溶かしてマルチの上から流し込みます。
マルチの真ん中には肥料や水分が取り込めるように穴があけてあります。

ミニトマトの実が赤くなり始めました。

まばらに生えたアスパラガス。伸びすぎて倒れた茎を紐で支える
出穂直前のトウモロコシに尿素の追肥。この後じょうろで肥料を溶かし込む
ミニトマトが長雨に耐えて色づいてきた

この日の収穫は、袋に分けて調布の柴崎彩ステーションに送りました。
2回目の出荷。
キューリ、ナス、ピーマン、ズッキーニ、インゲン、キャベツなどをひと箱分。畑からのお便りを同封します。

送料がかかりますので、一袋100円の野菜を詰め込んだところで収支は赤字になりかねません。
そえれでも、山小舎おじさんを知っている方々が買ってくれ、おいしいといってくれるのはかけがえのないことです。

出荷する野菜は、そのまま売れるように袋に分けて送る
購入者への情報提供としてお便りを作った

食べてくれる方々の手にわたって、野菜作りの行程は一段落となります。