定年おじさんが住む長野の高原は晩秋の気配がしてきた。
あの暑かった夏はどこへやら。
朝夕はもちろん、日中でも風の冷たさは、油断すると風邪をひきそうになるくらいだ。
定年おじさんも地域でいい気になって飲んでばかりいないで、寒さに備えなければならない。
で、燃料の準備。
主燃料の薪はかなり積んだので、今回は焚きつけの準備。
ストーブでの薪の着火には、新聞紙と焚きつけを使っている。
新聞紙は別荘地のごみ集荷場で、古新聞の束をもらってくる。地元の信濃毎日新聞の古新聞が多い。
信濃毎日新聞は、別荘の管理事務所で時々読む。
真面目で権力のチェックはしっかり行う印象がある。
権力に忖度せず、おのれの信じた道を進むところが長野らしくて好感が持てる。
焚き付けとしてよく燃えるところも好ましい。
焚きつけ材は大工さんからもらった廃材の板をカットし、割って使う。
この焚きつけ材、乾いていないとどうにもならない。
その点、廃材は完全に乾いているのでうってつけだ。
子供のころは、故郷の北海道で、ストーブで石炭を焚いていた。
高学年になると自分で火おこしもした。
焚きつけ材を使わず、固く絞った新聞紙で着火できるようになったものだった。
定年おじさんになって、新聞紙だけで着火する自信は失せているので、焚きつけ材を用意する。
軒下に廃材のストックがあるので持ってくる。
山小屋の周りに倒木した際の小枝がまとめてあるので、軽トラで回って集めておく。
これらを手ごろな長さにカットする。
テーブルソーを用意する。山小屋の先代からの備品。
これといい、チェーンソーといい、大工用品といい、先代がそろえたの備品の充実ぶりには感謝しかない。
おじさんは去年初めて、テーブルソーを使った。
まあ、チェーンソウだって、草刈り機だって、山小屋に来て初めて使ったのだけれど。
ドラムを伸ばしてコンセントをつなぎ、テーブルソー始動。
薄い板とはいえ、節などにあたるとキックバックを起こして跳ね返ることもあるので気を付ける。
コツは全部カットせず、少し切り残してあとはたたき折るようにすることかな。
手ごろな長さに切って保管。
都度、手斧で細く割って使っている。
暇を見て少し割っておいてもいいだろう。
枝のほうは手ごろなサイズにカットした後、乾燥させる。
生木は小枝といえども、夏を超えないと、乾燥した焚き付けとはならないからだ。