おじさんの住む山小屋周辺は白樺の宝庫です。
宝庫とは言っても、見て楽しむ以外は厄介者なのです、白樺って。
木目の密度に乏しく、火力が長持ちしないので、薪の材料としても二流三流の素材です。
おじさんのところは伐採した白樺をタダでもらって薪にしています。
火持ちはともかく、比較的割りやすく、そして乾きやすいのが扱いやすく、おじさんはこれで十分です。
皮が油分を含むので、木っ端がたきつけになるのも便利です。
お隣さんから白樺樹液をいただきました
ある朝突然お隣さんが山小屋の戸をたたいたので、何かなと思ったら、ペットボトルに入れた白樺樹液を持ってきたのでした。
水のようにまったくの透明ではなく、柔らかさを持った黄色みがかった透明な液体がボトルに詰まっていました。
樹液の採取をしました
お隣さんは、樹液の入ったペットボトルを持って来たついでに、樹液の採取場所へおじさんを案内しました。
白樺の幹にストローの口径大の穴をあけ、ストローを差し込んでいました。
白樺樹液の採取の様子です。
ストローの先からは樹液がポタッポタッと垂れています。
まだまだ出そうなのでおじさんはお隣さんの許可を得て、ストローにペットボトルをセットしてみました。
それから3日間、ペットボトル2本ずつ樹液を採取することができました。
1日一本ずつのペースです。
樹液を味わう
白樺樹液がたっぷり手に入りました。
この時期にしか採取できないそうです。
まず飲んでみました。
かすかな甘さ。
青臭い香りがするわけでもなく癖がありません。
焼酎を割ったり、カレーを作る時の水代わりにするなどの味わい方があるそうです。
おじさんも夜の焼酎を割ってみました。
癖がなく、やわらかい味はいいのですが、おじさんとしては焼酎はソーダで割ったほうがパンチが効いていいな、と思いました。
そこでシロップにすべくストーブで煮詰めてみました。
お隣さんから聞いたアイデアです。
それからは、採取したほとんどの樹液を足しては煮詰めました。
茶色に煮詰まり、甘さはぐんと増しました。
とりあえず瓶詰にしました。
春の楽しみが一つ増えました。