令和3年7月中旬。
家族が山小舎に来たので、黒部まで行ってきました。
絶景地として名高い黒部ダムを見たかったのです。
今回は黒部第四ダムを見て引き返すルートにしました。
黒部立山ルート全体は、長野県信濃大町から富山県までですが、富山まで行ってしまうと帰りが大変なのです。
山小舎から長野側の出発点、信濃大町・扇沢までは車で行きます。
高速・安曇野インターを降りて、北アルプスのふもとの田園風景の中を扇沢を目指します。
扇沢は観光道路・黒部立山アルペンルートの基地でもあり、北アルプスの登山基地でもあります。
ここまでの道路は交通量も少なかったのですが、扇沢の駐車場はほぼ満車の状態でした。
観光客のほかに登山客の姿も目立つ扇沢駅です。
ここから電気バスでトンネルをくぐり黒四ダムを目指します。
最近までトロリーバスが走っていたルートです。
一車線の幅のトンネルがダムまで続きます。
途中一か所、バスが交差できる幅になっています。
一度に3台ほどのバスが発車しますので座ってゆけました。
15分ほどの乗車時間の間に、破砕帯現場や富山との県境を通り抜けます。
黒四ダムというと、当時最大級の土木的国家事業の現場として、まさに昭和の「プロジェクトX」の歴史的モニュメントでもあるわけですが、その中でも最大の「プロジェクト」として伝えられる、トンネルの破砕帯突破という話の舞台は、このトンネルのことなのでした。
夏とはいえ半袖では涼しすぎるくらいのトンネルを抜けると、黒部ダム駅です。
階段を上がると眼下に黒四ダムの景観が現れます。
健脚向きの階段を上がり降りして、黒四ダムの全貌を眺めます。
目を上げると、北アルプス・白馬岳や立山連峰の姿が遠望されます。
一番下の展望台へ下ってゆくと、ダムの観光放水を比較的間近に見ることができます。
標高が高いので紫外線高めの日差しが降り注ぎます。
まぶしく暑い世界です。
一角にダム建設の様子を展示する施設がありました。
トンネル、ダム建設前の黒部の様子や、建設中の記録がパネル展示されています。
壁のようにそそり立つ北アルプスの奥地になぜダムを建設しようとしたのか?はこれらパネルを見終わっても、その理由は判然としませんが、こういった無茶な、歴史的な工事が許され、行われた歴史的事実は記録され、記憶されるべきなのでしょう。
黒部立山アルペンルートを富山側に進むなら、ダム駅から乗り換えです。
我々は1時間ほどダムを見て、扇沢駅へ引き返します。
ひたすら暑い、梅雨明けの安曇野を走って家路につきました。