武蔵小金井駅からほど近く、住宅地の一角にカンデルというパン屋がある。
個人住宅の敷地に小屋を建てて店舗としているパン屋だ。
釜とキッチンは小屋の裏手にあるらしい。
フランスのアルザス地方でパン職人の修業をしたという女性が焼いている。
月、水、金のみの営業。
昼休みも1時間取っている。
2012年に開業してから生き残っており、地域に根付いた店となっている。
ここのフランスパンは、今まで日本で食べたフランスパンの中では一番おいしいと、山小屋おじさんは思っている。
本場のフランスパン-バケットは、外側が香ばしく、中がモチッとして、小麦の香りがする。
ほかに飲み物があればと昼食の一食分になるようなパンだった。
フランス人がバケットを抱えて歩いている?のは伊達ではなく、十分「実用」に耐えうる食品なのだ、と思った。
その代わり1日たつとカチンカチンになった。
山小屋おじさん40年近く前の、パリ滞在時の思い出だ。
原料が違うのか、焼き方が違うのか、消費者の好みの問題か、日本で売っているバケットは、外側も含めてふにゃふにゃのものが多かった。
固めに焼かれたものでも、中のモッチリ感や香ばしさが足りなかった。
カンデルのバケットはフランスのバケットそのままではないが、かなり特徴を残している。
何よりその香ばしさがよい。
バケットだけではなく、菓子パンのカンデルちゃんをはじめとする代わり種もいくつかそろえている。
クリスマスシーズンにはシュトーレンなども店頭に並ぶ。
開店当初の何年間かは、店の売り子さんがアルザス地方の民族衣装をユニフォームにしていたことも思い出される。
これからも小金井を訪れた際には寄ってみたいパン屋さんである。