ラーメン大学というチェーン店があります。
ロードサイドに建つ、どこにでもありそうなラーメン店の外観です。
道産子ラーメン、札幌ラーメンなどと名乗り、全国にフランチャイズ店を展開し、店では店舗のオーナーが忙しそうに働いているものの、いつの間にか閉店していたりするあれです。
このラーメン大学が長野県発祥のチェーン店だということを最近知りました。
1965年上田で創業とのことで、「味噌ラーメンを中心にバラエテイ豊かなラインナップで長野県民を虜にする」とあります。(「信州おでかけガイド2024-2025」より)
これはしまった。
長年信州に滞在しながら今年まで通り過ぎていた!
まだまだ奥の深い信州ソウルフードの世界に、畏敬の念に近い驚きにおののきつつ、上田にあるラーメン大学バイパス店に向かいました。
上田を通る国道18号線は、軽井沢から長野へ向かう主要国道ですが、上田市の中心部を迂回して坂城、千曲方面へ抜けています。
さらにその外側を走るのが上田バイパスで、文字通り18号線のバイパスとなっています。
沿線には大規模なスーパーやホームセンターなどが点在します。
バイパス沿いの住宅も混じる一角に、目指すラーメン大学上田バイアス店はありました。
入口に立つキャラクター人形に歴史を感じます。
ラーメン店らしく親しみのある外観です。
入店するとこれが案外落ち着いた雰囲気。
ファミリー客大歓迎のテンホウ(長野県民御用達の中華チェーン店。ソフトクリーム150円がキッズに人気)のような「ヤッツケ感」はありません。
そうかといって、最近のラーメン屋のような「元気」と「若さ」が売りの「ヤンチャ感」でもありません。
仕事途中の大人が寄って落ち着いて食べられる感じです。
店員さんの目配り、サービスも、行き届いている感じです。
平日とはいえ店内は、ボックス席が満席に近く、県民に広く定着している印象。
人気の味噌ラーメンと半チャーハンのセットを注文しました。
味噌ラーメンの具は定番のチャーシュー、メンマ(昔はシナ竹といった)だけではなく、玉ねぎ、もやしなども入っており、それらが単なるトッピングではなく、だしと混然一体となって煮込まれているところに、手作り感、充実感が感じられます。
食べていて「これは県民に愛されてるなあ」と感じました。
提供する側と食べる側の「信頼関係」ということでは、もう一つの信州ソウルラーメンである、ハルピンラーメンと同じ立ち位置です。
個人の食堂ならともかく、大衆チェーン店で地元客との長年の「信頼関係」を維持しているクオリテイがラーメン大学の強みなのだ、と思いました。
チャーハンも、半チャーハンとしては多めの量と、町中華そのものの味にも満足。
その量からは、田舎の食堂のお約束でもある「お客には腹いっぱいになってもらおう」という心意気を。
またその味からは、「内容的にも妥協せず、レベルを維持しよう」という、町中華店としての理念を感じます。
ランチのセレクトに間違いのないチェーン店です。