定年おじさん畑を借りる その3

定年おじさん畑を借りる、その3。今日は、今年の畑の様子を報告します。

2018年の様子 その1

今年は、4月下旬から畑を始めた。
東京での越冬を終え、山小屋に復帰して畑を見た。
雪と霜に耐えてきた畑には、玉ねぎが半分くらい生き残り、枯れかかった葉をかろうじて伸ばしていた。
長野の厳しい冬を玉ねぎは生きながらえていたのだった。

玉ねぎの苗が枯れた後のマルチの穴に、長ネギの苗を植えた。
長ネギは細いながらも育った。

玉ねぎは、最終的にピンポン玉程度に太って6月に収穫となった。
苗を100本植えて収穫した玉は30~40玉程度だったろうか。ちょっとがっかりしたが、来年頑張りたい。

今年から、畑を借増しした。
去年から大家さんが使ってくれと言っていた畑だった。こちらの畑は、大家さんの家の裏側にある。100メートルくらい、今までの畑とは離れている。
フェンスに囲まれてはいない。
隣は田んぼである。

去年まで生えていた雑草を草刈り機で借り、大家さんのトラクターで耕す。
通りかかったおばあさんが、きれいになりますね、とあいさつしてくれた。
しばらく耕していない土地なので、トラクターの葉が深く入らない。
一度耕した後、鍬で3列の畝を切り、ジャガイモ10キロを植えた。

本に書いてある浅植え方式とし、マルチをかけた。
何とか芽が出て、茎が育って、7月には収穫できた。
収穫量は30キロ程度だったろうか、もうちょっと収穫量が欲しかった。来年頑張りたい。

通りかかった近所の人が、だいぶ簡単に植えたようだができているね、と言ってくれた。
ほとんど人通りのない集落だが、案外人は見ているのだなあと思った。

ジャガイモの隣には里芋とショウガを交互に植えた。
里芋は、現在、旺盛に育っている。
その隣に、サツマイモを植えた。
マルチを敷いてから、サツマイモの苗を植えたが、今年の猛暑でマルチの表面にくっついた苗が枯れてしまった。
苗がマルチに接触しないように植え直し、現在は弦を大いに伸ばして生育中。

その隣に、ヤーコン3本と、カボチャとスイカを植えた。
ビニールマルチを敷かずに、枯れ草を苗の周りにかぶせた。
土壌と合わないのか、肥料不足か、カボチャの弦はいじけたように縮こまって伸びなかった。収穫も苗1本に1個だけだった。
スイカも弦が伸びず、小さな実が一つだけついて、最後には食害にあって皮だけ残してなくなった。
まだまだ畑のスペースがあるので、トウモロコシを1列、サツマイモをさらに1列、枝豆を1列作った。
トウモロコシは、ポットに種まきから始めて育てた。
本を見て、尿素を2回追肥した。
50粒ほどの種をまき、25本ほどの収穫。
売り物のトウモロコシと比べて50から70パーセントの実の太りだったが、まあ食べられた。食害は2,3本にとどまった。動物も少しづつ食べようとしたのかもしれない。
枝豆もポットへの種まきから始めたが、すぐに芽が出て、定植後もうまく育った。
キレイに一斉に育つ様子は、農家の枝豆畑のようだった。
8月末に収穫した。実はよく太ったが、味が今一つだった。
去年作ったものより甘くないのは不思議だった、畑が違うからだろうか。
今、畑には、里芋、ショウガ、ヤーコン、サツマイモが残り収穫を待っている。

(続く)

 

 

定年おじさん畑を借りる その2

定年おじさんが畑を借りて2年目になる。
最初は1か所の畑。今年からもう1か所増えた。
それぞれの畑の去年と今年の様子を報告します。

去年から借りている畑

2017年の6月中旬に借りた。中山道沿いの傾斜地で面積は約50坪。

2017年の様子

しばらく放置された畑だった。
耕運機で一度耕したが、土を起こす前に、枯れ草がたくさん倒れた。
その枯れ草をレーキで集めて燃やした。

隣の畑の人がアドバイスしてくれた。よく乾かしてから燃やさないと、鎮火まで時間がかかるとのこと。
畑で火を使うのはダメだ、と言われなかったのは幸いだった。
その人は、それからも会うたびに一言二言声をかけてくれた。

枯れ草を燃やしてから、スコップで土を掘り起こした。
一応、畝型に縄を張って、起こしていったが、せいぜい長さ数メートルのひと畝を起こすのに体が悲鳴を上げた。
定年後の体力はここまで落ちているのか、と思った。

東京の家庭菜園ならば5月のゴールデンウイークのころが夏野菜の苗の定植時期だった。
ここは長野県とはいえ、すでに6月中旬だった。

あわてて、トマト、キューリ、なすの苗をを2.3本ずつ買い、やっと起こした畝に植えた。
元肥がどうの、追肥がどうのという知識はなかった。
たまたま本で読んだ、微生物農法というのをやってみることにした。

本を買ってきて、えひめAIという微生物液を作った。りそれを畝にたっぷりかけ、マルチで覆い、苗を定植した。
マルチを使うのも初めてで、風が入らないように土を覆うのに苦労した。

その時、すでに夏野菜定植の最盛期は過ぎており、農協で買った、売れ残りのトマトやナスのひょろ苗が、黄色い姿をマルチの上に頼りなくさらしていた。

たまたま近くに来る用事があり、畑の紹介者の自動車屋社長が様子を見にやってきた。
社長は、頑張ってるねと言いながら気の毒そうな顔で畑を見回した。
その時、定年おじさんは暑さと疲労に耐え、肩で息をしていた。

畑に行くたびに、苗の根元に微生物液・えひめAIの希釈液を潅水した。
しばらく苗は根付くのに精いっぱいの様子だった。

夏野菜を定植してから、畑の残りのスペースを耕した。そこにインゲン、枝豆を直まきした。
まいている最中に、山から鳥が集まってきたような気がした。
案の定、種はなくなっていた。
雑草で覆うなりして鳥に食べられないようにまき直した。

夏になり、畑の畝間から周辺から雑草が生い茂った。
草刈り機を購入し、草刈りした。
石や鉄パイプに歯が当たるキーンという音に驚いた。
ビニールひもを巻き込むと、からんで回転がストップする。
畑一面を除草して倒れそうに疲れた。
大家さんから気を付けるようにと言われていた、タラの芽の木を間違って切り倒してしまった。

それでもえひめAIの効果か、トマトが急に伸びてきた。茎ががっしりしてきた。
植えた時のひょろ苗の面影がなくなった。
ナスやキューリもそれなりに伸びたが、実の成りは今一つだった。
トマトの脇芽かきは知っていたが、ナスやキューリの選定などはまったくやらなかったからだろうか。

夏野菜の収穫は今一つだったが、なんとなくえひめAIの効果を感じ、その後も使い続けることにした。
インゲンはよく実がなった。隣近所に配り、乾燥野菜にし、水煮にして瓶詰めしたりした。
枝豆はほんのり甘かった。

秋野菜には、大根、人参、白菜、キャベツを植えた。キャベツは苗、白菜はポットに種まきし苗を作ってから植えた。大根、人参は畑に直播した。

結果、満足行く収穫は人参だけだった。
白菜は途中まで順調に育ったが、葉が溶ける病気が出た。
キャベツ、大根は大きくならないままだった。
9月初旬に一斉に植えたり、まいたりしたが、時期が早ければいいというものでもないらしかった。

新米の収穫時期には、コイン精米所に大量のもみ殻とヌカが出るので、もらってきてはせっせと畑にまいた。
もみ殻は、山小屋の敷地にあるごみ焼きストーブで燻炭にしてまいりした。
来年以降の土づくりのためだった。

11月には玉ねぎの苗を植えたが、雨で苗が流されて植え直すなどした。
翌年の収穫はピンポン玉くらいにしかならなかった。

(続く)

定年おじさん畑を借りる その1

定年おじさんが田舎に来た目的の一つ。畑について話そう。

どうやって畑が見つかったか

定年おじさんは、去年(2017年)から長野県の山小屋に住んでいる。
山小屋に住むにあたって、日ごろの足として軽トラを買おうと、隣町のモータースに飛び込んだ。

そこの社長が面倒見のいいひとで、移住者のおじさんに対し、畑はやらないのか?と聞いた。
我が意を得たりと答えたところ、後日、見つけてもらったのが現在通っている畑。

約50坪の面積で、耕運機と草刈り機は自由に使ってよく、賃料などはいらないとの条件。
社長からは、畑とその大家の自宅の2枚の住宅地図コピーをもらい、現地へ向かったものだった。

畑の大家さんに会う

大家さんの家に挨拶に向かい、畑に案内された。
この時、もう一か所畑があるので使ってほしいと言われ驚く。

もともと、おばあさんが畑を作っていたが、できなくなったとのこと。大家本人は畑をする気はないとのことだった。畑は去年の草でボーボーだった。

大家本人にあったのはこの時1回だけ。時々訪問する本人は、職業上、不在であることが多く、奥さんか子供が時々いた。

大家が取引しているモータースの紹介とはいえ、見ず知らずの人間に無条件で畑って貸すものなのか?と思った。
これがご縁というものなのか、それとも、こういう大家さんだったからなのか。今もってわからない。

その後、大家さん宅には、年2回、東京土産を持って挨拶に行っている。
また、収穫した初物などを玄関先に置いてくるようにしている。

山小屋から畑に通う

定年おじさんの住む山小屋は、長野県小県郡というところにある。
山小屋は高度1500メートルにあるが、そんなところで野菜はできない。
借りた畑も高度700メートルくらいのところにある。
山小屋から畑まで軽トラで30分かかる。毎日は通えない。

畑に行く日は、ある程度まとまった作業をするようにしなきゃならない。
JAやホームセンターやスーパーに寄る用事に合わせて、行くことが多い。

畑の様子

50坪の畑は、中山道の道沿いの傾斜地にある。
フェンスに囲まれたの中の一画。近所の数軒が集まって、それぞれ50坪から200坪ほどの畑を隣り合わせている。
我が畑の端っこには、大家さんの秋の食用に、タラの芽の木が植えてある。
借り始めたころは、枯れた雑草が生い茂り、刈りはらってから山にして燃やしたものだ。
今年は、ナス、トマト、キューリ、インゲンなどの夏野菜を中心に植えた。

その当時、もう一か所あると言われた畑は、大家さんの家の裏側にある。
昨年は定年おじさんの体力が一杯いっぱいで、そこの畑のことまで考える余力はなかった。

今年から頑張って、そこの畑も耕し始めた。
大家さんの耕運機を借りて、畑まで自走で行けるのが助かる。今年はジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、トウモロコシなどを植えた。実がなってから、トウモロコシが食害にあった。1株だけ植えたスイカも折角成った小さな球が皮だけ残して食べられてしまった。