信州ソウルフード放浪記VOL.3 ハルピンラーメンを食べる

ハルピンラーメンをご存じだろうか?
諏訪地方を発祥とするご当地ラーメンである。

戦時中、中国に従軍した日本人が、除隊後、現地の味を再現して諏訪に店を出した、とのストーリーを持つラーメンだ。

本店が昭和49年の創業というから、ラーメン店としては古株なのだろうか。
それとも、ソウルフードと呼ぶには歴史が浅いのか。

諏訪に本店があり、周辺の茅野市などに、のれん分けした店が数店ある。
おじさんは、中央道の諏訪南インターを降りた対面にある諏訪南店に入ったことがあるが、パンチのきいた味でおいしいラーメンだと思った。
店も地元の客で繁盛していた。

茅野市内の国道152号線、通称ビーナスライン沿いにハルピン味噌ラーメン・雷蔵という店がある。

もう一度ハルピンラーメンを食べたかったおじさんは、茅野へ行ったついでに食べてきた。

メニューは味噌ラーメンを中心に、醤油ラーメンなどもある。
大き目のチャーシュウをはじめ、トッピングが主張しているのが特徴か。
定食メニューとしてお替り自由のごはんに、唐揚、餃子などが付いたセットがある。
おじさんは通常の味噌ラーメンに唐揚定食を付けたものを注文した。

ラーメンの味は味噌スープが甘めで、おいしいが飽きやすいのではないかと思った。

定食メニューは唐揚が揚げたてでうまかったのと、セルフサービスのごはんが盛り加減が自由にできてよかったと思った。
総合的には十分満足した。
外食の醍醐味といえる、濃い味付けを堪能できた。
量もたっぷりなのは地方の外食におけるお約束だ。

最近、東京などでは自然な味と称して、芦花公園にあった外人店主のアイバンラーメンとか、今も神保町で人気のエチオピアカレーなど、ナチュラルなのか水臭いのかわからない外食もある。

おじさんはたまに食べる外食ならはっきりとした味のほうが好きだ。

駐車場には北八ヶ岳ロープウエイの看板が立っている。

 

直売所の夏みかんでマーマレードを煮る

冬です。東京は柑橘類の収穫時期です。
東京の家々の庭には、夏みかん、ゆず、キンカンなどの柑橘類が植えられ、今の時期にはたわわに実をつけていることがよくあります。
東京にいると当たり前の風景ですが、雪国から見ると実にうらやましい風景です。
おじさんは長野に暮らし始めて、東京が恵まれていることに気づきました。

西東京の直売所で夏みかんをゲット

おじさんは自転車散歩のついでに、各場所の野菜直売所を覗いて歩きます。
雪国と違って、関東の畑は1年中農作業が可能です。
葉物の旬は冬です。
冬でも、白菜、大根、ニンジン、サトイモのほか、キウイ、柑橘類が直売所をにぎわします。

柑橘類では、夏みかん、甘夏、ゆず、キンカン、レモン、八朔などが売られます。
このうち大型の柑橘類である、夏みかん、甘夏、八朔などは、直売所でも1個80円ほど、2個で100円ほどが相場です。
おじさんは自転車散歩の際に、西東京市の直売所で4個100円の夏みかんを見つけ、ゲットしました。
その直売所の背後の畑を見ると、柑橘類の木が並ぶ畑になっていました。

これはお値打ちです。
キウイなども小金井などを中心に栽培され、時期には小型ながら10個ほど入った袋が200円ほどで手に入ります。
野菜ばかりではなく、果物が地元で生産され直売所で手に入るというのは素晴らしいことだと思います。

夏みかんでマーマレードを煮る

おじさんは山小屋ではいろいろなジャム、コンポートを作りましたが、柑橘類の加工品はほとんど作っていません。
なぜなら原料が地元産ではないからです。
長野県の庭や畑では柑橘類は育たないのです。

ということで、入手した夏みかんでマーマーレードを作りました。
まずレシピを確認します。
皮を細切りにして湯でこぼし、実と一緒に煮るのが基本レシピです。中の袋も煮るというレシピもあるようですが、今回は袋は捨てました。

皮をむき、千切りにして湯でこぼします。3度湯でこぼしましたが苦みは十分残っています。
実を袋から出します。種もたくさんあるので取り除きます。
袋を絞ってジュースを残します。

仕込みに手間と時間がかかります。
湯でこぼした皮に実とジュースを加え、砂糖を入れて煮ます。同時に瓶を消毒します。
砂糖は味を見て目分量。
多いほど保存性は増しますが、食べるときのことを考えると少なめにします。

「暮らしの手帳」に、ジャムを煮るときはさっと煮ること、じっくりにすぎると風味が飛ぶ、というコメントがありました。
それと、ジャムには冷めたときに固まるという性質があることを考慮し、とろとろの状態で火を止めます。

瓶に詰めると小瓶が3本できました。

味見すると皮の苦みがアクセントとなり、実の風味と相まっておいしくでき上がっていました。
地元産の旬の果実の味を残すことができました。

今年もタクアンを漬けました

11月19日。たくあんを漬けました。
大根を干したのは10月30日。
約三週間干しました。
畑で収穫した不ぞろいの大根たち。

本来は頭としっぽが、丸くくっつくくらい干したいところ。重さは干し始めから半分程度に減りました。
それでも今回は少し早めの漬け込みになるかもしれません。

おじさんは今週末で山小屋を冬季休眠します。
その前にたくあんを漬けておきたかったのです。

漬けた後、水が上ります。
その後は重しを減らして、長期間漬けこみます。
そうしてから山小屋を退去する予定です。
そのために、退去の数日前に漬けることにしたのです。

水が上がるまでの重い漬物石のままでは大根の水気が抜けて筋張ってしまいます。
おじさんは去年それで失敗しました。

ヌカと塩、ザラメを用意します。
樽の底に、それらを敷きます。
大根をできるだけ隙間なく敷いてゆきます。
一段敷いたら、ヌカ、塩、ザラメをまぶします。
次の段の大根は、前の段と直角に敷きます。
最後にヌカ、塩、ザラメを多めにまぶしておきます。

漬物石をこれでもかと乗っけます。
水の上りを確認するまで数日待ちます。

たくあんといえば日本で一番ポピュラーな漬物だと思います。
おじさんが子供のころ、北海道の実家では親が毎年漬けていました。
木の樽が家にありました。
漬けあがるのが正月明けで、凍った漬物汁をシャリシャリ言わせながら食べた思い出があります。

昭和6年生まれの叔父が学生時代、寮でたくあんを漬けていたということです。
終戦後の食糧難の時代の話です。

コメのご飯と、味噌、たくあんがあれば十分に一食になります。
日本人の知恵です。

 

今年も柿酢を仕込む

柿酢という日本伝来の食酢がある。
発酵食で有名な、東京農業大学の小泉武夫先生のブログでも紹介されている健康食。

おじさんも仕込みました。
材料の柿は、この季節、長野ではいくらでも売っています。
渋でも甘でもいいそうです。
熟れたものの方が発酵が早いと思います。
柿の表面についている白い粉が酵母になって発酵するのだそうです。

おじさんは材料を探しました。
農家の庭先や畑の隅っこに柿は鈴なりになっています。あちこちの庭先に干し柿がぶら下がっています。
農家に知り合いでもいたら、干し柿や柿酢の材料であればいくらでも手に入りそうです。

そういった知り合いのいないおじさんは、直売所へ行きました。
直売所といっても、地元産のものを売り、食堂を併設し、お客が引きも切らないところもあれば、地域にひっそりと建っているところもあります。
そういった直売所へ行きました。
八百屋がやっている直売所のようです。
道路わきによくある安売り八百屋のようなものです。
市場で仕入れた野菜の売れ残りを売っている感じです。

B品を探すならここです。
聞いてみるとありました、熟しすぎた柿が。
一箱400円とのこと。買いました。

作り方。
柿は洗いません。へたを採ります。傷があれば除きます。
消毒した瓶に放り込みます。
布巾か紙で瓶に封をして、あとは放っておくだけです。

だんだん泡が出て発酵してゆきます。
時々かき混ぜます。
泡が浮き、透き通った酢が溜まってきたら濾して保存します。
年明けには出来ているでしょう。

これは去年の柿酢です。
濾した時には透き通っていましたが、今は柿色に成熟してきています。
正月に鱠にでも使いましょう。

信州ソウルフード放浪記VOL.2 長和町「立岩和紙の里」で新そばを食べる

おじさんの住む山小屋があるのは長野県小県郡(ちいさがたぐん)長和町というところ。
長和町は上田盆地の西端に位置し、二つの峠で茅野、諏訪と接している。

おじさんの山小屋は、茅野へ抜ける大門峠という峠の下にある。
長和町の中心部へ行くには国道152号線、通称大門街道を下ってゆく。
大門街道を下りきり、役場や、「道の駅マルメロの里」を過ぎ、上田市に入る直前に、立岩和紙の里という施設がある。

この地区の特産物・和紙を取り上げた、体験型施設で、特産物の販売、食堂を併設している。

団体客が体験紙すきをしたのであろう、何十枚もの漉いた紙を型枠ごと干している風景をよく見かける。

おじさんはここの前を何十回も通ったが、入ったのは初めて。
公共施設特有の敷居の高さというか、上から目線をおじさんのナイーブな心にさざ波を立ててしまうのだ。

いつもはコンビニ弁当か直売所のうどんで済ませる、畑の後のおじさんの昼食。
今日は思い切って和紙の里の食堂を覗いてみよう。

入ってみると、内部は広く、太い柱と梁の伝統的な日本建築。
昔の学校か何かの公共施設だったと思わせる。
時代をワープして、子どもの頃の学び舎に戻ったようで落ち着く。
平日の2時ではあるがほかに客は一人。

レジのお姉さんのおすすめは新蕎麦とのこと。
今日の定食をチョイス。
蕎麦の実が入ったとろろご飯と新蕎麦のセット。

これがうまかった。
長野に来てから、十割蕎麦や、善光寺の門前蕎麦、上田の有名店などで蕎麦を食べたが、一番食べやすいそばだった。
麺の硬さと風味とが一番調和がとれていると言おうか。

田舎の食堂では、なんといっても素材の良さと盛りのよさを期待するが、素材の良さについては文句なし。
油っ気のないメニューにしては満足感もあった。

ちなみにこの施設、長和町振興公社という第三セクターの運営。
同社は、スキー場や、温泉施設なども運営している。
いわば、町の公共性の高い商業施設を、民間から引き継いで、あるいは最初から直営で運営しているわけだ。

おじさんがバイトしていた別荘管理事務所の慰労会が、湯游パークという町内の温泉施設の食堂で催されたが、その温泉施設も、長和町振興公社が経営している。
半官半民じゃないと町の商業施設は成りゆかないのか?

ヤーコンジャムを煮る

ヤーコンという作物がある。
アンデス原産で日本での栽培は歴史が浅い。
球根を食べるが、サツマイモのような外観。
生で食べると、シャキシャキして甘く、中国では果物として売られているらしい。

オリゴ糖など栄養分が多く、体に良いとされている。
日本では、北関東、東北を中心に栽培され、長野でもよく見かける。

定年おじさんの自宅ではスムージーの材料として、小松菜やリンゴに混ぜて飲んでいる。
今年おじさんは畑に4株(球根)ほど植えた。
順調に生育。

秋には葉を採取してヤーコン茶にした。
11月になってから収穫したが、そこそこの収量があった。

形のいいものは自宅のスムージー用にしようと思っている。
半端なものも結構出た。小さかったり細かったり。
それらをジャムにしてみた。
同量のリンゴと30%ほどの砂糖にレモン汁。

ヤーコンもリンゴも、すりおろしてから煮るのがレシピ。
おじさんは、リンゴもヤーコンもスライスして煮てみた。

ヤーコンの実が割と硬かったので、ストーブでゆっくり煮た。
2時間後、リンゴが煮崩れてきたのに対し、ヤーコンの形が残っていた。
思ったより手ごわいなヤーコン。
ヤーコンジャムを煮る際の「ひと手間」はすりおろすことだったのか?
でも硬くて手間だったしなあ。

そこでおじさんは、柔らかくなったヤーコンをスマッシャーでつぶしながら煮てみた。
何となく混じりあった。

ヤーコンのショウガに似たさわやかな香りも残ったジャムができた。
いつものように煮沸した瓶に詰めて、減圧、殺菌。

体にいい保存食ができた。

以上、家族にはジャムおじさんと呼ばれたこともある定年おじさんより。

天気がいいので切り干し大根作りに挑戦

晩秋の長野の高原です。
朝晩の寒さはストーブをガンガン焚かないと防げません。
昨年割って乾かし、デッキへ移しておいた薪がどんどんなくなってゆきます。

デッキの外に掛けている干し柿は順調に乾いています。柿を触ってみると、表面は乾いていますが、芯が残った感じ。
地元のおばさんのアドバイス通り、芯を揉んでおきます。
上級者は揉んだついでに種を抜いてしまうそうです。
定年おじさんの干し柿は種までは抜きませんが、今年もおいしくできそうです。

たくあん用の大根も干しています。
大根はまだまだ、しんなりしていません。
むしろ低温で凍ってしったのか、実の表面が透明になったようなのもあります。
たくあん漬けが無事できるまで、まだまだ油断はできません。
大根自体が筋張って育っている可能性もあり、そうなるとそもそもうまくは漬からないでしょうし・・・。
漬物はいろいろと奥が深そうです。

ということで切り干し大根。
2週間ほど前に収穫した大根が、泥付き、葉付きのまま、10本以上、デッキに転がっていました。
煮物、煮込みで毎日食べています。
昨日は数本を粕漬にしました。

今日は残りを切り干し大根にしましょう。
まず、ネットにて作り方を確認。
大根を洗って皮をむきます。

この時点で、実の痛みや、筋の有無がわかります。
芯が乾いているようなのもあります。
これらは煮ても乾かしても、漬けてもうまくできないので捨てます。
鹿のえさになります。

みずみずしくておでんにでもしたくなるようなものをチョイス。

5ミリ幅に輪切りして、さらに5ミリ角にカット。

晩秋の晴天の下、ざるに広げて干します。

切干を広げる、平たい大ざるが揃っているのも、この山小屋のいいところ。
備品を揃えてくれた、先代の仙人さん夫婦に感謝です。

切り干し大根は2週間で完成とのこと。
天気次第でしょう。
11月の25日頃には山小屋を離れ、東京の自宅に戻る予定です。
それまでに間に合うか?
間に合わなければ自宅で干すつもりです。

大根はまだ残っています。

やっつけ!大根を粕で漬る

大根が余っている。
葉付きのまま10本以上だ。
それもB品、C品ばかり。
大根だけではない、人参も里芋もサツマイモも食べきれないくらいある。

畑には収穫を待つ、大根、人参、ヤーコン、キャベツがある。
収穫して玄関に置いておいたサツマイモはカビが生えてきた。
100坪の畑でこのざまだ。

農家はどうしているのだろう。
よく、畑で季節外れの野菜が収穫されないまま放っておかれるのを見る。
かつてはおじさんも「なんてもったいない」と思っていた。
今では、農家の気持ちがわかる。
季節外れの過剰な農産物。
もう、取って売るのも、ましてや食べるのも手をかけるのがめんどくさくて放置されているのだろう。

ということで我が大根。
既にたくあん用には20本ほど干している。
今すでにある分とこれからの収穫分をどうしよう?キューリ用に買った粕がそのまま残っている。
夏に塩漬けしておいたキューリが実が崩れて廃棄。
大根の粕漬はできないか?

早速ネットで調べる。
生の大根を粕で漬けるユーチューブが検索に引っかかった。
これはいい。
樽はキューリ用に用意していた10リットルのがある。よーし!やっつけだが大根の粕漬をつくろう!

大根を用意する。
採ってから1週間以上たち、葉も枯れてきている。
葉を切り落とす。

大根葉は外へ放っておくと鹿のえさになる。
大根を洗う。

B品だけあって、二股になっていたり、割れていたり。ユーチューブにあるようにきれいな白い大根ではない。

粕と砂糖、塩を用意する。粕はAコープで買った地酒・真澄の酒粕だ!

食品加工を季節の楽しみとする者にとって、それら調味料は、袋単位で必需品。

目分量で混ぜ合わせる。

大根を樽に詰めて、粕をまぶしてゆく。

重しをたっぷり乗せる。
水が上がったら重しを半分にして1か月で食べころとのこと。
干し大根と違い、生大根は水の上りも早かろう。
漬物部屋に収納する。

現在、山小屋にある漬物は、去年のタクアンとキューリの粕漬と、ナスの味噌漬け。
前も書いたように、今年の夏野菜の塩漬けがほぼ全滅したので、今年の材料は大根のみとなる。
たくあん、粕漬の予定だ。
大根には切干にもなってもらう予定だ。

長野のスーパーでは季節になると盛大に漬物の材料が売られる。
ヌカ、ザラメ、酒粕、味噌などだ。
それを見るとこちらも漬物を漬けたくなる。
冬ごもりの季節だ。

今年の塩漬けは大失敗!

夏の間に、ナスとキューリを塩漬けにしておきました。おじさんの畑の収穫分では賄いきれないので、直売所でそれぞれを2,3袋買いました。1,2キロでしょうか。

キューリは畑で採れたものも使いました。
採り遅れて大きくなったものでした。

塩漬けしておき、寒くなったら、粕や、味噌、辛子などで本漬けする予定でした。

昨日、樽を開けると、一面にカビが浮いていました。
想定の範囲内でしたので、カビを捨て塩抜きのために。実を水に放ちました。
するとキューリの全部とナスのほとんどが実が崩れたり、皮が破れたりしました。

(去年の塩漬け)

どうしてなんだ?
これでは本漬けできません。
泣く泣く廃棄です。
かろうじて残ったナスは辛子漬けにしました。

去年は、キューリもナスもうまく漬かりました。
キューリは粕と味噌に漬けました。
ナスは味噌と辛子に漬けました。

(去年の味噌漬け)

辛子漬けはおいしくできすぐ食べてしまいました。
粕漬けは今、箸休めに重宝しています。
味噌漬けは辛すぎてあまり食べていません。
でも、去年はとにかくうまく漬かったのです。

(去年の辛子漬け)

長野では漬物シーズンになると、スーパーの店頭に漬物材料が並びます。
酒粕や漬物用の味噌、たまり醤油などが、大々的に売られています。

さてどうして今年はうまくいかなかったのか?
まず考えられるのが、素材です。
キューリをはじめ、完熟過ぎたきらいがあります。
実が柔らかすぎ、水分がいつまでも残っていました。

なぜ実に水分が残りすぎたのか?
塩分濃度が上がらないまま放っておいたからでしょう。
今年のように気温が高いときには、早めにきっちり実を漬け込まなければならないところでした。
具体的には、漬けて最初に水が上がってからも、早々に重しを減らさず、実を締めておき、また二度漬けをして、実の塩分濃度を上げておくべきでした。
実の硬化を懸念しすぎて、早々に重しを軽くし、二度漬けもしませんでした。
腐敗せず実の保存はできましたが、実の果肉部分がぐじゅぐじゅで、かつ皮が破れる状態では漬物と言えないのでした。

漬物は、単なる塩蔵の保存食品ではなく、最終的な味付け後の歯ごたえ、食味を想定して導き出さなければならない、発酵食品の結晶とも言えます。
奥が深そうです。

余談ですが、上田の地酒・亀齢の酒蔵、岡崎酒造で酒粕を買ったとき、「何に使う?」と店のおかみさんに尋ねられたことがあります。
「粕漬用」と答えると、「もったいない」、と言われました。

冷蔵して売っているような搾りたての酒粕は、かす汁や甘酒など、直接粕を楽しむように利用すべきなのでした。

粕や麹は飲む点滴と言われ、最近ひそかなブームです。
おじさんは、山小屋では、和風洋風を問わず、煮物、煮込みのベースに亀齢の酒粕を使っています。
コクが出ます。

畑の大根を抜いて干した

おじさんの畑は、今、大根と人参が収穫期です。
少しずつ収穫して、近所に配ったり、自分で食べたりしています。

山小屋では、大根を、輪切りにしてストーブに掛け、下茹でしておきます。
下茹で後に、出汁しょうゆをベースに少しの砂糖、みりんなどでゆっくり炊くと、大根の煮物ができます。
酒のあて、おかずになります。
特にアツアツに辛子を漬けてフーフー言って食べるのは季節感十分です。

今年もタクアンを漬けようと思います。
去年は大根20本を買って漬けました。
去年も畑で大根を蒔いたのですが、うまく育ちませんでした。実が曲がったり、長く育ってくれませんでした。土が固かったかな?と思うのですが、地元の人に聞くと、大根は下に伸びるのではなく、上に伸びるのだ、とのこと。
今年もめげずに大根を撒きました。

今年は、おじさんにしてはうまく大根ができました。
特に土を深く耕したわけではないのですが、太く長くできた実もあります。
畑の大家さんや、ご近所に配ってます。
自前の大根でタクアンが漬けられそうです。

収穫しに畑に行きました。
太いものから抜いてゆきます。
たくあん用の20本を目安にプラスアルファ分を抜きます。

おすそ分けできるようなA品が数本、たくあん用には十分なB品が20本近く、折れたり短かったりするC品も出ました。

人参も収穫しました。
夏の種まきの時期に、発芽で苦労した人参です。
まいた種の上に新聞紙を敷き、その上からジョーロで水を撒いて発芽させました。
まずまずの収穫です。

大根は持ちかえって、葉をとります。

おじさんが小さかったころ、実家ではたくあんを漬けてました。
大根を洗って干す時期は、実家のあった当時の北海道旭川では初雪さえ降ってきそうな寒々しいころでした。

大根を洗うのを手伝いました。大きな木製の漬物樽を使って洗っていました。
覚えているのは、小学校を風邪で休んだ日に、大根洗いを手伝っていると、近所の同級の女の子が学校のプリントを持って来てくれて、極まりが悪い思いをしたことです。
水が相当冷たくなっている季節のことでした。

山小屋での大根干し。
葉をとった大根を洗います。

葉も数本分、干します。
太めのひもで結びます。採れたばかりの大根は重いので5本で1セットにしました。

まずは物干し台に掛けて日に当てます。

実家では、荒縄で結んで、二階からつるしていましたっけ。

最終的には風通しの良いのきさきに掛けます。
2,3週間干して、大根がしわしわになって、尻尾と頭が丸くくっつくくらいになると漬けます。
ザラメと塩とヌカで漬けます。

実は去年のタクアン。重しが重すぎて、水気が飛び、繊維だけが残った硬いのが出来上がってしまいました。
味も塩気が強く、2本くらいしか食べていません。

今年は、水が上がった後の重しに気を付けて食べやすいタクアンを作ろうと思います。

東京でも2回程漬けたことがあります。1度はうまくできましたが、水が上がらずかびてしまった時もありました。