農家には畑の野焼きという習慣があります。
冬の間の枯れ草や、野菜の残滓、時にはビニールマルチの剥がしたやつなどを畑で燃やすのです。
毎年大量に出る畑のごみは、家庭用のごみ出しによって処理できるものではありません。
野菜の残滓の処理については、農家が畑の隅にユンボで穴を掘り、埋めているのもよく見ます。
野焼きのメリットは、畑がきれいになることのほか、野菜の残滓についた植物の病原菌を消滅できること、残った灰を草木灰として利用できることがあります。
といっても、昨今は田舎でも自由に野焼きができるわけではありません。
ローカルニュースでは、長野市内の山火事や、野焼きによる高齢者の死亡事故などを報じています。
強風時のいわゆる野焼き(畑のごみを燃やすのではなく、広範囲の枯れ草などを燃やす行為)が危険なのは言うまでもありません。
野焼きを行うには、最寄りの消防署に届け出が必要です。
おじさんも届け出ました。
当初は夕方に行うつもりでしたが消防署にやんわり却下されました。
午前中の早い時間に行うこと、消火用の水を用意すること、野焼きの間は現場を離れないことを指示されました。
いざ野焼きに出発です
軽トラに野焼き用の道具を積み込みます。
ポリタンクに水を入れて用意します。
バケツ、じょうろ、レーキも。
鉈とのこぎりは、燃やす木材のカットのためです。
去年、大家さんが畑の法面の雑木を切って畑の隅に倒してありました。
鉈でそれの枝を払って燃えやすくするのです。
畑に到着。ごみを集めて点火します
大家さんが倒した雑木を鉈でカットし、集めて点火します。
畑の隅に積んであった、去年の野菜の残滓もくべます。
キャベツの根、キューリやトマトの幹、ほうずきの枝など。冬を越しても枯れたまま形をとどめています。
燃えている間は、畑の除草をしました。
1時間半後、ほぼ燃え尽きたのでバケツで水をかけて消火。
さらに土をかけておきます。
焚火の下の土は、有用な菌も含めて殺菌されてしまいますが、草木灰として耕せば、畑にとっていいはずです。
作付けを前に3年目の畑がすっきりしました。