夏の間に、ナスとキューリを塩漬けにしておきました。おじさんの畑の収穫分では賄いきれないので、直売所でそれぞれを2,3袋買いました。1,2キロでしょうか。
キューリは畑で採れたものも使いました。
採り遅れて大きくなったものでした。
塩漬けしておき、寒くなったら、粕や、味噌、辛子などで本漬けする予定でした。
昨日、樽を開けると、一面にカビが浮いていました。
想定の範囲内でしたので、カビを捨て塩抜きのために。実を水に放ちました。
するとキューリの全部とナスのほとんどが実が崩れたり、皮が破れたりしました。
(去年の塩漬け)
どうしてなんだ?
これでは本漬けできません。
泣く泣く廃棄です。
かろうじて残ったナスは辛子漬けにしました。
去年は、キューリもナスもうまく漬かりました。
キューリは粕と味噌に漬けました。
ナスは味噌と辛子に漬けました。
(去年の味噌漬け)
辛子漬けはおいしくできすぐ食べてしまいました。
粕漬けは今、箸休めに重宝しています。
味噌漬けは辛すぎてあまり食べていません。
でも、去年はとにかくうまく漬かったのです。
(去年の辛子漬け)
長野では漬物シーズンになると、スーパーの店頭に漬物材料が並びます。
酒粕や漬物用の味噌、たまり醤油などが、大々的に売られています。
さてどうして今年はうまくいかなかったのか?
まず考えられるのが、素材です。
キューリをはじめ、完熟過ぎたきらいがあります。
実が柔らかすぎ、水分がいつまでも残っていました。
なぜ実に水分が残りすぎたのか?
塩分濃度が上がらないまま放っておいたからでしょう。
今年のように気温が高いときには、早めにきっちり実を漬け込まなければならないところでした。
具体的には、漬けて最初に水が上がってからも、早々に重しを減らさず、実を締めておき、また二度漬けをして、実の塩分濃度を上げておくべきでした。
実の硬化を懸念しすぎて、早々に重しを軽くし、二度漬けもしませんでした。
腐敗せず実の保存はできましたが、実の果肉部分がぐじゅぐじゅで、かつ皮が破れる状態では漬物と言えないのでした。
漬物は、単なる塩蔵の保存食品ではなく、最終的な味付け後の歯ごたえ、食味を想定して導き出さなければならない、発酵食品の結晶とも言えます。
奥が深そうです。
余談ですが、上田の地酒・亀齢の酒蔵、岡崎酒造で酒粕を買ったとき、「何に使う?」と店のおかみさんに尋ねられたことがあります。
「粕漬用」と答えると、「もったいない」、と言われました。
冷蔵して売っているような搾りたての酒粕は、かす汁や甘酒など、直接粕を楽しむように利用すべきなのでした。
粕や麹は飲む点滴と言われ、最近ひそかなブームです。
おじさんは、山小屋では、和風洋風を問わず、煮物、煮込みのベースに亀齢の酒粕を使っています。
コクが出ます。