お盆の頃、長野地方に収穫期がやってきます。
桃は全国トップ3に入る生産量の長野県。
山梨県産の大型の桃が市場を席巻したあとの8月中旬に、地物が県内に出回ります。
値段も半分、見かけも半分、のイメージですが、手ごろにおいしさを味わえます。
地元の道の駅や直売所で、ひと箱8個から10個入りで1000円から1300円で買えるところも魅力です。
類似の品種として、ネクタリン、ワッサーなども出回ります。
ワッサーは桃とネクタリンの掛け合わせです。
今回はワッサーをコンポートに加工してみました。
皮をむいてカットします。
熟しても実が硬いのが特徴で、皮もナイフでないと剥けません。
甘みは控えめですが香り豊かです。
ひたひたの水に、水の40%程度の砂糖を入れ、レモン、白ワインを加えて煮ます。
煮汁がピンクに染まり、実が柔ら赤くなってきたら出来上がりです。
短い長野の夏に一気に出回る夏の恵み。
一番うまくて、値段も手ごろな旬の素材を余すところなく味わいたいと思う、よくばりな山小舎おじさんです。
おじさんの暮らす長和町は、加工用トマトの生産地でもあります。
ケチャップ工場などと契約し、地ばいで加工用トマトを育てる生産者がいます。道の駅で加工用トマトを見かけたので2キロほど買ってきました。
皮をむいてから煮てゆきます。
食用トマトを煮ても缶詰のトマトとはくらべもののならないほどうまいですが、加工用トマトはまた一味違います。
冷凍保存して1年中使います。
「暮らしの手帳」という雑誌があります。
広告を取らず、消費者視点を貫く雑誌です。
これのかなり昔のバックナンバーに、イタリアのトマト加工の様子をレポートした記事が載っていたことを思い出します。
野外の大鍋で細長いトマトを煮ては、瓶に詰めてゆく現地のおばちゃんたちの写真が載っていました。
大量の瓶の口には丸めた紙が詰めてありましたっけ。
収穫の喜びと、素材を余すところなく利用する豊かさが、いつまでたっても思い出される記事でした。
8月の長野県は、自然の恵みの豊かさと、収穫の喜びに、思う存分浸ることができます。