12月初旬はシーズン最後の旅の時期、降雪と厳寒の季節を前に軽トラで旅に出ました。
目指すは杖突街道を高遠から伊那に向かうお気に入りのルート。
路面凍結を注意しながら、杖突峠へ向かいます。
幸い、杖突峠は雪もなく、路面は乾いていました。
杖突街道藤沢地区
杖突街道を高遠に向かって下る道にはひなびた里の景色が続いています。
藤沢という地区には、温泉施設やカフェなどが集まっています。
この地区の街道沿いの一軒が、天気の良い日などに、道具類を軒先に出しています。
通るたびに気になっていたので、軽トラを路駐して寄ってみました。
この家は古道具屋兼カフェをやっているようでした。
この日は道具類の軒先への蔵出しはやっていませんでした。
いつか改めて寄ってみたいところです。
高遠歴史博物館
高遠歴史博物館へ寄ってみました。
前回酔ったときは、ここで杖突街道の手づくりマップを買いました。
改めて歴史博物館の立地が絶妙なことに気づきました。
川をせき止めてダム湖とした景観のほとりに立地し、その川は高遠城が立つ山の崖を削っています。
城山と川の間を削った道をたどって博物館にたどりつきます。
博物館の1階には、杖突街道の沿道に建立されている、貴船神社で行われていたお祭りの舟形の山車が展示されています。
京都の貴船神社から勧進された神社が杖突街道にあるのです。
2階には、高遠城の最後の城主が家臣たちに下賜した鎧兜や刀剣などが展示されています。
下賜されたものが大事に保管されてきたからこその展示です。
城主は廃藩に当たって、藩の所有物を散逸させるのではなく、家臣たちに下賜したうえで、それらを記録に残したとのことです。
藩の宝物が当時の記録とともに今に残されたわけです。
また、高遠藩では射程変更できる大砲を自力で作ったとのこと。
家臣の子弟教育の水準の高さといい、当地の文化水準の高さがうかがえます。
武田信玄が信濃侵攻の前進基地とした高遠城。
織田信長に攻められた武田軍が総崩れとなる中で、高遠城は武田軍が壮絶に抵抗したことでも知られます。
ローメンとソースカツ丼
伊那はローメンとソースカツ丼が名物。
高遠の食堂でそれらを同時に味わえる定食をいただきました。
ローメンは汁あり焼きそば。
汁はウスターソースの味です。
ここの食堂のウリは手作りの味です。
個人営業の食堂の何がいいかって、手作りの味が味わえること。
満足感があって、胃もたれしないこと。
伊那ではいつもの酒屋に行く
高遠まで来たら伊那に下りるのがお約束。
天竜川のほとり、伊那谷の北部の中心地、12月の伊那市は底冷えがします。
駅前アーケード街にある酒屋さんに寄ってみます。
この酒屋さんは手作りの看板が名物。
前回は「秘酒」の大文字に思わず入店し、買い求めた真澄、これがうまかったのです。
今回の看板には「夜明け前誕生50周年記念酒」とありました。
看板の品を求めると、おかみさんが冷蔵棚から出してくれます。
ついでにこれも看板にある、無添加生ワインというのも買い求めました。
更にアーケード街を歩いていると、地元出身の音楽家に名前をずらりと並べた看板がありました。
おお、そうそうたるメンバー。
その下には年寄りの心得を歌詞にした歌が書かれています。
ツボを得た歌詞に思わず深く納得させられました。
年末にふさわしい流れ旅でした。