JR南武線と東急田園都市線が交差する武蔵溝ノ口駅。
昨今は都心へのアクセスの良さからマンション開発とともに駅周辺が再開発され、近代化し、賑わっている界隈です。
自宅から自転車で散歩するのにちょうど良い距離のため、多摩川のサイクリング道路を使って溝の口までよく行きます。
この日は溝の口駅の西口商店街を目指してペダルをこぎました。
多摩川にかかる二子橋まで走り、大山街道沿いに溝の口駅に向かいます。
南武線の踏切の手前を斜め左に折れると、「溝の口駅西口商店街」の看板が迎えてくれます。
ここから駅西口入り口までの一帯が商店街になっています。
本ブログでも取り上げたことのあるこの商店街。
10年位前は、八百屋が2軒くらい、団子屋1軒、古本屋もある商店街でした。
現在では八百屋が1軒のほかは飲み屋が続く一帯になっています。
立ち飲み屋や、外にビールケースの上にベニヤを乗せた「テラス席」を置いた、今風の飲み屋ばかりです。
唯一残る八百屋の店先に樽に入ったたくあんが1本200円で売っていたので買ってみました。
八百屋の大将が大儀そうにやってきて「酸っぱいよ」と一言。
たくあんを袋に入れ、手渡し、代金を受け取るまでの間、何度も「酸っぱいよ」を繰り返していました。
向かいにあった団子屋のことを聞いてみると「閉まった」と一言。
商店街の活気のなさを象徴するような八百屋とのやり取りでした。
商店街を抜けたところにあるいつもの食堂でランチ。
500円のカツ丼です。
いつもそこそこ客が入っている食堂です。
肉の厚さ、うまさ、量などは値段相応のカツ丼ですが、そこはプロの食堂の味つけ。
シッカリ一食分満足させてくれます。
府中街道が駅前を横切り、駅と府中街道から多数の脇道が伸び、交差する溝の口駅前。
パチンコ屋の店員が声をかけ、戦後から続いたであろう安売りの八百屋が残る混とんとした風景。
再開発以前の溝の口の街の様子が、裏道にはまだ残っています。
ゆっくり探せばまだまだ昭和の風景に出会えそうな溝の口の駅周辺です。