彩ステーション「談論風発の会」

山小舎おばさんが主催している彩ステーションは、調布市柴崎にある「みんなの居場所」。
一軒家を借りて平日オープンし、歌の会、麻雀、体操、ランチの会などを、近所の主にシニアたちを集めて開催したり、時々はプロの音楽家や芸人が投げ銭方式で芸を披露したりもする場所です。
ほかに月一回の子ども食堂を開催(これは地元の小学校のPTAが主催し、彩ステーションは場所提供)したり、バザーを行ったり、関係者の誕生会を開いたりしています。

彩ステーションには、常時参加するシニアたちが20人ほどもいるので、例えばランチの会の炊事だけでも結構な手間が必要です。
そのための献立、調理、後片付けを行うボランテイアのスタッフ(サポーターと呼ぶ)が数人いて、毎週ランチの会を開催してくれたりします。
また、自分の特技を講習会のネタにして主催してくれる人がいたり、地域に在留の外国人が故国の料理の会を開いたりして、多彩なプログラムが提供されます。

そのプログラムの一つに「談論風発の会」というのがあります。
興味があったので参加してみました。
この日は3月11日。
最近は忘れがちだが、東日本大震災の日でした。

彩ステーションのホールで準備する参加者たち

主宰者は80代に近い女性。
彩ステーションのサポーターの一人として数年参加している人。
この人の司会で会が始まった。
参加は近所のシニアたち。
元気な人もいれば、ほとんど目の見えない人、認知症で会話が頓珍漢な人もいる。
お馴染みのメンバーばかりなので場の雰囲気はこなれている。

ホールの片隅にはまだひな人形の姿が

まずは14年前の震災当日、どこにいてどんな体験をしたのか?というテーマが司会者から提示されました。
皆さんとっくに退職していた時代だったようで、自宅付近の様子だったり、現地の知り合いが災難に遭った話が多かった。
自分の番が来たので、会社員時代に当日を迎え徒歩で会社から5時間かけて自宅に帰った話をした。
当時の都内の緊迫した雰囲気、閉鎖された駅舎の周りで列を作る人、渋滞で全く動かない都心部の車道、歩道を埋めて黙々と歩く人々など、忘れようにも忘れられない記憶を話した。
「そういえばこの話を誰かにしておきたかったんだ」と思いながら。
3月11日の「談論風発の会」にタイムリーな話題を振っていただいた司会者に感謝です。

会の後半は合唱だった
。彩ステーションには20部の手づくり歌集が配られた。
「ギターで歌おう会」というのを主宰している人が自力で作ったものとのことで、立派な作りに驚いた。

スタッフが自作された歌集の表紙

歌集で歌を選びながら10曲ほど。
テーブルの真ん中にデジタル式のスピーカーを置き、司会者の助手のような人がスマホから選曲して飛ばしたものが流れ、皆はそれに従って歌うのだが、隣の高齢者が本式の発声で歌っているので驚いた。
その方はかつて地域の公民館で合唱の会を主宰していたとのことだった。

歌集の目次
この日の選曲はザ・ピーナツの「恋のバカンス」から

1時間以上が過ぎ、用意された桜餅を食べて会が終了した。
会費は300円(通常は100円だが、この日は桜餅付きとのことで実費分増額)だった。

久しぶりに歌を歌えて気分転換になり、また忘れかけていた震災時の記憶を言葉に出せた貴重な機会でした。
彩ステーションに集う高齢だが貴重な人材にも感心しました。

桜餅がおやつ

投稿者: 定年おじさん

1956年北海道生まれ。2017年に会社を退職。縁あって、長野の山小屋で単身暮らしを開始。畑作り、薪割り、保存食づくり、山小屋のメンテナンスが日課。田舎暮らしの中で、60歳代の生きがい、生計、家族関係などの問題について考える。60歳代になって人生に新しい地平は広がるのか?ご同輩世代、若い世代の参加(ご意見、ご考察のコメント)を待つ。

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