高田馬場から神楽坂へと歩き、市ヶ谷まで(上)

高田馬場から神楽坂へ抜けるコースはかれこれ10年くらい歩いている。
神楽坂についた後は、九段下へ抜けたり、東京神宮から神保町方面へ行ったり、靖国通りを歩いて市ヶ谷まで行ったり。

ことの最初は早稲田通りの古本屋に魅せられたから。

今でこそ、食べ物やが目立つ早稲田通りだが、昔は学生向けの雑多でカジュアルな古本屋が多く、また掘り出し物も多かった印象がある。

さて、令和二年の冬の晴れ間、高田馬場から早稲田通りをスタートした。

高田馬場駅周辺には学生向けの看板が多い。
早稲田界隈ならではの猥雑さか。
他の大学がどんどん無味無臭になっている中、早稲田のバンカラ精神には頑張ってほしい?

早稲田松竹。
いわゆる名画座の生き残り。
断片的なプログラムにはなるが、歴史的な名監督たる溝口健二、ゴダール、イエジー・スコリモフスキーなど作品も2本立て入れ替えなしで上映される。
フィルム上映も可能。
昔は界隈に高田馬場パール座という名画座も残っていた。

早稲田松竹隣の空き地。
30年ほど前だったろうか、冬にここに建っていた純喫茶店に入ったことがある。
すでに廃墟のようなたたずまいで、よろよろしたマスターがこちらの来店に合わせて灯油ストーブを点けてくれたっけ。

喫茶店の裏手には、バンカラ精神の権化のような木造アパートとも、旧制高校の学寮ともつかぬ建物が建っていたっけ。
今はなくなっている。

交差点を渡り、右手にインド大使館を過ぎる。

ここの団子はうまい。

辻には子守地蔵尊のお宮がある。
お祭りも行われているようだ。

地蔵尊を過ぎると古本屋エリアに入る。

まずはここ、古書現世。
サブカルから歴史ものまで品ぞろえが魅力的だった。
廃業したのか?ネット販売で食っているのか?今日も閉店だった。

ぽつぽつと古本屋が現れる。

店頭のゾッキ本棚。
一般的に100円コーナーが多いゾッキ本棚だが、ここでは1冊50円がある。
20円も!

おじさんが、閉店した古本屋を惜しんでいる間に時代は進んでいる。
通りを歩く学生にも外国人の姿が目立つ時代になった。
通りに面して建つのは、中国人向けの日本語教室なのであろうか?

虹書房。
表の20円本コーナーもいいが、戦史、沖縄史、原発、満洲史、アイヌ史、新左翼史・・・と魅力的なコレクションが書棚を彩る古書店。
専門書ばかりではなく、読みやすい書籍もそろっていて、神保町の同様な店より入りやすい。
現存する早稲田の古書店では一番に勧めたい。
店主もまだまだお元気な年代。

現在は、入試期間中で大学構内は立ち入り禁止。
春休みということもあり、構内至近距離の牛丼屋も休業中。

卒論製本屋もあった。

馬場下交差点からは穴八幡神社が見える。

今日の昼食はキッチンオトボケ。
揚げ物系の食堂。
ここのカツカレーはおじさんの好物。

春休みの影響か?近年の若者の嗜好の変化か?いつも満員の食堂がパラパラの入りなのが気になった。
ビルマ人と思しき従業員たちも手持無沙汰のようだった。

(続く)

投稿者: 定年おじさん

1956年北海道生まれ。2017年に会社を退職。縁あって、長野の山小屋で単身暮らしを開始。畑作り、薪割り、保存食づくり、山小屋のメンテナンスが日課。田舎暮らしの中で、60歳代の生きがい、生計、家族関係などの問題について考える。60歳代になって人生に新しい地平は広がるのか?ご同輩世代、若い世代の参加(ご意見、ご考察のコメント)を待つ。

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