信州ソウルフード放浪記VOL.37 望月ふじたの味噌カツ丼

佐久市に望月という地区があります。

中山道26番目の宿場で、今では寂れているものの商店街の名残や大規模な消防署、免許センター、バスターミナル、旧制女学校からの歴史を持つ高校、などがある地域の中心地でもあります。

平安時代から望月御牧といわれる馬の御用牧場があり、中世には騎馬隊を有した武将が望月城に居城していました。戦争末期の1945年6月には、なんと陸軍士官学校が神奈川県座間から移転してきたそうです。
もっとも学舎などは整備されず、女学校や小学校の校舎を利用し、民家に寄宿していた内に終戦となりました。

馬については、今でも秋に望月地区で競馬(ギャンブルではない)が行われていることからもその歴史の長さがうかがえます。
また、映画「犬神家の一族」第一作に登場する那須ホテル(金田一探偵が逗留しようと、女中役の坂口良子に道を尋ねた旅館)のロケ場所となった旅館が望月にありました。
現在は廃業していますが、別な人が宿泊施設としてリニューアルする計画があるようです。

立科町から佐久市の佐久平や岩村田に抜ける国道沿いに望月地区はあります。
山小舎おじさんにとっては、苗の時期は望月農協に買いに行ったり、望月宿を歩いたり、望月宿の中ほどにある歴史民俗資料館をのぞいたりする地区でもあります。

望月地区の名物料理が味噌カツです。
この日は、夏野菜の苗を買いに望月農協に行ったついでに、集落内にある食堂ふじたに寄ってみました。

望月の集落内にある食堂ふじたの看板

何度か訪れたことのあるふじたですが、休業や貸切で入れませんでした。
この日は土曜日の13時前。
14時から昼休みが慣習で、店によっては13時30分を過ぎると新規入店やオーダーができないなど、いろんなことがあるのが県内の食堂です。
時間に気を付けて訪れた甲斐あって、この日は「営業中」でした。

暖簾が掛かったエントランス。食べ終わって出てきたときに撮影したため「本日終了」の看板が出ている

入店すると愛想のいいおばさんが出迎えてくれます。
厨房では忙しそうに鍋が振られています。

客席は壁に向かったカウンターのほかは座敷です。
広い座敷には数脚の食卓のほか、椅子付きのテーブルも2脚あります。
何より壁にかかった縁起物の数々がにぎやかです。
見事な田舎の昭和の座敷の光景が展開しています。

メニューをめくると味噌カツ丼の力強いチラシが

お約束の味噌カツ丼を注文。
出てきたものは、はサラダやがんもの煮物をカツと一緒にあつらえたどんぶり。
ちょっと意外な盛り合わせでしたが、温泉卵にワサビ入りドレッシングを和えたサラダは美味しく、味噌カツといい取り合わせでした。

ふじたの味噌カツ丼。ワインのタンブラーで供される麦茶がいい味出している

何より手作り風の味が安心します。
味噌汁の味も家庭風でいいし。

カツ自体は伊那のソースカツ丼と比べると、厚さ、柔らかさ、大きさなどで落ちますが、味噌味は甘すぎずマアマア。
店の雰囲気も、ライダーなど観光客が普段から多いのか、風通しがよく、開放感がありました。

カツ丼に限らず麺類から定食まで幅広いメニューが揃っています。
駐車場が狭く、昼の営業時間が限られますが、それも含めての地元の食堂。
家庭風の味を残していってほしい店です。

投稿者: 定年おじさん

1956年北海道生まれ。2017年に会社を退職。縁あって、長野の山小屋で単身暮らしを開始。畑作り、薪割り、保存食づくり、山小屋のメンテナンスが日課。田舎暮らしの中で、60歳代の生きがい、生計、家族関係などの問題について考える。60歳代になって人生に新しい地平は広がるのか?ご同輩世代、若い世代の参加(ご意見、ご考察のコメント)を待つ。

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