ガッテン農法講習会に参加

茅野のAコープのレジ外の掲示板に「ガッテン農法講習会」というビラが貼ってあった。
5時間の講習で、参加費6,500円と微妙に高額なのが気になったが、参加を申し込んだ。

三浦講師の著書「ガッテン農法」

畑を作って4年が終わった。
必ずしも順調にいっているわけではない。
安定した収穫をもたらすべく、畑づくりのキモを学びたい。
鹿などの食害防止についても知恵を得たい、との気持ちだった。

11月上旬のある日。
茅野市湖東の民家が会場だった。
講師はMOA農業の指導員という三浦氏。
湖東地区は山小屋から大門街道で茅野に下りたあたりのまあ近場。

MOAとは世界救世教のことで、戦前の神道系新興宗教の大本教から分派した教団。

定員30名というが果たして何人集まるのか?
山小舎おじさん1人だったらマンツーマンでじっくり学べるな、と思いながら、30分ほどかけて会場へ行くと、どんどん人が集まってくるではないか。
なんと遠くは岐阜県や横浜からも来ている。
女性が多く、参加者通しの知り合いも多いようだった。
三浦講師はこの世界では有名らしかった。

会場は湖東地区の移住者が住む民家だった

午前中は座学。
午後から実習の1日だった。

座学では、講師の三浦さんの経験に基づいた、土の話、植物の話、土(地球、自然)と植物の関係の話。

座学では絵を使って説明がされた

聞いていて、三浦さんが豊富な経験に基づいた農業者であることがわかる。
また、ただの農業者ではなく、その人ならではの世界に突入した稀有な人であるとわかる。

会ったことはないが、「奇跡のリンゴ」で有名になった木村秋則さんももこういう人なのではないか、と思った。
あるいは、マスコミ的には無名なままだが、各地、各時代に存在した、単なる篤農家を越える、名人と呼ばれる人はこういう感じなのかな、とも思った。

一般常識とされるものを突き抜けた世界に到達した人の境地は、一般民には理解不能で、マネしても結果を得られないもの。
我々が無農薬リンゴを作ろうとしてもできないし、不耕起・無肥料で野菜を作ろうとしても、自然農法の泰斗・福岡正信さんのようにはいかない。

とはいえ、先人、名人が到達した世界を想像、追体験し、少しでも自然の本当の姿を理解することによって、畑の世界を運営できるのであれば、是非そうしたい。

弁当持参だったが、サラダとスープ、玄米おにぎりが出た

午後からの実習は、稲わらを持って畑に出た。
なんでも三浦講師が2年ほど前にひらめいた、ネジネジ農法の実地講習だ。

土の団粒構造の実現、作土の下の耕盤層の解体、を日々考える中で考え付いたものだというネジネジ。
藁をねじって、それをねじり合わせて結んだもの。
これを畑に置くだけで、土は柔らかくなるという。

会場に展示されたネジネジの数々

藁で作ったネジネジを石を入れたバケツに置いて軽さを実感してみたり、胸に当てて深呼吸してみたりした。
なるほど、軽く感じるし、呼吸が軽くなるような気がする。

畑で実習

それから、ネジネジづくりの実習。
教えてもらいながら作ったネジネジはなぜか大切なものに思えて持って帰って山小舎の玄関に飾った。

それから、体がよく動くようになったのは気のせいだろうか。
何よりも、4年目の矢籠や生活に入り、体を動かすのが億劫だったのが、前向きな気持ちになったし、力仕事がはかどるようになった。

山小舎おじさん自作のネジネジ

山小舎おじさんもガッテン農法の信者になったのか?

投稿者: 定年おじさん

1956年北海道生まれ。2017年に会社を退職。縁あって、長野の山小屋で単身暮らしを開始。畑作り、薪割り、保存食づくり、山小屋のメンテナンスが日課。田舎暮らしの中で、60歳代の生きがい、生計、家族関係などの問題について考える。60歳代になって人生に新しい地平は広がるのか?ご同輩世代、若い世代の参加(ご意見、ご考察のコメント)を待つ。

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