信州ソウルフード放浪記VOL.42 ラーメン大学

ラーメン大学というチェーン店があります。
ロードサイドに建つ、どこにでもありそうなラーメン店の外観です。
道産子ラーメン、札幌ラーメンなどと名乗り、全国にフランチャイズ店を展開し、店では店舗のオーナーが忙しそうに働いているものの、いつの間にか閉店していたりするあれと同じ外観の店です。
このラーメン大学が長野県発祥のチェーン店だということを最近知りました。

「信州おでかけガイド2024-2025」より

1965年上田で創業とのことで、「味噌ラーメンを中心にバラエテイ豊かなラインナップで長野県民を虜にする」とあります。(「信州おでかけガイド2024-2025」より)

これはしまった。
長年信州に滞在しながら今年まで通り過ぎていた!

まだまだ奥の深い信州ソウルフードの世界に、畏敬の念に近い驚きにおののきつつ、上田にあるラーメン大学バイパス店に向かいました。

上田を通る国道18号線は、軽井沢から長野へ向かう主要国道ですが、上田市の中心部を迂回して坂城、千曲方面へ抜けています。
さらにその外側を走るのが上田バイパスで、文字通り18号線のバイパスとなっています。
沿線には大規模なスーパーやホームセンターなどが点在します。
バイパス沿いの住宅も混じる一角に、目指すラーメン大学上田バイアス店はありました。

上田バイパス店の外観

入口に立つキャラクター人形に歴史を感じます。
ラーメン店らしく親しみのある外観です。

入店するとこれが案外落ち着いた雰囲気。
ファミリー客大歓迎のテンホウ(長野県民御用達の中華チェーン店。ソフトクリーム150円がキッズに人気)のような「ヤッツケ感」はありません。
そうかといって、最近のラーメン屋のような「元気」と「若さ」が売りの「ヤンチャ感」でもありません。
仕事途中の大人が寄って落ち着いて食べられる感じです。
店員さんの目配り、サービスも、行き届いている感じです。

キャラクター人形が迎える

平日とはいえ店内は、ボックス席が満席に近く、県民に広く定着している印象。

人気の味噌ラーメンと半チャーハンのセットを注文しました。

味噌ラーメンの具は定番のチャーシュー、メンマ(昔はシナ竹といった)だけではなく、玉ねぎ、もやしなども入っており、それらが単なるトッピングではなく、だしと混然一体となって煮込まれているところに、手作り感、充実感が感じられます。
食べていて「これは県民に愛されてるなあ」と感じました。
提供する側と食べる側の「信頼関係」ということでは、もう一つの信州ソウルラーメンである、ハルピンラーメンと同じオリジナリテイを感じます。

味噌ラーメン

個人の食堂ならともかく、大衆チェーン店で地元客との長年の「信頼関係」を維持しているクオリテイがラーメン大学の強みなのだ、と思いました。

チャーハンも、半チャーハンとしては多めの量と、町中華そのものの味に満足しました。
その量からは、田舎の食堂のお約束でもある「お客には腹いっぱいになってもらおう」という心意気を。
またその味からは、「内容的にも妥協せず、レベルを維持しよう」という、町中華店としての理念を感じます。

半チャーハン

ランチのセレクトに間違いのないチェーン店です。

上田の麹屋

上田市の住宅地の一角に昔ながらの麹屋があります。

福無量という造り酒屋で、特別純米美山錦を求めた際、「麹はないか?」と聞いたところ、「うちでは仕込み分の麹しか作らないが、市内に麹専門店がある」とのことで、行ってみました。

表通りから折れた住宅地を通る細い道路沿いにその店はありました。

上田の山辺麹店

古い造りの商家というのでしょうか。
表にガラス戸もなければ、ショーウインドもありません。
門構えを抜けると、土間に大きなかまどがあり、羽釜がかけられています。
中庭の奥には母屋が見えます。
声をかけるとまだ若い主人らしき人が出てきました。

門の中に土間が見える

扱っているのは麹と甘酒と味噌とのこと。
麹と味噌の製造所が、小売販売もやっているという風情です。
とりあえず麹1キロと甘酒を注文しました。

手に入った麹はスーパーなどで売っているものとは一味違う感じ。
「保存はビニールではなく紙袋で」とのこと。
甘酒は二倍に薄めて飲むとよし、と。
腰が低い主ですが、麹についてはこだわりを持っていることがうかがえます。

麹1キロを購入

土間を眺めていると、敷居の上にのこぎりのようなものがしつらえてあるのが目に入りました。
聞くと「燕に巣を作らせないため」とのこと。
歴史を感じます。

東京へ帰って、麹と甘酒を、流行りの発酵食品に関心を持つ娘一家にプレゼント。
娘からは「麹には、きれいな麹菌がびっしりついていた」と反応があり、さっそく塩麴、しょうゆ麹、だし麹に加工したとのラインがありました。

甘酒はさらっとしていた
甘酒には案内文がついていた

山小舎でも、残りの麹で塩麴を作ってみようと思います。

りんごの季節到来 王林でジャム

11月中に信州で出回るリンゴの主力は、フジの前に出る品種の、王林、名月、高徳などです。

山小舎おじさんがりんごもぎのバイトで御邪魔していた、立科町五輪久保のりんご農園でも、収穫中のりんごはフジですが、自販機などで売られている品種は、名月、王林、高徳でした。

王林のキズありが、一袋300円だったので購入。
帰ってからジャムにしました。

王林は酸味に乏しく、かといって強烈な甘みもない、どちらかというと中途半端な味ではあるのですが、独特の香りを持ち、ファンが一定数いる品種です。
出回る時期は限られており、特有の青みがアピールするので、年に一回は食べておきたいりんごです。

ジャムを作るにあたっての特異点は、香りを生かすため砂糖はザラメではなく白砂糖とし、割合も抑えめにしました。
レモン汁は多めにしました。

いつものように皮付きのままスライスし、砂糖をまぶしておきます。
汁けが出てきたら加熱します。

全体が柔らかくなったら、果肉の形が残っていても加熱を終えます。

煮沸した瓶に詰め、蓋を軽く締めて抜気します。

青みを帯びた王林ジャムの完成です。

りんごのジャムでも、王林は珍しいので、来シーズンの来客のお土産になるかもしれません。

信州ソウルフード放浪記VOL.41 おしぼりうどん

坂城町の直売所付属の食堂で、おしぼりうどんを食べました。

坂城町は千曲川沿いの、上田市の北西、千曲市の南に位置する町です。
北国街道という、軽井沢宿の西の追分から、新潟に至る街道によって発展したのが、町の始まりのようです。
現在は、軽井沢から長野市を、千曲川の右岸で結ぶ、国道18号線の沿線に位置します。

町内の国道18号線沿いに、直売所あいさいがあります。
この直売所には今の時期では、りんごを中心に季節の野菜果物が売られています。
直売コーナーの入って左手には食堂があり、名物メニューがおしぼりううどんです。

坂城町の直売所あいさい

地元の名産の大根のしぼり汁で食べるうどんです。
名産の大根は、小ぶりの辛味大根で、鼠大根とも呼ばれます。
この名称が、大根の形状から由来するのか、この地区の鼠という名称からくるのかは、私にはわかりません。

北国街道には坂城宿とともに、間の宿(宿場と宿場の間にあり、休憩や宿場からあふれた人の宿泊に使った宿場)として鼠宿があり、現在でも地名として残っています。

ねずみの地区名が残る

ということで早速おしぼりうどんを注文します。

うどんの温かいゆで汁の匂いとともに供されたのが、温かい茶碗に盛られた手打ちうどん、鼠大根のしぼり汁、味噌と薬味、漬物が乘ったお盆。
寒い季節には暖かいうどんの匂いにほっとします。

おしぼりうどん、850円

「味噌が足りなかったら言ってください」と食堂のおばさん。
どれどれと、味噌をひとかけ削ってしぼり汁に解き、うどんをたぐってすすってみます。

予想通りの辛さと、大根の青み。
そして思った以上の、自然な甘みとさっぱり感。
「これはイケる」とさらに一すすり。

辛味があるとはいえ、うどんの香りを邪魔するほどの強烈さはないのが大根おろしという食べ物。
むしろ辛味を味わうのに味噌のしょっぱさが邪魔してる?
味噌を多く入れると、汁が味噌味になって、せっかくの大根おろしの風味が消える?
と思ってしまう、しぼり汁の存在感です。

しぼり汁には一切のダシや調味料は入っていませんが、だからこその気持ちのいい自然な味。
味噌をほどほどに解き、漬物で口直しをしながら、うどんをすすりこみます。
うどんの温かさ、風味がストレートに味わえます。
「これはうまい」。

食堂の壁にかかっていた

さりげなく手打ちのうどんや、蕎麦が出てくるのも信州の食堂の凄い所。
ここの手打ちうどんもまた食べ応え十分でした。

食べていて、しょうゆをかけての味変もいいなと思いましたが、とにかく素朴な味わいに浸ったひと時でした。

菊芋チップ

畑で収穫中の菊芋をチップにしてみました。

寒い中、スコップで収穫している菊芋。
既にコンテナ3箱ほども収穫しましたが、畑にはまだまだあります。

山小舎おばさんには、東京に持って帰ってもらって、仲間内で利用してもらっていますが、その後に収穫した分が山小舎に残っています。

ショウガのように凸凹し、泥だらけで、決して美味ではない菊芋。
イヌリンという食物繊維が豊富だそうです。
今年は菊芋茶を作ってみようと思い加工を開始しました。

まずは菊芋の泥を落とします。
ざっと外で乾燥させた泥付き菊芋を外の水道でざぶざぶ洗います。
洗っても洗っても泥が出ますので、ほどほどにします。

台所に持ち込んで二次洗い。
たわしでこすったり、芋同士をこすり合わせて揉み洗いします。

スライスして乾燥させようと思います。
きれいで、大きめの芋を選び、包丁でスライスします。
スライスしたものを揉み洗いし、10分ほど水に漬けます。

これをざるにあけて干します。
理想は天日干しですが、天気が悪い時と夜間はストーブのそばで乾かします。

なかなかパリパリにはなりませんが、煎じればお茶になるくらいの時点で完成とします。
後でお茶として利用してみます。

今年も干し柿

今年も柿を干しました。

24個入り1500円の渋柿

たてしな自由農園という直売所に一袋24個入りの渋柿が1500円で売っていたので即買い。
そのまま山小舎へ取って返して柿を剥き、ひもで縛って、90度のお湯で消毒し、外につるしたものです。

皮をむいて4個づつひもで縛る
90度のお湯で数十秒間消毒する
外気と日光に当てて干す

翌日から東京の自宅へ帰る用事があり、5日ぶりに戻った山小舎の軒先で干し柿は無事ぶら下がっていました。

早速、スプレーで35度の焼酎を消毒のために噴霧して、翌日は日光に当てました。

雨の日にはストーブのそばの物干し竿にぶら下げて乾燥促進。

まだ、中身が柔らかくなってはいませんが、このまま無事柔らかくなったら手でもんで干し柿を柔らかく仕上げます。

天気の良い日は外の物干し竿にかけて日干しします。
二回りほど実が締まり、重量が半分以下になったら出来上がりです。

りんごの季節到来 紅玉でジャム

信州ではりんごの季節が到来しています。
主力品種のフジが11月中旬に出回るまでの10月ころは、古くから馴染みの紅玉を仕入れるチャンスです。

アップルパイやチャツネの材料にもってこいの紅玉、この日は王道のジャムにしてみました。
年が明けてりんごのジャムを使おうとしたとき、紅玉のジャムがあるとうれしいからです。
誰かにプレゼントするときにも、紅玉ジャムがあるとセレクトできますし。

この日加工した紅玉は、小諸市の長井農園というところで入手したもの。
小ぶりですが6玉入って400円という安さ。
まだ50歳前後に於見える若い農園主の熱心な説明を聞きながら、ほかの品種とともに購入しました。

紅玉6玉入りの袋を長井農園で購入

ジャムの加工はいつもながら。
専用の鍋で、専用のへらを使いながら加工します。
包丁でカットするたびに水で洗浄。
皮つきのまま煮込みます。

加工は洗浄から始まる

今回は、ザラメと白糖を合わせて使用、レモン汁をかけた後はしばらく放置し、紅玉から水分が出るのを待ちます。水は全く使用しません。
砂糖の量はりんごの半分とされていますが、山小舎では多くて3分の1くらいです。
風味を邪魔しないためです。

カットした紅玉に砂糖を投入

ストーブを使って煮込みます。
煮崩れて、煮詰まってくるのを待って瓶詰めします。
リンゴの実が少し残っているくらいが好みです。

煮詰まってきた

保存瓶はあらかじめ、ストーブを使って1時間ほど煮沸しておきます。
蓋は瓶詰めの10分前から消毒。
蓋についているゴムが熱で柔らかくなりすぎ、瓶詰め後にガラス瓶とくっつくのを防ぐためです。

紅玉と瓶がそれぞれ熱いうちに瓶詰めです。
瓶内の空気ができるだけ少なくなるような量を詰め、軽く蓋をします。
熱湯で煮て抜気をします。

瓶に詰めて抜気する

ジャムの常温保存のためには、消毒とともに重要な作業となるのが抜気です。
瓶の中の空気を最大限に抜くのです。
抜気の後、蓋を閉めておくと、粗熱が取れた後の蓋がぺコンとへこんでいます。
うまく空気が抜けた証拠です。

出来上がった紅玉ジャム

中小3瓶の紅玉ジャムの完成です。
作成年月と中味を書いたラベル代わりの見出しを蓋に貼って棚に置いて保存します。

信州ソウルフード放浪記VOL.40 駒ケ根明治亭のソースカツ丼 

さあ、今回のソウルフードは、地元では「駒ヶ根ソースカツ丼」のブランドで有名な、明治亭のソースカツ丼です。

ソースカツ丼の文化は、知っている限り群馬県から新潟にかけて広がっているようです。
長野県内では、単にカツ丼のメニュー表示であっても、出てくるのがソースカツ丼の食堂もあります。

特に伊那地方に有名店が集中しており、伊那市、駒ケ根市などが本場です。
駒ヶ根に本店がある明治亭は、長野駅構内や軽井沢に支店を持つ県内のソースカツ丼最有名店といえます。

中央道駒ヶ根インター近くに本店があります。
雨天の平日に行きましたが、11時の開店10分ほど前に到着して三番目の入店でした。

店内は、ほぼソースカツ丼単一メニューの飲食店としては、広めの店内と席数。
スタッフもホール係だけで4名ほどいます。
民家づくりの和食店風ですが、若干、ファミレス風の匂いもします。

カウンターに案内されて、ロースカツのソースカツ丼を注文。
ほどなく提供されました。

丼の上皿が閉まらないほどのカツの大きさ、は信州のソースカツ丼のお約束。
店のオリジナルというソースの味もばっちりです。
カツは思いっきり厚いものではなく、多めのキャベツが若干邪魔ではあるのですが、みそ汁の味付けといい、すきのないメニューとなっています。
普通盛でもボリューム的にはタップリですが、食べ飽きることはありませんでした。

ソースをお土産に会計を済ませながら聞くと、「予約はできません。土日は1時間待ちもあります。」とのこと。
県内の個人商店ではありがちな、つっけんどんで事務的な対応はなく、大勢の不特定多数の客の応対にも慣れた接客を感じました。
それでも残った違和感がありました。

失礼を承知で言えば、県内でも辺境に近い南伊那の地元の食堂では、もっと人間臭い接客が普通だろう、と思ったのです。
たとえ、全国チェーンのファストフード店であっても、醸し出される地元感、人間臭さが隠せないのが信州の飲食店。
これが明治亭にはなかったように思ったのです。

11時の開店時間を過ぎても、店内で雑談する店員達の姿にそれはあったのかもしれません。
時間や規則には小学生のように几帳面な県民性にあって、その姿は珍しく、また人間らしくスキを見せた瞬間だったのかもしれません。

伊那の「たけだ」という精肉店直営のソースカツ丼屋があります。
お盆などで客が大勢押し寄せると、店のおばちゃんやお兄ちゃんはうまく客捌きができず、隙だらけで、ぬるいみそ汁が出て来たりしますが、分厚い肉と自家製のフルーテイなソースは何度食べても飽きません。
ただし時間には几帳面で、昼の休業時間5分過ぎに着いても、「ごめんね」といって入れてくれなかったりします。

駒ケ根の明治亭に行って、伊那のたけだが懐かしくてしょうがありませんでした。

サルナシのジャム

信州各地の直売所を回っていると、秋の収穫期には珍しいものに出会うことができます。

今回はサルナシという実と出会いました。

サルナシ1パック300円

サルナシはマタタビ科の植物で、キウイフルーツとも近い種類とのことです。
クマやサルの大好物で、和名のサルナシも、サルが好むところからついたとのことです。

売りに出ているサルナシは、栽培されているもののようです。
軽トラ旅のついでに寄った築北村の直売所にあったので買って帰りました。
ネットで調べると、ジャムに加工できるとのことです。

そのまま水洗いします。
ヘタとおしりをカットします。
手でつぶれるくらい熟したものは外しておきます(ジャムには使えるかもしれませんが、念のため)。
実の緑が鮮やかです。

水洗いして
ヘタとおしりをカット

ネットではミキサーにかけてから煮込んでいました。
実を半分にカットしようかとも考えました。
がそのまま鍋に入れ、砂糖をまぶしてしばらく置きました。

そのまま砂糖をまぶす

水分が出てきたので煮始めます。
ところがなかなか皮が煮崩れません。
コンポートや実を残しての砂糖煮にはいいのかもしれません。
ジャムにしたいので、スマッシャーで潰してみました。

煮込むが、皮が煮崩れない
スマッシャーで潰しながら煮る

ジャムらしくなってきたので、火を止めます。

ひとパック分のサルナシで、保存瓶の小瓶ほどのジャムもできませんでした。
味見すると鮮烈な酸味が。野生の味です。

保存瓶に入れる
余ったジャムを試食する

信州ソウルフード放浪記VOL.39 戸倉駅立食い蕎麦かかし

戸倉上山田温泉の玄関口・しなの鉄道(旧国鉄信越線)戸倉駅の待合室に、立食い蕎麦店があります。
蕎麦を手渡すカウンターにはパック入りの焼き鳥や総菜、おにぎりなどが並びます。
お客さんが蕎麦をすするのは、待合室の椅子です。
テーブルもあります。

しなの鉄道戸倉駅

戸倉温泉は千曲川の右岸、上山田温泉は左岸にあります。
上山田温泉は、芸者さんがいて、飲み屋街が何本もの路地に続く歓楽街的な温泉場です。
温泉ホテルが何軒も建っています。

駅前には、温泉へ誘うアーチが掛かる

戸倉温泉には今はやりのスーパー銭湯的な、日帰り温泉施設があります。

軽井沢と長野市を結ぶ、しなの鉄道戸倉駅はこの両温泉への最寄り駅です。

立食い蕎麦かかしへ寄ってみます。
お店の中から「何にします?」と元気な声が掛かります。
目前のパックの列に目を取られつつ、メニュー表の中からかき揚げ蕎麦を注文します。
ついでに目に入った、柴漬け入りのおにぎりも。
かき揚げ蕎麦550円、おにぎり180円は今どきの適正価格でしょう。

立食い蕎麦かかしの全景
カウンターのパック入りお惣菜
またまた、お惣菜

料金は店主に手渡しの、今時珍しくなった完全アナログ・対面コミュニケート方式です。
一気に昭和の懐かしさが漂います。
カウンター前のテーブルの上の、割りばし入れ、七味、おしぼりも強烈に「昭和」を主張します。

店を取り囲むようにテーブル席が広がる

店主からそばを受け取り、テーブル付きの椅子でいただきます。
待合室には誰の姿もありません。
懐かしい蕎麦ダシの味と、手作りおにぎりを一気にかき込みます。

かき揚げ蕎麦とおにぎり

三々五々、部活を終えて帰ってきた高校生たちが、駅に降り立ち、散ってゆきます。
過ぎし日の、ローカルな駅の風景そのままです。

店主に了解を得て、店周辺の写真を撮りました。
状況が許せば、一杯飲んでゆきたくなる場所でした。
ここは、信州の角打ちのような場所なのかもしれません。