松江での山陰第一泊目が明けた日、市内を見物した後、米子に向かいました。
着いた米子駅は松江以上の雪景色でした。

米子からは境港まで往復して、魚を買い、今日中に鳥取まで行く予定です。
松江の駅でお土産を物色したので、当初のざっくりしたスケジュールは崩れています。
とりあえず列車で米子までは来ましたが、次の境線、境港行きまでは1時間半ほどもあります。
米子駅前のバス停で、境港行きのバスがないか調べてみました。
なんと15分後くらいに、終着境港駅行きの日の丸バスがありました!
思ってもみなかった展開。
この綱渡り感は、テレビ番組の「ローカル路線バスの旅」のようです。

15分の時間を雪のバス停で待っているわけにもいかず、境港の街のマップをもらいに駅の観光案内所に入りました。
中年の女性たちに交じって30代くらいの男性がいて対応してくれました。
話していると彼が学生時代に京王線の聖蹟桜ヶ丘に下宿していたことがわかり、水木しげるつながりで、境港と調布の話で盛り上がりました。
この彼は地元に戻って働いているとのことで、久しぶりの東京の話題に話が止まりませんでした。
NHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」放送のころは、境港に観光客が押しよせたとのことでした。
日の丸バス境港行きの乗客はほかに観光の夫婦が一組のみ。
まっすぐな道を直走り、JR境港駅に着きました。
駅は隠岐の島へのフェリー乗り場ともつながっており、この日のフェリーの便は満員のようでした。



有名な水木しげるロードは、駅から堺水道と並行して東に進んでいます。
かつては港で栄えた商店街だってのでしょう。
この日はまるで人の姿はありませんでしたが、鬼太郎一色に統一・再開発された商店街が続いていました。


実は境港で目指した先は、水産物直売センターという魚の直売所です。
「境港に行って寒ブリを送ってほしい」と家族のリクエストがあったためです。
水木しげるロードを抜け、さらに30分ほど歩いた漁港のロードサイドに目指すセンターはありました。
買い物客や食事に寄った地元の人らが集まっていますが、ほぼ全員が車でやってきています。


センター内には10軒ほどの鮮魚小売り店が軒を連ねており、そのうち半分ほどがズワイガニの専門店、鮮魚専門は2,3軒です。
センター内を一周してから目を付けた鮮魚店に戻り、ブリの子供の天然ヒラマサと天然ヒラメをチョイス。
ほかの店で買った干しサバも合わせて送ってもらいました。
ヒラメを3枚におろしてもらおうとオーダーしようとすると「おろさない方がいいよ。着くのが遅れるかもしれないし」と言われ、丸のままで送ってもらいました。
なかなか生きのよさそうなヒラマサとヒラメでした。
自宅では無事、刺身におろして食べたとのこと。
「とにかく新鮮だった」そうです。


買い物が終わって鮮魚店の女性に聞くと「センター内にすし屋はなく、食堂が2軒あるだけ。」とのことで、安めの食堂で昼食。
観光客や地元の勤め人でほぼ満席の食堂で海鮮丼をいただきました。
値段もお手頃でマアマアの味でした。


センターから駅へ戻るコミュニテイバスなどの便もみつからず、水道沿いを歩いて駅まで戻りました。
途中、造酒屋の建物をリユースした「海と暮らしの資料館」などにも寄りました。
来た道と違い、海沿いの道は漁船が並び、岸側には古い建物や飲食店などもあって賑やかでした。
隠岐の島からのフェリーが港に入ってきていました。



境港から米子までは、JR境線で戻りました。
中国人観光客などで満員でした。
鬼太郎ラッピングの車両、アナウンスは鬼太郎と目玉おやじの声優によるもの、沿線の各駅には、たとえば「こなきじじい駅」などの愛称がつけられている、という完全に鬼太郎人気に乗っかった路線です。

米子から山陰線に乗り鳥取まで行きました。
途中、大山口という駅から雪を頂く大山の姿が遠望されました。
国定公園に指定され、かつては冬季国体も開かれた山陰のウインタースポーツのメッカです。
車窓には夕暮れ迫るうつうつとした曇り空の下、山陰の黒々とした家々の瓦屋根が続きます。
到着した鳥取駅では有人改札が行われていました。
米子からSUICAで乗った山小舎おじさんは、窓口でデータを消してもらい、改めて米子からの運賃を支払い改札を出ることができました。



終業間際のデパートで割引の寿司と弁当を購入しました。
今夜の夜食と明日の朝食です。
ホテルまではしんしと雪の降る夜のアーケード街を歩きます。
アーケードのついた商店街は何本もあり、またどこまでも続いており、在りし日の鳥取の繁栄を物語っているようでした。
雪のこともあり、夕方以降は誰も歩いていませんでした。


改めて雪の街へ夕食に出ましたが、心当たりの店は予約制で入れず、駅前の海鮮居酒屋へ行きました。
隣は中国人ファミリーで、地元の若いグループが三々五々入店してくるような店です。
サービス自体はまあまあでした。

次回、鳥取から今浜までの山陰線車窓のハイライトから、丹後鉄道で日本三景・天橋立へ、そして舞鶴で引揚記念館訪問の顛末もご期待ください。