茅野に下りて床屋へ行ったついでに、軽トラを飛ばして杖突街道を伊那方面に走らせました。
目的は初秋の物産調達です。
杖突街道沿道の直売所にて
茅野より杖突街道(国道152号線)を走って、杖突峠に登り、高遠方面に下ると、谷あいに取り残されたような里の風景が点在します。
伊那谷と諏訪地方、甲州街道を結ぶ街道だった道で、山城国から勧進された貴船神社などが残る集落が続きます。
かなり下って道が平坦になったあたり、塩供という地区に一軒の直売所があります。
沿線の商店や食堂が閉店している現在では貴重な有人販売所です。
コロナが始まってからはこの直売所も閉まっていることが多くなりました。
たまに空いていても、怖いから午前中だけ開ける、と一人で経営しているおばさんの話しでした。
空いているのを見かけたので寄ってみました。
おばさん自家製の野菜とリンゴ、高頭饅頭などが並んでいます。
声をかけると奥からおばさんが出てきました。
今年はプルーンの出来が悪かったこと。もうすぐ駒ヶ根からナシを仕入れること。キノコはまだなこと。今年のキノコの出来はわからないこと。山から鹿、イノシシ、サルが出ること。最近木材の伐採が進んでいること。そば粉を知り合いからもらって年越しそばは自分で打つこと。などなど・・・。
一山380円のトマトを買いました。
一人で直売所を守るおばさんへの応援です。
これからもコロナとサルに負けずに元気でいてほしいものです。
高遠の華蔵食堂でソースカツ丼
高遠の町へ入り無料の商店街駐車場へ。
みすず食堂をという2回ほど入ったことがある食堂を目指しますが、本日休業。
駐車場隣の真新しい観光案内所へ行って昼食の場所の情報を聞きました。
教えてくれた高遠郊外の食堂へ。
店内は田舎によくある飲み屋を兼ねた食堂。
小上りには作業着の4人組と地元の夫婦。
応対したおばさんの年季からして味に期待が持てます。
おすすめはローメン、ソースカツ丼のようです。
1000円のロースソースカツ丼を注文しました。
これが当たりでした。
伊那でソースカツ専門店のたけだへ行けば、1500円するソースカツ丼が、肉の分厚さではやや劣るとはいえ、1000円です!
味も遜色ありません。
観光客が詰め掛け、混んでおり、ややもすると客扱いが雑になりかねないたけだよりいいかもしれません。
14時に昼の部終了、という県内のローカルルールはどちらも同じで、その点は十分注意しなければなりませんが。
昼食の後、近くの直売所に寄ってみました。
果物ではネクタリンが多く出ていました。
大石早生というスモモがあったので加工用に仕入れました。
伊那市創造館で大昆蟲食博
伊那市では博物館に行ってみました。
高遠の博物館に行ったことはあるのですが、なるほど伊那市博物館という施設はなく、検索で見つからなかったのです。
駅からほど近く、長らく図書館として利用されていた由緒ある建物が、伊那市の博物館に当たる創造館でした。
出土した貴重な土偶、土器のほか、関連する文化人の資料などが企画展示されています。
その中に!大昆蟲食博という展示がありました。
何気なく入ってみると、ザザムシで有名な伊那ならではの力の入った、見ごたえのある展示でした。
イナゴ、ザザムシ、ハチの子のほか、信州と伊那谷に伝わる昆虫食の歴史と未来がパネリングされています。
ザザムシのふりかけを開発した、上伊那農業高校の取り組みがビデオ化されており、見ることができました。
この企画、地元でやるのはいいのですが東京などでやってみてはどうでしょう?
タイムリーだとも思います。
ザザムシが気になって創造館を後にした山小舎おじさん。
伊那の商店街の一角に、ザザムシ、ハチの子の貼り紙を張った店があるのを思い出しました。
行って見ると店は無人で鍵がかかっていました。
御用の方は電話ください、とあったので電話してみました。
出てきたおばあさんに聞くと、ザザムシは季節ではないこと、季節になっても今はあまり出回らないこと、との返事でした。
残念。
この店の隣の酒屋に力強い看板がかかっていました。
秘酒・突こしとは何者?店へはいって聞いてみました。
よく聞いてくれたとばかりに店主が冷蔵庫から出してくれたのは、真空パックに入った真澄の特別酒でした。
諏訪にある真澄の蔵元ショップでもお目にかかったことがないものです。
どうして諏訪から遠く離れた伊那に?と聞くのももどかしく、得意げな店主から1本買い求めました。
歩けば色んなものと出会えるのだなあ。
帰り道、いつもの南箕輪村の直売所JA上伊那ファーマーズあじーなに寄りました。
リンゴの早生品種が出ていました。地物の桃も出盛りで、B品がひと箱700円でしたので加工用に買いました。
いつにもまして収穫の多い、高遠、伊那谷の初秋の旅でした。