長野県は、山梨、群馬、新潟など八つの県に接しています。
県境はそれぞれ山で隔たれています。
その山塊を峠道でつないで、山梨、岐阜との間に中央本線が、愛知との間に飯田線が、新潟との間に大糸線と飯山線、北陸新幹線が走っています。
山梨県の小淵沢から県内の小諸を結ぶ小海線もあります。
県をまたぐ線路はこれだけです。
それらの線路も、中央本線と新幹線を除き、狭い谷間や山間を辛うじて単線が張り付いているような具合です。
いかに長野県が閉ざされた地形であるかがわかります。
県内の状況も似たようなもので、各地方が山に囲まれており、地方間の行き来は峠を越えるか、川沿いに行くしかありません。
ということで今回、思い立って草津温泉に行った際にも、県境の峠道の深さ、厳しさ、を思い知らされたことでした。
6月初旬に、奥さんが山小舎に陣中見舞いに来た際に草津へ行ったのでした。
行きのルートは、上田市の真田地区から菅平方面に北上し、途中で群馬方面に折れる道順でした。
県境付近は片側一車線の山また山のつづれ折で、峠を下りると、キャベツ畑の風景が広がっていました。
まとまって開かれた畑や、整備された道路などをみて、「長野とは別の地方へ来たのだなあ」と感じました。
草津へ入るとそこは大きな町でした。
古い温泉街と別荘地が同居しているようなところで、想像していたよりにぎやかでした。
昼食は奥さんがネットで調べたイタリアンへ。
根曲がりダケというタケノコや、タラの芽などが出てきました。
昼食後は、西の河原公園の駐車場に車を止め、公園を下って温泉街へ向かいました。
西の河原公園は、温泉が流れ、賽の河原のような白茶けた風景が続きます。
三々五々、観光客が散策しています。
温泉街へ下り、湯畑の方面に歩いてみます。
温泉街の歴史を感じさせる土産物屋が並んでいます。
中心部の湯畑では、源泉が、何本もの木の樋を流れてゆくのが見られます。
源泉が流れてゆく景色は、秋田の玉川温泉でも見られます。
荒々しく、近寄りがたい玉川温泉のそれに比べて、ややおとなしく感じるものの、温泉街の中心部に源泉を引っ張って華々しくデモンストレーションするというところに、草津温泉の温泉街としての意欲と歴史を感じます。
さすが日本三大温泉の一つです。
湯畑のあたりは観光客で賑わっていました。
長野県では、善光寺か松本城、夏の軽井沢にでも行かない限り、出会うことのない人出です。
ここは群馬県、首都圏であり関東圏だと実感しました。
西の河原へもどり、露天風呂へ立寄って帰りました。
ぬるめの湯でしたが、上がってからも汗が出続けるほど効きました。
帰りは行きとは別のルートで帰りました。
軽トラで来なくてよかったと思うほどの山越えの連続でした。