韮崎平和観音

自宅と山小屋の往復には、自家用車のほかでは高速バスか鉄道を使います。
時間的には高速バスが早く(バス停・高速深大寺から高速茅野までが約2時間半)、レスポンスもいいのですが、旅好きな山小舎おじさんとしては鉄道の旅も捨てがたいのです。

JR中央線に、高尾から大月行き、甲府行きなどに乗り、終着で途中下車。
そこで昼食を摂るのんびり旅です。
甲府には行きつけの定食屋まであります。

高速道路を走る旅と違い、鉄路を行く旅は視線が低いので見える景色が人間サイズの上、案外視界も広いのです。
鉄道は町をつなげて走るので、商店街、住宅地、農地など、場所場所の人間の暮らしの景色が見られるのもいいのです。

ということで、夏のある日、自宅から山小舎へ戻る道中、山梨県の韮崎に途中下車しました。
車窓から見える大きな観音様の麓に行ってみようと思ったからです。

線路からほど近く観音様は見えます。
韮崎駅の改札口で駅員さんに聞きました、「観音様へのルートを教えてくれますか」。
「まず、駅のガードをくぐって。案内板はないと思うけど。登りが急ですよ。」との返答でした。

ガードをくぐって駅の反対側へ出ます。
小高い山の上の観音様は街から遠望できるので方向は迷いません。

駅からガードをくぐった商店街にかかる鳥居
商店街からは平和観音が見える

「窟観音入り口」の看板があったので進んでみます。
平安時代にこの地を訪れた弘法大師が掘った観音様が石窟に安置され、岩場の麓には雲岸寺というお寺が立っている場所でした。

まず窟観音へ行ってみる
トンネルの出口にはお地蔵さまが並ぶ

まずは石窟と窟観音を見て回ります。
中央線韮崎駅の近くにかような石窟が残っていることに驚きました。

窟観音が収められているお堂
崖下から望むお堂

目指す平和観音は雲岸寺が立つ場所から小高い山(断層)を登った場所にあります。
平和観音までは舗装道路が続いており、そこそこの交通量もあります。
徒歩で夏に歩くのは一苦労でした。

汗をかきつつ登った崖の上に平和観音が立っていました。
甲府盆地とその向こうの富士山を望む場所です。
あたりの雰囲気は甲府盆地を走る国道20号線の活気と喧騒から離れたのんびりしたものでした。

平和観音が立つ高台は市民の墓所でもある
平和観音を仰ぎ見る

女性的な造りの観音様は遥か甲府盆地から東京方面を眺め、世の安寧と平安を祈念しておられるのでしょう。
忘れられたような静けさの中、たたずむ観音様でした。

投稿者: 定年おじさん

1956年北海道生まれ。2017年に会社を退職。縁あって、長野の山小屋で単身暮らしを開始。畑作り、薪割り、保存食づくり、山小屋のメンテナンスが日課。田舎暮らしの中で、60歳代の生きがい、生計、家族関係などの問題について考える。60歳代になって人生に新しい地平は広がるのか?ご同輩世代、若い世代の参加(ご意見、ご考察のコメント)を待つ。

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