信州ソウルフード放浪記VOL.2 長和町「立岩和紙の里」で新そばを食べる

おじさんの住む山小屋があるのは長野県小県郡(ちいさがたぐん)長和町というところ。
長和町は上田盆地の西端に位置し、二つの峠で茅野、諏訪と接している。

おじさんの山小屋は、茅野へ抜ける大門峠という峠の下にある。
長和町の中心部へ行くには国道152号線、通称大門街道を下ってゆく。
大門街道を下りきり、役場や、「道の駅マルメロの里」を過ぎ、上田市に入る直前に、立岩和紙の里という施設がある。

この地区の特産物・和紙を取り上げた、体験型施設で、特産物の販売、食堂を併設している。

団体客が体験紙すきをしたのであろう、何十枚もの漉いた紙を型枠ごと干している風景をよく見かける。

おじさんはここの前を何十回も通ったが、入ったのは初めて。
公共施設特有の敷居の高さというか、上から目線をおじさんのナイーブな心にさざ波を立ててしまうのだ。

いつもはコンビニ弁当か直売所のうどんで済ませる、畑の後のおじさんの昼食。
今日は思い切って和紙の里の食堂を覗いてみよう。

入ってみると、内部は広く、太い柱と梁の伝統的な日本建築。
昔の学校か何かの公共施設だったと思わせる。
時代をワープして、子どもの頃の学び舎に戻ったようで落ち着く。
平日の2時ではあるがほかに客は一人。

レジのお姉さんのおすすめは新蕎麦とのこと。
今日の定食をチョイス。
蕎麦の実が入ったとろろご飯と新蕎麦のセット。

これがうまかった。
長野に来てから、十割蕎麦や、善光寺の門前蕎麦、上田の有名店などで蕎麦を食べたが、一番食べやすいそばだった。
麺の硬さと風味とが一番調和がとれていると言おうか。

田舎の食堂では、なんといっても素材の良さと盛りのよさを期待するが、素材の良さについては文句なし。
油っ気のないメニューにしては満足感もあった。

ちなみにこの施設、長和町振興公社という第三セクターの運営。
同社は、スキー場や、温泉施設なども運営している。
いわば、町の公共性の高い商業施設を、民間から引き継いで、あるいは最初から直営で運営しているわけだ。

おじさんがバイトしていた別荘管理事務所の慰労会が、湯游パークという町内の温泉施設の食堂で催されたが、その温泉施設も、長和町振興公社が経営している。
半官半民じゃないと町の商業施設は成りゆかないのか?

投稿者: 定年おじさん

1956年北海道生まれ。2017年に会社を退職。縁あって、長野の山小屋で単身暮らしを開始。畑作り、薪割り、保存食づくり、山小屋のメンテナンスが日課。田舎暮らしの中で、60歳代の生きがい、生計、家族関係などの問題について考える。60歳代になって人生に新しい地平は広がるのか?ご同輩世代、若い世代の参加(ご意見、ご考察のコメント)を待つ。

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