諏訪大社は全国的に有名だ。
信濃国一之宮というから、西暦1000年前後から、すでに信州における神社の筆頭格だった。
また、全国の諏訪神社の総本社という。
神社の系統は、白山神社、八幡神社、などなどあるが、その一つ諏訪神社系統の筆頭である。
創建年代は不明というほど古い。
祭神は、アマテラス、スサノヲなど天孫系の神様ではなく、オオクニヌシの息子というから国津神系。
渡来人が律令国家を形成し、天孫系の天津神をまつるようになる前から、縄文系の地元民がその神をまつる場所だったようだ。
4か所ある諏訪大社の本宮が諏訪市にある。
市内には、ほかに前宮があり、下諏訪町には、下社春宮、下社秋宮がある。
前宮は創建時の原始的な雰囲気が残る場所。
下社はそれぞれ観光名所となっている。
今日は思い立って本宮に参拝。
参道に出店も並んでいる。
立派な鳥居をくぐる。
手水舎で手を洗う。
本宮には御柱が4本立っている。
参拝路に沿って進み、参拝殿からご神体を望んで二礼二拝。
おじさんは、長野での田舎暮らしの今年の無事を感謝した。
ついでに宝物殿で代々の宝物を鑑賞。
宝物には、数々の歴史上の第一級資料のほか、神社のハンコや日本刀などもあった。
すり減った大昔からのハンコは明治になるまで使われたという。
ハンコは、単なる祭祀用だけではなく、時の政権との連絡など、行政手続にも使われていたようだ。
神社がかつて信仰の対象としてだけではなく、具体的な行政の一端を担っていたことがうかがわれる。
日本刀とは、行政組織としての「力」の裏付けの象徴か?
ちなみに、宝物館のチケットは、お授け所で巫女さんから買う。
この時、巫女さんの凛とした口調のきれいな標準語に接して、おじさんは襟を正さざるをえなかった。
そう、ここはほのぼのとした田舎の神社などではなくて、日本国の設立のころから、その精神的、歴史的な中心のひとつだった場所。
東京などよりよほど古い歴史と精神文化を、巫女さんが象徴するこの神社は誇っているのだ。
これは、先日、前宮を訪れた時に、話を聞いた宮司さんの口調、醸し出す雰囲気と同じだった。
大きな神楽殿の奥には巨大な太鼓が2張りあった。
全国から寄せられる絵などの進物を展示する建物も。
砲丸の進物は戦争時代の象徴か?
これらの進物からは、諏訪大社が民心から遊離した独善的な存在ではないことがうかがえる。
県内の地酒の樽が並ぶ。酒蔵は諏訪大社の有力なスポンサーだろう。
本宮には本殿がない。
背後の山自体が本殿で、パワースポットとされる。
堂々たる広い社内。
恐るべし諏訪大社。
来年もまた山小屋暮らしの無事を祈って訪れよう。