おじさんの山小屋から畑へ通う道が、国道152号線、通称大門街道。
上田から丸子を越え、大門峠を越えて茅野へ降りる道。
その道沿い、大門集落の入口(大門峠側からみて)に、一目見ると忘れられない神社がある。
1700年ごろ建てられた古社
その神社は、大門稲荷神社という。
昼なお薄暗い場所にたたずみ、背後に巨岩をいただき、うっそうとした巨木に囲まれている。
大門街道に面して鳥居が建てられ、よく見ると境内には小山がある。
円錐形の小山は土俵である。
この土俵、すでに現役の土俵ではなく、その昔にも本当に使われたかどうかの確証はない。
言い伝えによると、この神社、江戸時代の相撲部屋・浦風部屋の隠し稽古場があったとのこと。
転がり落ちたら怪我しそうな土俵は、力士の稽古仕上げと真剣勝負の場として使われたとか。
上田地方の郷土力士で伝説の、雷伝為衛門もこの土俵に上がったらしい。
日本三辻、付近には熊も出る
この神社、日本三辻の一つに数えられているとのこと。
辻とは街角、通り、道端のことを言うが、この神社が日本三辻と呼ばれる経緯は不明だ。
神社としてパワーを持つ地相に建つことは自明として、街道沿いの立地や、相撲部屋との関係など、人の往来が、当時としては賑やかな場所だったのかもしれない。
夕方になると境内の街灯に明かりがともり、さらに神秘性を増す神社である。
気軽に立ち寄りたくも、良い鵜に近づけない孤高の気高さを感じさせる。
巨岩に食い込むように社屋が建てられている。巨岩信仰との関連がうかがえる。
社屋の背後の岩場には仏像が立っている。
信仰と修業の場でもあったか?
大門街道を渡ると、渓流釣りで知られる大門川流域。
毎年秋には熊の目撃ポイントとして地元ニュースをにぎわす場所です。