旧北国街道(信越)は、軽井沢で中山道と別れ、千曲川の右岸を北上、上田、松代などを経て新潟の日本海海岸に至る街道。
佐渡から金を江戸へ運ぶ道筋として、五街道に次ぐ位置づけだったとのこと。
軽井沢の追分から、上田までの間には城下町で有名な小諸宿があり、その先に田中宿、海野宿と続きます。
現在では小諸市内の街道風景は、往時の建物と雰囲気が残ってはいますが、道幅などは拡張されており、基本的には「現代の風景の中に歴史建築が散在して」いる風景となっています。
その先の田中宿も、駅前商店街として開発整備されています。
一方、海野宿の景観は奇跡的に往時の様子をとどめています。
建物の保存もさることながら、道のわきに流れる側溝が埋め立てられもせず、暗渠化されもせず、その流れをさらさらと露天にさらしている素晴らしさです。
訪れたのは土曜日でしたが、観光客の姿は2,3組。
ちょっと寂しい気もしますが、一方、土産物店、食べ物屋、などの数が少なく、また店のデイスプレイが本来の建物の邪魔をしていないのが好感が持てました。
この地域、商圏は隣の田中駅周辺だったり、上田だったりしますから、無理な開発もなく、住宅地として100年以上現状保存され、価値が認められてからは景観保存の措置が取られた結果の景観維持状態ものと思われます。
日本の道100選にも選ばれています。
これほどまでに景観が保存されている宿場というと、県内では中山道の木曽路にある奈良井宿が思い出されます。
全国的知名度はありませんが、山小舎から比較的近い位置に残っている旧街道の歴史的遺産です。