信州ソウルフード放浪記VOL.9 中華といえばテンホウ

長野県も緊急事態宣言。
そんなときにソウルフードもないのだが、腹は減る。
茅野へ買い物に行ったときに地元長野の中華チェーン・テンホウへ行きました。

県民には常識以前の中華チェーン・テンホウ。
茅野市内だけでも3店舗の存在を、長野県4年目の山小屋おじさんでさえ知っています。

別荘管理事務所のバイト仲間(東京出身)いわく「長野県民はテンホウを中華料理と思っている」。

そんなこともないと思いますが、ある意味真実をついている言葉です。

そんなこともない、と思うのは、全国チェーンのバーミアン(茅野市内に1店舗ある)にもそこそこ客が入っていることからもうかがえます。

ある意味真実、と思うのは、このテンホウチェーン店、コンセプトが昔懐かしい「デパート食堂」のようで、地元に愛されているからです。

「デパート食堂」のコンセプトとは、一つの食堂で洋食、和食、中華、すしを出し、デザートまで用意していることなどです。

山小舎おじさんが育った北海道旭川には丸井さんと呼ばれるデパートがあり、そこの食堂のコンセプトがまさにその通りでした。
メニューが多いだけでなく、そこそこ本格的な味でした。
今でも丸井さんの食堂で食べたハヤシライス以上のハヤシライスを食べたことがありません。
ハッシュドビーフが乗っているライスではなく、焦げ臭い(小麦粉をちゃんと焦がしている)ルーが適度のとろみで乗っているハヤシライスでした。

話がそれたついでに、岩手の花巻にマルカンデパートというデパートがあります。
出張ついでにそこの食堂に行ったことがありますが、街中に人気のない花巻にあってそこの食堂だけは地元民でいっぱいで、来てよかったと思いました。
メニューは昔ながらのデパート食堂そのもの。
トルコライスというものを頼みました。
専用の台にセットされたソフトクリームも現役でした。

話を戻します。

テンホウは失われたデパート食堂のコンセプトを一部受け継いだ中華食堂です。主力メニューは中華定食ですが、デザートメニューにラインナップされている、ソフトクリームが泣かせます。

そういえばお隣の上田市内でそこだけ地元の人が並んでいる、富士アイスという店があります。
今川焼が主力商品なのですが、ソフトクリームも出しています。
小さなサイズですが今どき150円でソフトが食べられます。

テンホウといい、富士アイスといい、地元民の心をつかんでいるのは、昔ながらのデパート食堂のコンセプトを受け継いでいるからなのかもしれません。

さんざん前置きが長くなりました。

緊急事態宣言下のテンホウ。
土曜日なのに客はおじさん一人でした!
時刻が13時を過ぎてはいましたが。
かつては茅野市役所近くの店舗など、昼時はいつ行ってもほぼ満員だったのに。

そのうちもう一人お客が入ってきました。
それからテイクアウトのおばさんも。

食べたのはラーメン野菜炒めセット。
ラーメンの麺がいい縮れ具合で結構でした。
野菜炒めはおとなしすぎる味付けでしたが、もともと本格中華をコンセプトとした店ではありません。
そんなことより温泉卵がセットされていたことが新鮮でした。
値段は810円。
県内にしては強気の値段設定だと思います。

決して満足感が足りない味と量ではありませんが、過剰なプレゼンは一切行わない質実剛健な県民性を表したかのような内容のメニューでした。
おじさんは嫌いではないけれどね。

茅野市内での外食シーンとしてはついつい選んでしまうテンホウ。

ちなみにうちの家族と一緒に昨年夏に山小舎へ来たとき、到着が遅れ、テンホウで夕食を摂ったことがあります。
おじさんとしてはあまり勧めなかったのですが、家族が「どこでもいい」とのことで寄りました。
結果、家族がその味に怒っていたことを思い出しました。

あなたが、ある中華メニューにこだわりがあり、そのメニューをテンホウで注文したとして、必ずしもご期待に沿えないのが残念なテンホウではあります。

というわけで県内限定の味!中華チェーン・テンホウでした。

投稿者: 定年おじさん

1956年北海道生まれ。2017年に会社を退職。縁あって、長野の山小屋で単身暮らしを開始。畑作り、薪割り、保存食づくり、山小屋のメンテナンスが日課。田舎暮らしの中で、60歳代の生きがい、生計、家族関係などの問題について考える。60歳代になって人生に新しい地平は広がるのか?ご同輩世代、若い世代の参加(ご意見、ご考察のコメント)を待つ。

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