小金井駅南口から徒歩10分ほど、旧小金井工業高校の向いの住宅地にフランスパンのカンデルがあります。
オーナー兼パン職人の奥田さんという女性が一人でパンを焼いています。
水曜日から土曜日までの営業で、なくなり次第終了です。
山小舎おじさんの家族がここのパンのファンです。
10年ほど前の開業。
当時は民家の庭先に店舗となる小屋を建てて営業していました。
売り子さんにアルザス地方の民族衣装を着せていました。
アルザス地方はフランス東部でドイツと国境を接するあたり、カンデルのオーナー奥田さんのパンの師匠が住んでいた地方です。
山小屋おじさんは自宅滞在の折には、月に2~3回ほどカンデルを訪れます。
買うのはバケットを2本とその他のパンです。
バケットはフランスで食べるパンを連想させます。
本場のフランスパンは外側がカリッとして、中がもちッとし、小麦の風味が香ります。
一晩も置くとカチンカチンになりますが、買ってすぐ食べる味はたまりません。
安いうえに全く飽きがこないので、若かりし日のパリ滞在時、バイトの休みの日の名画座巡りにはバケットと飲むヨーグルトを持参し、映画館の座席で昼食代わりとしたものでした。
当時のパリ市内のカフェにはバケットを使ったソーセージホットサンドもよく売っていました。
電熱棒のようなものにバケットの柔らかい部分を差し込み、空いた穴にソーセージを突っ込んで出してくれました。フランスらしい乱暴で大まかなホットサンドでした。
小金井のカンデルでは、オーナーとバイトの売り子さんともすっかり顔なじみ。
黙っていても「バケット2本ですね」と言ってくれます。
時には「発酵がうまくいかなかった」「四葉の発酵バターが品薄で手に入らない」などの理由でバケットを焼かない日もあるほど、オーナーのこだわりが本格的です。
カンデルのバケットを買って帰ると山小舎おばさんがさっそく斜めにカットして焼き、カリカリの断面にバターなどを縫って出してくれます。
香ばしさが最高です。